インスタント クローン テクノロジーを使用すると、あるパワーオン状態の仮想マシンの実行状態から、別のパワーオン状態の別の仮想マシンを作成できます。インスタント クローンの操作によって作成された新規仮想マシンは、ソース仮想マシンと同一になります。インスタント クローンでは、指定した時点に新しい仮想マシンを作成できます。インスタント クローン作成は、メモリ効率を確保して単一のホストに多数の仮想マシンを作成できるようになるため、大規模なアプリケーションの展開に非常に便利です。
インスタント クローンの操作によって作成された仮想マシンは、ターゲット仮想マシンと呼ばれます。ターゲット仮想マシンのプロセッサの状態、仮想デバイスの状態、メモリの状態、ディスクの状態は、ソース仮想マシンの状態と同じです。ネットワークの競合を回避するため、インスタント クローン操作中にターゲット仮想マシンの仮想ハードウェアをカスタマイズできます。たとえば、仮想 NIC の MAC アドレスや、ターゲット仮想マシンのシリアル ポートの構成をカスタマイズできます。vSphere 6.7 以降では、ターゲット仮想マシンのゲスト OS のカスタマイズはサポートされません。手動でのゲスト OS のカスタマイズについては、『vSphere Web Services SDK Programming Guide』を参照してください。
インスタント クローン操作中、ソース仮想マシンは短時間(1 秒未満)サスペンドします。ソース仮想マシンのサスペンド中、各仮想ディスクに書き込み可能な差分ディスクが新規で生成され、チェックポイントが取得されてターゲット仮想マシンに転送されます。ターゲット仮想マシンは、ソースのチェックポイントを使用してパワーオンします。ターゲット仮想マシンが完全にパワーオンした後、ソース仮想マシンも稼動を再開します。
インスタント クローンで作成された仮想マシンは、完全に独立した vCenter Server インベントリ オブジェクトになります。インスタント クローンで作成された仮想マシンは、制限のない通常の仮想マシンと同様に管理できます。
vSphere 6.7 以降では、仮想マシンのインスタント クローンは API 呼び出しを介した場合のみ実行できます。
インスタント クローンの詳細については、『vSphere Web Services SDK プログラミング ガイド』を参照してください。