vSAN はブロックレベルのデデュープおよび圧縮を実行してストレージ容量を節約できます。

vSAN オールフラッシュ クラスタでデデュープと圧縮を有効にすると、各ディスク グループまたはストレージ プール内の冗長なデータが削減されます。デデュープでは冗長なデータ ブロックが削除されるのに対して、圧縮ではさらに各データ ブロック内で冗長なデータが削除されます。これらの技術は連携して機能し、データを保存するために必要な容量を減らすことができます。vSAN はデデュープを実行してから、データをキャッシュ層からキャパシティ層に移動するときに圧縮を実行します。オンライン トランザクション処理など、デデュープのメリットを得られないワークロードには、圧縮のみの vSAN を使用します。

デデュープは、キャッシュ層からキャパシティ層にデータが戻されるときにインラインで実行されます。デデュープアルゴリズムは、固定ブロック サイズを使用し、各ディスク グループ内で適用されます。同じディスク グループ内のブロックの冗長コピーがデデュープされます。

vSAN Original Storage Architecture の場合、デデュープと圧縮は、クラスタ全体の設定として有効になりますが、ディスク グループ単位で適用されます。また、vSAN ポリシーを使用して設定を変更できないため、特定のワークロードで圧縮を有効にすることはできません。vSAN クラスタでデデュープおよび圧縮を有効にすると、特定のディスク グループ内の冗長なデータが単一のコピーに削減されます。

注: 圧縮のみの vSAN はディスク単位で適用されます。

vSAN Express Storage Architecture の場合、圧縮はクラスタで有効になっています(これがデフォルトです)。一部の仮想マシン ワークロードで圧縮を有効にしない場合は、カスタマイズされたストレージ ポリシーを作成し、そのポリシーを仮想マシンに適用します。また、vSAN Express Storage Architecture の圧縮は、新しい書き込みにのみ適用されます。オブジェクトの圧縮を有効にしても、古いブロックは圧縮されません。

デデュープおよび圧縮は、vSAN オールフラッシュ クラスタを作成するとき、または既存の vSAN オールフラッシュ クラスタを編集するときに有効にできます。詳細については、「既存の vSAN クラスタでデデュープと圧縮を有効にする」を参照してください。

デデュープと圧縮を有効または無効にするときに、vSAN はすべてのホストのすべてのディスク グループまたはストレージ プールのローリング再フォーマットを実行します。vSAN データストアに保存されているデータによっては、このプロセスに長時間かかることがあります。これらの操作を頻繁に実行しないでください。デデュープおよび圧縮を無効にする予定の場合、最初にデータを配置するのに十分な物理容量があることを確認する必要があります。

注: 仮想マシンの暗号化では、ストレージに書き出す前にホストのデータを暗号化するため、デデュープおよび圧縮は暗号化された仮想マシンには効果的ではない場合があります。仮想マシンの暗号化を使用する場合は、ストレージのトレードオフについて検討してください。

デデュープおよび圧縮を使用したクラスタ内のディスクの管理方法

注: このトピックは、 vSAN Original Storage Architecture クラスタにのみ適用されます。
デデュープおよび圧縮を有効にしてクラスタ内のディスクを管理する場合、次のガイドラインを考慮します。このガイドラインは、圧縮のみの vSAN には適用されません。
  • ディスクを 1 つずつディスク グループに追加しないようにします。デデュープおよび圧縮の効率を高めるには、ディスク グループを追加してクラスタのストレージ容量を増やすことを検討してください。
  • ディスク グループを手動で追加する場合は、すべてのキャパシティ ディスクを同時に追加します。
  • 単一のディスクをディスク グループから削除することはできません。変更を行うには、ディスク グループ全体を削除する必要があります。
  • 単一のディスクで障害が発生すると、ディスク グループ全体で障害が発生します。

デデュープおよび圧縮によって節約できる容量の確認

デデュープおよび圧縮によって削減できるストレージ量は、保存されているデータのタイプや重複するブロックの数など、多くの要因によって異なります。ディスク グループが大きくなると、デデュープ率が高くなる傾向があります。デデュープおよび圧縮の結果は、vSAN のキャパシティ モニターで [デデュープおよび圧縮前の使用量の内訳] を確認してチェックできます。

デデュープと圧縮を示すキャパシティの概要

[デデュープおよび圧縮前の使用量の内訳] を確認できるのは、vSphere ClientvSAN キャパシティを監視しているときです。デデュープおよび圧縮の結果に関する情報が表示されます。[有効化前に使用] 容量はデデュープおよび圧縮を適用する前に必要な論理容量を示すのに対して、[有効化後に使用] 容量はデデュープおよび圧縮を適用した後に使用される物理容量を示します。[有効化後に使用] 容量には、節約される容量の量の概要と、デデュープおよび圧縮の比率も表示されます。

[デデュープおよび圧縮の比率] は、デデュープおよび圧縮を適用した後に必要となる物理([有効化後に使用])容量に対するデデュープおよび圧縮を適用する前にデータを保存するために必要な論理([有効化前に使用])容量に基づきます。具体的には、この比率は [有効化前に使用] 容量を [有効化後に使用] 容量で割ったものです。たとえば、[有効化前に使用] 容量が 3 GB だが物理的な [有効化後に使用] 容量が 1 GB の場合、デデュープおよび圧縮の比率は 3 倍です。

vSAN クラスタでデデュープおよび圧縮を有効にした場合、ディスク容量が要求されて再割り当てされるため、キャパシティの更新がキャパシティ モニターで反映されるまでに数分かかる場合があります。