ESXi の文脈では、ターゲットという語は、ホストがアクセスできる 1 つのストレージ ユニットを表します。ストレージ デバイスおよび LUN という語は、ターゲット上のストレージ容量を表す論理ボリュームを意味しています。一般的に ESXi の文脈では、デバイスおよび LUN という語は、ストレージ ターゲットからホストに表示される SCSI ボリュームを意味しており、フォーマットに使用できます。

iSCSI ストレージのベンダーにより、ストレージをホストに見せる方法が異なります。一部のベンダーは複数の LUN を単一のターゲットで表示します。別のベンダーは複数のターゲットにそれぞれ 1 つの LUN を表示します。

図 1. ターゲットと LUN との対応表現
一方のケースでは、ホストは 3 つの LUN を持つ 1 つのターゲットを認識します。もう一方の例では、ホストは、LUN を 1 つずつ持つ 3 つの異なるターゲットを認識します。

これらの例では、どちらの構成でも 3 つの LUN が利用できます。最初の例の場合、ホストは 1 つのターゲットを検出しますが、そのターゲットには使用できる LUN が 3 つあります。各 LUN は、個々のストレージ ボリュームを意味します。2 つ目の例では、ホストはそれぞれ 1 つの LUN を持つ 3 つの異なるターゲットを検出します。

ホスト ベースの iSCSI イニシエータは、各ターゲットに対して接続を確立します。複数の LUN が 1 つのターゲット内にあるストレージ システムの場合、すべてのトラフィックは単一の接続で行われます。3 つのターゲットにそれぞれ 1 つずつ LUN があるシステムの場合は、ホストと 3 つの LUN との間に個別の接続が 3 つ存在します。

この情報は、複数の iSCSI アダプタを使用してホストからの複数の接続上のストレージ トラフィックを集約する場合に役立ちます。あるターゲットへのトラフィックを特定のアダプタに設定し、別のターゲットへのトラフィックは別のアダプタに設定して使用することができます。