vSAN クラスタのメンバーであるホストは、シャットダウン、再起動または切断する前にメンテナンス モードにする必要があります。

メンテナンス モードで操作する場合、次のガイドラインを考慮します。
  • ESXi ホストをメンテナンス モードにする場合、[アクセシビリティの確保][全データの移行] など、データ退避モードを選択する必要があります。
  • vSAN クラスタのメンバー ホストのいずれかがメンテナンス モードになると、そのメンバー ホストがクラスタにストレージ容量を提供しなくなるため、クラスタ容量が自動的に減少します。
  • 仮想マシンの計算リソースはメンテナンス モードになっているホストに存在しない場合があり、仮想マシンのストレージ リソースはクラスタ内の任意の場所に配置されている可能性があります。
  • [アクセシビリティの確保] モードは [全データの移行] モードより高速です。これは、[アクセシビリティの確保] では仮想マシンを実行するために不可欠なコンポーネントのみをホストから移行するためです。このモードの場合に障害が発生すると、仮想マシンの可用性に影響があります。[アクセシビリティの確保] モードを選択しても、障害時にデータが再保護されることはなく、予期せぬデータ損失が発生する可能性があります。
  • [全データの移行] モードを選択する場合は、リソースが使用可能で、[許容される障害の数] を 1 以上に設定していれば、データは障害に対して自動的に再保護されます。このモードの場合、ホストのすべてのコンポーネントが移行され、ホストに保存されたデータ量によっては移行に長い時間を要する可能性もあります。[全データの移行] モードの場合、仮想マシンでは、予定されていたメンテナンスの期間であっても、障害を許容することができます。
  • 3 台のホストのクラスタを操作する場合、[全データの移行] ではサーバをメンテナンス モードにできません。可用性を最大限に高めるには、4 台以上のホストで構成されるクラスタを設計することを検討してください。
ホストをメンテナンス モードにする前に、次の点を確認する必要があります。
  • [全データの移行] モードを使用している場合、[許容される障害の数] ポリシーの要件を満たす、十分なホストおよびキャパシティがクラスタにあることを確認します。
  • 残りのホストに十分なフラッシュ容量があり、どの vSphere Flash Read Cache 予約でも処理できることを確認します。1 つのホスト障害が原因でクラスタの容量が不足し、クラスタのキャパシティ、キャッシュの予約、およびクラスタ コンポーネントに影響が及ぶ可能性があるかを分析したり、ホストあたりの現在のキャパシティ使用量を分析したりするには、RVC コマンド vsan.whatif_host_failures を実行します。RVC コマンドの詳細については、『RVC コマンド リファレンス ガイド』を参照してください。
  • ストライプ幅のポリシー要件がある場合は、その要件を処理するための十分なキャパシティ デバイスが残りのホストにあることを確認します。
  • 残りのホストに、メンテナンス モードに切り替えるホストから移行が必要なデータ量を処理するための、十分な空き容量があることを確認します。
メンテナンス モードのダイアログ
[メンテナンス モードの確認] ダイアログ ボックスは、メンテナンス作業のガイドとなる情報を提供します。ここでは、各データ退避オプションの影響を表示することができます。
  • 操作を実行するために必要な容量を使用できるかどうか。
  • 移動するデータのサイズ。
  • 準拠しなくなるオブジェクトの数。
  • アクセスできなくなるオブジェクトの数。