vSAN クラスタのメンバーであるホストは、シャットダウン、再起動または切断する前にメンテナンス モードにする必要があります。ホストをメンテナンス モードにする場合、[アクセシビリティの確保] や [全データの移行] などのデータ退避モードを選択する必要があります。
vSAN クラスタのメンバー ホストのいずれかがメンテナンス モードになると、そのメンバー ホストがクラスタに容量を提供しなくなるため、クラスタ容量が自動的に減少します。
このホストによって提供されるすべての vSAN iSCSI ターゲットは、クラスタ内の他のホストに転送されます。iSCSI イニシエータは、新しいターゲット所有者にリダイレクトされます。
前提条件
使用環境で、選択するオプションで必要とされる機能が使用可能であることを確認します。
手順
- ホストを右クリックして [メンテナンス モード > メンテナンス モードへの切り替え] の順に選択します。
- データ退避モードを選択し、[OK] をクリックします。
オプション |
説明 |
アクセシビリティの確保 |
デフォルトのオプションです。クラスタでホストをパワーオフまたは削除すると、vSAN によってこのホストのすべてのアクセス可能な仮想マシンはアクセス可能なままになります。アップグレードをインストールするときのようにホストを一時的にクラスタから外して後で戻す場合に、このオプションを選択します。このオプションは、クラスタからホストを恒久的に削除する場合には適切ではありません。
通常、部分的なデータ退避だけが必要です。ただし、退避中は、仮想マシンが仮想マシン ストレージ ポリシーに対して完全準拠ではなくなる可能性があります。つまり、一部のレプリカにアクセスできなくなることがあります。ホストがメンテナンス モードになっており、
[許容される障害の数] が 1 に設定されている場合に障害が発生すると、クラスタでデータが損失する可能性があります。
注: 3 台のホスト クラスタ、または 3 つのフォルト ドメインが構成されている
vSAN クラスタを使用している場合、これは使用できる唯一の退避モードです。
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全データの移行 |
vSAN は、クラスタ内の他のホストにすべてのデータを退避し、現在のオブジェクトのコンプライアンス状態を維持します。このオプションはホストを恒久的に移行する場合に選択します。クラスタの最後のホストからデータを退避させたら、必ず仮想マシンを別のデータストアに移行してホストをメンテナンス モードにします。 この退避モードにすると、大量のデータが転送され、時間とリソースの消費が最も多くなります。選択したホストのローカル ストレージ上のすべてのコンポーネントは、クラスタの別の場所に移行されます。ホストがメンテナンス モードになっている場合、すべての仮想マシンはそのストレージ コンポーネントにアクセスでき、これに割り当てられたストレージ ポリシーに引き続き準拠します。
注:
可用性が低下した状態のオブジェクトがある場合、このモードはこのコンプライアンス状態を維持しますが、オブジェクトのコンプライアンスが維持される保証はありません。
ホスト上にデータが保存されている仮想マシン オブジェクトにアクセスすることができず、このオブジェクトが完全に退避されない場合、そのホストをメンテナンス モードに切り替えることはできません。
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データの移行なし |
vSAN はこのホストからデータを退避させません。クラスタからホストをパワーオフまたは削除した場合、仮想マシンによってはアクセス不能になる可能性があります。 |
3 つのフォルト ドメインが構成されているクラスタには、3 台のホスト クラスタの場合と同じ制約があり、
[全データの移行] モードを使用したり、障害後にデータを再保護したりすることはできません。
また、ESXCLI を使用してホストをメンテナンス モードにすることもできます。このモードに切り替える前に、ホストで実行されている仮想マシンをパワーオフしておく必要があります。
メンテナンス モードに切り替えるには、ホストで次のコマンドを実行します。
esxcli system maintenanceMode set --enable 1
ホストのステータスを更新するには、次のコマンドを実行します。
esxcli system maintenanceMode get
メンテナンス モードを終了するには、次のコマンドを実行します。
esxcli system maintenanceMode set --enable 0
次のタスク
クラスタ内のデータ移行の進行状況を追跡することができます。詳細については、『vSAN の監視とトラブルシューティング』を参照してください。