システムは実行中の仮想マシンごとに、仮想マシンの予約(ある場合)用と、仮想マシンの仮想化オーバーヘッド用に物理 RAM を予約します。
すべての仮想マシンの構成済み総メモリ サイズが、ホストで使用可能な物理メモリ容量を超える可能性があります。ただし、必ずしもメモリがオーバーコミットされることを意味するわけではありません。すべての仮想マシンの動作中のメモリ フットプリントの合計がホストのメモリ サイズを超える場合に、メモリはオーバーコミットされます。
ESXi ホストのメモリ管理手法のおかげで、仮想マシンは、ホストで利用可能な物理 RAM より多い仮想 RAM を使用できます。たとえば、2GB のメモリを持つホストがある場合に、それぞれ 1GB のメモリを持つ 4 台の仮想マシンを実行できます。この場合、メモリがオーバーコミットされます。たとえば、4 つの仮想マシンすべてがアイドル状態の場合、消費メモリの合計は 2 GB を大幅に下回っている可能性があります。ただし、4 GB の仮想マシンすべてがアクティブにメモリを消費している場合は、メモリ フットプリントが 2 GB を超えて、ESXi ホストがオーバーコミットされる可能性があります。
オーバーコミットが有用なのは、一般に、仮想マシンには負荷の軽いものと負荷の重いものがあり、相対的な動作レベルが時間とともに変動するためです。
メモリの使用率を向上させるために、ESXi ホストは、アイドル状態の仮想マシンから、より多くのメモリを必要とする仮想マシンにメモリを移動します。予約またはシェアのパラメータを使用して、重要な仮想マシンにメモリを優先的に割り当てます。このメモリは、使用されていない場合にほかの仮想マシンで利用できます。ESXi は、ホストのメモリが大きくオーバーコミットされていない場合でも、バルーン、メモリ共有、メモリ圧縮、スワップなど、さまざまなメカニズムを実装して適切なパフォーマンスを実現します。
また、メモリ圧縮 で説明するように、メモリのオーバーコミット時に仮想マシンのパフォーマンスを向上させるため、ESXi ホストではメモリ圧縮がデフォルトで有効になっています。