仮想インベントリの設定方法を計画し、サポートされる仮想マシンがどのように使用され、管理されるのかを検討します。vSphere の大規模な実装では、ホスト、クラスタ、リソース プール、およびネットワークが複雑に配置された、複数の仮想データセンターが含まれることがあります。これには、拡張リンク モードを使用して接続された複数のvCenter Serverシステムが含まれることもあります。より小規模な実装では、トポロジがそれほど複雑でない、1 つの仮想データセンターだけが必要な場合があります。

仮想オブジェクトのインベントリを作成および編成するときには、いくつかの点について検討する必要があります。

  • 一部の仮想マシンで専用のリソースが必要となるか。
  • 一部の仮想マシンで作業負荷が定期的に上昇するか。
  • 一部の仮想マシンをグループとして管理する必要があるか。
  • 一部の仮想オブジェクトではシステム権限の 1 セットを必要とするが、ほかのオブジェクトでは別のセットの権限を必要とするか。
  • 複数の vSphere 標準スイッチを使用するか、あるいはデータセンターごとに単一の vSphere Distributed Switch を使用するか。
  • 特定の仮想マシンでは vMotion および Distributed Resource Management を使用するが、ほかの仮想マシンでは使用しないか。

vSphere Clientの左側のペインには、vSphere インベントリが表示されます。オブジェクトを任意の方法で追加および調整できますが、次の考慮事項があります。

  • インベントリ オブジェクトの名前は、親ごとに一意である必要があります。
  • vApp 名は、仮想マシンおよびテンプレート ビューで一意である必要があります。
  • システム権限は、カスケード形式で継承されます。インベントリ内のオブジェクトにシステム権限を割り当てると、オブジェクト階層の下に向かって同じ権限が伝達されます。

インベントリを編成するタスク

インベントリの設定と編成には、次のアクティビティが含まれます。

  • データセンターの作成。
  • データセンターへのホストの追加。
  • インベントリ オブジェクトのフォルダ内での編成。
  • vSphere 標準スイッチまたは vSphere Distributed Switch を使用したネットワークの設定。vMotion、TCP/IP ストレージ、VMware vSAN™、Fault Tolerance などのサービスを使用するには、 これらのサービスのために VMkernel ネットワークを設定します。詳細については、『vSphere のネットワーク』を参照してください。
  • ストレージ システムを構成し、データストア インベントリ オブジェクトを作成してインベントリのストレージ デバイスに論理コンテナを提供。vSphere のストレージ を参照してください。
  • クラスタを作成して複数のホストと仮想マシンのリソースを統合。可用性の向上とより柔軟なリソース管理のために vSphere HA と vSphere DRS を有効にできます。vSphere HA の構成については『vSphere の可用性』を、 vSphere DRS の構成については『vSphere のリソース管理』を参照してください。
  • vSphere のリソースの論理上の抽象化と柔軟な管理のため、リソース プールを作成。リソース プールは階層にグループ化することができ、使用可能な CPU リソースとメモリ リソースを階層状にパーティショニングするために使用できます。詳細については、vSphere のリソース管理を参照してください。