ストレッチ クラスタの 3 つのサイトはすべて、管理ネットワークと vSAN ネットワークを通じて通信を行います。すべてのデータ サイトにある仮想マシンは、共通の仮想マシン ネットワークを通じて通信します。

vSAN ストレッチ クラスタのルーティング要件は次のとおりです。

表 1. ルーティング要件

サイト通信

展開モデル

レイヤー

ルーティング

サイトからサイト

デフォルト

レイヤー 2

必須ではない

サイトからサイト

デフォルト

レイヤー 3

スタティック ルートが必要です。

サイトから監視

デフォルト

レイヤー 3

スタティック ルートが必要です。

サイトから監視

監視トラフィックの分離

レイヤー 3

管理 (vmk0) インターフェイス以外のインターフェイスを使用する場合は、スタティック ルートが必要です。

サイトから監視

監視トラフィックの分離

2 ホスト クラスタの場合はレイヤー 2

スタティック ルートは不要です。

仮想スイッチの要件

vSphere Standard Switch または vSphere Distributed Switch のいずれかを使用して、vSAN ネットワークを作成できます。vSAN トラフィックのバンド幅の優先順位を付けるには、Distributed Switch を使用します。vSAN は、すべての vCenter Server バージョンで Distributed Switch を使用します。

次の表に、標準スイッチを使用した場合と Distributed Switch を使用した場合の違いを示します。

表 2. 仮想スイッチのタイプ
設計要件 オプション 1:vSphere Distributed Switch オプション 2:vSphere Standard Switch 説明
可用性 影響なし 影響なし どちらのオプションも使用できます。
管理性 利点 欠点 Distributed Switch はすべてのホストで一元的に管理されますが、標準スイッチは各ホストで個別に管理されます。
パフォーマンス 利点 欠点 Distributed Switch には追加の制御機能があります。たとえば、Network I/O Control を使用すると、vSAN トラフィックのパフォーマンスを維持できます。
復旧性 利点 欠点 Distributed Switch の構成はバックアップとリストアに対応していますが、標準スイッチでこの機能を使用することはできません。
セキュリティ 利点 欠点 Distributed Switch には、トラフィックを保護する追加のセキュリティ コントロールが組み込まれています。