EVC を構成して、クラスタ内のホスト間で仮想マシンを移行する場合に、CPU 機能に互換性がないことが原因で失敗しないようにします。

いくつかの EVC アプローチで CPU 互換性を確保できます。
  • クラスタ内のすべてのホストが新しい EVC CPU または Graphics (vSGA) モードと互換性がある場合、既存の EVC クラスタの EVC CPU または Graphics (vSGA) モードを変更できます。
  • EVC が有効になっていないクラスタの EVC を有効にできます。
  • より多くの CPU 機能を公開するように EVC モードを上げるができます。
  • CPU 機能を隠して互換性を高くするために EVC モードを下げることができます。

前提条件

  • クラスタのすべてのホストに、有効にする EVC モードに対応した CPU が搭載されていることを確認します。サポートされている CPU のリストについては、ナレッジベースの記事 KB1003212 を参照してください。
  • クラスタ内のすべてのホストが vCenter Server に接続されていて登録されていることを確認します。切断されたホストをクラスター内に含めることはできません。
  • EVC モードの変更内容に応じて、仮想マシンは次のパワー状態になっている必要があります。
    EVC モード 仮想マシン パワー アクション
    機能の多い CPU ベースラインに EVC モードを上げます。 実行中の仮想マシンのパワーオン状態は保持されます。新しい EVC モード機能は、パワーオフしてから再度パワーオンするまで仮想マシンで使用できません。完全にパワーオフしてパワーオンすることが必要です。ゲスト OS の再起動、または仮想マシンのサスペンドおよびレジュームでは不十分です。
    ヒント: vmx.reboot.powerCycle 仮想マシン パラメータを TRUE に設定すると、ゲスト OS の再起動時に仮想マシンの電源を入れ直すよう構成することができます。仮想マシンが再度パワーオンされると、この構成パラメータは削除されます。仮想マシンの構成設定を編集するには、 VMware Host Client を使用します。『 vSphere の単一ホスト管理:VMware Host Client』ガイドの「 VMware Host Client での構成ファイル パラメータの編集」トピックを参照してください。VMware PowerCLI を使用してこのパラメータを仮想マシンのグループに設定する方法については、 VMware vSphere Blog の投稿を参照してください。
    機能の少ない CPU ベースラインに EVC モードを下げます。 仮想マシンがパワーオン状態になっていて、有効にする EVC モードよりも高いモードで実行されている場合は、仮想マシンをパワーオフします。
    注: EVC クラスタ内の仮想マシンのスナップショットを作成する場合は、次の使用事例に留意してください。
    • EVC のダウングレード前に実行中の仮想マシンのスナップショットを作成した場合、EVC のダウングレード後にそのスナップショットに戻そうとすると失敗し、仮想マシンはサスペンド状態のままになります。
    • EVC のアップグレード前に仮想マシンのスナップショットを作成した場合は、EVC のアップグレード前または後に作成したスナップショットに戻すことができます。

    仮想マシンの EVC モードを確認するには、仮想マシンの EVC モードの決定 を参照してください。

手順

  1. インベントリでクラスタを選択します。
  2. [設定] タブをクリックします。
  3. [構成][VMware EVC] を選択し、[編集] をクリックします。
  4. [EVC モードの変更] 画面で、EVC を有効にするか無効にするかを選択します。
    オプション 説明
    EVC を無効化 EVC 機能が無効になります。該当するクラスタのホストに対して、CPU の互換性が保持されません。
    AMD ホスト用に EVC を有効化 EVC 機能が、AMD のホストに対して有効になります。
    Intel ホスト用に EVC を有効化 EVC 機能が、Intel のホストに対して有効になります。
  5. [CPU モード] ドロップダウン メニューから、クラスタに対して有効にする、ベースラインの CPU 機能セットを選択します。
    EVC CPU モードを選択できない場合は、[互換性] ペインに、原因と各原因に関連するホストが表示されます。
  6. (オプション) [グラフィック モード (vSGA)] ドロップダウン メニューで、ベースライン グラフィック機能セットを選択します。
    EVC vSGA モードを選択できない場合は、[互換性] ペインに、原因と各原因に関連するホストが表示されます。
    オプション 説明
    ベースライン グラフィック Direct3D 10.1/OpenGL 3.3 が提供する機能を含むベースライン グラフィック機能セットを適用します。
    注: [グラフィック モード (vSGA)] は、Direct3D 10.1/OpenGL 3.3 を使用した機能を含むベースライン グラフィック セットのみを適用します。ベースライン グラフィック機能セットは ESXi 7.0 以前でサポートされているすべての機能と互換性があります。
    D3D 11.0 クラスの機能 Direct3D 11.0/OpenGL 4.1 が提供する機能を含むベースライン グラフィック機能セットを適用します。
    注: クラスタを作成するときに、EVC グラフィック モードの D3D 11.0 クラス機能を有効にすると、Direct3D 11.0 をサポートする ESXi ホストのみをクラスタに追加できます。Direct3D 11.0 をサポートしない ESXi ホストをクラスタに追加しようとすると、操作は失敗し、エラー メッセージが表示されます。
  7. [OK] をクリックします。