vMotion を使用して、データの損失を発生させることなく、NVIDIA vGPU を利用した仮想マシンのライブ マイグレーションを実行できます。

vGPU 仮想マシンで vMotion を有効にするには、vgpu.hotmigrate.enabled の詳細設定を true に設定する必要があります。vCenter Server の詳細設定の構成方法については、『vCenter Server の構成』ドキュメントの「詳細設定の構成」を参照してください。

vSphere 6.7 Update 1 および vSphere 6.7 Update 2 では、vMotion を使用して vGPU 仮想マシンを移行するときに、vMotion の停止時間が 100 秒を超えると、フレーム バッファ サイズが 24 GB 以上の vGPU プロファイルの移行プロセスが失敗することがあります。vMotion のタイムアウトを回避するには、vSphere 6.7 Update 3 以降にアップグレードしてください。

サスペンド時には、仮想マシン、デスクトップ、またはアプリケーションにアクセスできません。移行が完了すると、仮想マシンへのアクセスが再開され、すべてのアプリケーションが前の状態から続行されます。vGPU プロファイルのフレーム バッファ サイズの詳細については、NVIDIA 仮想 GPU のドキュメントを参照してください。

想定される仮想マシンのサスペンド時間(vMotion 中にユーザーが仮想マシンにアクセスできなくなる時間)と、最悪のケースの推定サスペンド時間を次の表に示します。推定サスペンド時間は、NVIDIA Tesla V100 PCIe 32 GB GPU を使用して 10 Gb ネットワークでテストしたものです。

表 1. vGPU 仮想マシンの vMotion で想定されるサスペンド時間
使用されている vGPU フレーム バッファ (GB) 仮想マシンのサスペンド時間(秒)
1 2
2 4
4 6
8 12
16 22
32 39
表 2. 最悪のケースの推定サスペンド時間(秒)
vGPU メモリ 仮想マシンのメモリ 4 GB 仮想マシンのメモリ 8 GB 仮想マシンのメモリ 16 GB 仮想マシンのメモリ 32 GB
1 GB 5 6 8 12
2 GB 7 9 11 15
4 GB 13 14 16 21
8 GB 24 25 28 32
16 GB 47 48 50 54
32 GB 91 92 95 99
注: 想定されるサスペンド時間と、最悪のケースの推定サスペンド時間を検討する際は、次の点に注意してください。
  • 設定済みの vGPU プロファイルは、使用されている vGPU フレーム バッファの上限を表します。多くの使用事例では、任意の時点で仮想マシンによって使用される vGPU フレーム バッファ メモリの量はプロファイルで割り当てられた vGPU メモリを下回っています。
  • 想定されるサスペンド時間と、最悪のケースでの推定サスペンド時間は、単一の仮想マシンを移行する場合にのみ有効です。複数の仮想マシンを同時に移行している場合、つまり vSphere の手動修正プロセスでは、サスペンド時間に悪影響が及びます。
  • 上記の見積もりでは、10 Gbps の移行スループットを達成するのに十分な CPU、メモリ、PCIe、およびネットワーク キャパシティを想定しています。

DRS は、ロード バランシングのサポートなしに vSphere 6.7 Update 1 以降を実行している vGPU 仮想マシンの初期配置をサポートします。

VMware vSphere vMotion は、NVIDIA によって定義されサポートされているように、互換性のある NVIDIA GPU デバイス モデルおよび NVIDIA GRID ホスト ドライバ バージョンでのみ、またそれらの間でのみサポートされます。互換性の情報については、NVIDIA 仮想 GPU ユーザー ガイドを参照してください。

NVIDIA vGPU ホスト ドライバ、vSphere、および Horizon 間の互換性を確認するには、VMware 互換性マトリックスを参照してください。