2 ノード構成の vSAN クラスタやストレッチ クラスタで、データ トラフィックと監視トラフィックを分離することができます。
vSAN のデータ トラフィックは、低遅延で高いバンド幅のリンクを必要とします。監視トラフィックの場合、高遅延、低バンド幅、かつルーティング可能なリンクを使用できます。データ トラフィックを監視トラフィックから分離するために、vSAN の監視トラフィック専用の VMkernel ネットワーク アダプタを構成できます。
vSAN ストレッチ クラスタで vSAN データ トラフィックを配信するために、直接ネットワーク交差接続のサポートを追加できます。監視トラフィック用に、別のネットワーク接続を構成できます。クラスタの各データ ホストで、管理 VMkernel ネットワーク アダプタを構成して、ここでも監視トラフィックを伝送できるようにします。監視ホスト上に監視トラフィック タイプを構成しないでください。
注: ネットワーク アドレス変換 (NAT) は、
vSAN データ ホストと監視ホスト間ではサポートされていません。
前提条件
- データ サイトから監視トラフィックへの接続に、1,000 vSAN コンポーネントあたり 2 Mbps の最小バンド幅があることを確認します。
- 以下の遅延についての要件を確認します。
- 2 ノード構成の vSAN クラスタでは、RTT を 500 ミリ秒未満にする必要があります。
- サイトあたりのホスト数が 11 台未満のストレッチ クラスタでは、RTT を 200 ミリ秒未満にする必要があります。
- サイトあたりのホスト数が 11 台以上のストレッチ クラスタでは、RTT を 100 ミリ秒未満にする必要があります。
- vSAN データ接続が、次の要件を満たしていることを確認します。
- 2 ノード構成の vSAN クラスタで直接接続されているホストの場合、ホスト間で 10 Gbps の直接接続を使用します。ハイブリッド クラスタでは、ホスト間で 1 Gbps クロス接続も使用できます。
- スイッチ インフラストラクチャに接続されたホストの場合、10 Gbps の共有の接続(オール フラッシュ クラスタには必須)か、1 Gbps の専用の接続を使用します。
- データ トラフィックと監視トラフィックで同じ IP バージョンが使用されていることを確認します。
手順
- ESXi ホストへの SSH 接続を開きます。
- esxcli network ip interface list コマンドを使用して、管理トラフィックに使用する VMkernel ネットワーク アダプタを決定します。
例:
esxcli network ip interface list
[vmk0]
Name: vmk0
MAC Address: e4:11:5b:11:8c:16
Enabled: true
Portset: vSwitch0
Portgroup: [Management Network]
Netstack Instance: defaultTcpipStack
VDS Name: N/A
VDS UUID: N/A
VDS Port: N/A
VDS Connection: -1
Opaque Network ID: N/A
Opaque Network Type: N/A
External ID: N/A
MTU: 1500
TSO MSS: 65535
Port ID: 33554437
[vmk1]
Name: vmk1
MAC Address: 00:50:56:6a:3a:74
Enabled: true
Portset: vSwitch1
Portgroup: [vsandata]
Netstack Instance: defaultTcpipStack
VDS Name: N/A
VDS UUID: N/A
VDS Port: N/A
VDS Connection: -1
Opaque Network ID: N/A
Opaque Network Type: N/A
External ID: N/A
MTU: 9000
TSO MSS: 65535
Port ID: 50331660
注: 後方互換性のため、マルチキャスト情報が含まれます。
vSAN 6.6 以降のリリースでは、マルチキャストは必要ありません。
- esxcli vsan network ip add コマンドを使用して、監視トラフィックをサポートするように管理 VMkernel ネットワーク アダプタを構成します。
esxcli vsan network ip add -i vmkx -T witness
- esxcli vsan network list コマンドを使用して、新しいネットワーク構成を確認します。
例:
esxcli vsan network list
Interface
VmkNic Name: [vmk0]
IP Protocol: IP
Interface UUID: 8cf3ec57-c9ea-148b-56e1-a0369f56dcc0
Agent Group Multicast Address: 224.2.3.4
Agent Group IPv6 Multicast Address: ff19::2:3:4
Agent Group Multicast Port: 23451
Master Group Multicast Address: 224.1.2.3
Master Group IPv6 Multicast Address: ff19::1:2:3
Master Group Multicast Port: 12345
Host Unicast Channel Bound Port: 12321
Multicast TTL: 5
Traffic Type: [witness]
Interface
VmkNic Name: [vmk1]
IP Protocol: IP
Interface UUID: 6df3ec57-4fb6-5722-da3d-a0369f56dcc0
Agent Group Multicast Address: 224.2.3.4
Agent Group IPv6 Multicast Address: ff19::2:3:4
Agent Group Multicast Port: 23451
Master Group Multicast Address: 224.1.2.3
Master Group IPv6 Multicast Address: ff19::1:2:3
Master Group Multicast Port: 12345
Host Unicast Channel Bound Port: 12321
Multicast TTL: 5
Traffic Type: [vsan]
結果
vSphere Client で、vSAN トラフィック用に管理 VMkernel ネットワーク インターフェイスが選択されていません。vSphere Client でインターフェイスを再度有効にしないでください。