Tanzu Kubernetes Grid サービスTanzu Kubernetes クラスタをプロビジョニングすると、いくつかのステータス状態が報告されるようになります。これらを使用することでクラスタの健全性に関する重要な情報を直接把握できます。

クラスタの健全性状態について

Tanzu Kubernetes Grid サービス によってプロビジョニングされた Tanzu Kubernetes クラスタは、いくつかの可動部分で構成されます。これらのすべての可動部分は独立した関連性のあるコントローラによって操作され、一連の Kubernetes ノードを構築および維持するために連携します。TanzuKubernetesCluster オブジェクトには、クラスタとマシンの健全性について詳細な情報を提供するステータス状態があります。

クラスタの健全性の確認

Tanzu Kubernetes クラスタの健全性を確認するには、次の手順を実行します。
  1. kubectl describe cluster コマンドを実行します。
    ステータスが準備完了になっている場合、クラスタ インフラストラクチャとクラスタ制御プレーンは両方とも準備ができています。例:
    Status:
      Conditions:
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:37:32Z
        Status:                   True
        Type:                     Ready
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:37:32Z
        Status:                   True
        Type:                     ControlPlaneReady
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:31:34Z
        Status:                   True
        Type:                     InfrastructureReady
    ただし、クラスタの状態が false の場合は、クラスタの準備ができておらず、メッセージ フィールドに問題の内容が示されます。たとえば、次の例では、ステータスは False であり、インフラストラクチャの準備はできていません。
    Status:
      Conditions:
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:37:32Z
        Status:                   False
        Type:                     Ready
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:37:32Z
        Status:                   True
        Type:                     ControlPlaneReady
        Last Transition Time:     2020-11-24T21:31:34Z
        Status:                   False
        Type:                     InfrastructureReady
  2. クラスタの準備ができていない場合は、次のコマンドを実行して、クラスタ インフラストラクチャの問題を特定します。
    kubectl describe wcpcluster

クラスタの健全性状態のリスト

次の表に、Tanzu Kubernetes クラスタで使用可能な健全性状態の一覧と定義を示します。

条件 説明
Ready クラスタ API オブジェクトの動作状態の概要を示します。
Deleting 基盤となるオブジェクトが現在削除されているため、ステータスは True ではありません。
DeletionFailed 基盤となるオブジェクトの削除中に問題が発生したため、ステータスは True ではありません。調整機能によって削除が再試行されるため、これは警告になります。
Deleted 基盤となるオブジェクトが削除されたため、ステータスは True ではありません。
InfrastructureReady このクラスタに対して定義されているインフラストラクチャ オブジェクトの現在のステータスの概要を報告します。
WaitingForInfrastructure 基盤となるインフラストラクチャが利用可能になるまでクラスタが待機している場合に報告されます。注:この状態は、インフラストラクチャが準備完了状態であることを報告していない場合に、フォールバックとして使用されます。
ControlPlaneReady クラスタ制御プレーンの準備ができている場合に報告されます。
WaitingForControlPlane 制御プレーンが利用可能になるまでクラスタが待機している場合に報告されます。注:この状態は、制御プレーンが準備完了状態であることを報告していない場合に、フォールバックとして使用されます。

状態フィールド

各状態に複数のフィールドを含めることができます。
Type 状態のタイプの説明です。たとえば、ControlPlaneReady など。Ready 状態の場合は、他のすべての状態のサマリになります。
Status

タイプのステータスを示します。

状態には、TrueFalseUnknown などがあります。

Severity

Reason の分類です。

Info は、調整の実行中を意味します。

Warning は、問題が発生している可能性があるため、再試行されることを意味します。

Error は、エラーの発生により、解決のために手動による対処が必要なことを意味します。

Reason

ステータスが False である理由を示します。準備ができるまで待機していることを示す場合や、障害の理由を示す場合があります。通常は、ステータスが False の場合にスローされます。

Message Reason について説明する、人間が解読可能な情報です。