vCenter HA クラスタは、3 つの vCenter Server インスタンスから成ります。1 つ目のインスタンスは、最初はアクティブ ノードとして使用され、パッシブ ノードと監視ノード用にそのクローンが 2 回作成されます。アクティブ-パッシブのフェイルオーバー ソリューションは、この 3 つのノードが一体となって実現されます。

ハードウェア障害からの保護は、それぞれ異なる ESXi インスタンスに各ノードをデプロイすることで得られます。3 つの ESXi ホストを DRS クラスタに追加すれば、より強力に環境を保護することができます。

vCenter HA の構成が完了した時点では、アクティブ ノードだけが、アクティブな管理インターフェイス(パブリック IP)を持ちます。3 つのノードは、vCenter HA ネットワークという、構成の過程でセットアップされたプライベート ネットワークを介して通信を行います。アクティブ ノードは、継続的にデータをパッシブ ノードに複製しています。

図 1. vCenter の 3 ノード クラスタ
3 ノード クラスタは、アクティブ ノード、パッシブ ノード、監視ノードから成ります。3 つのノード間の通信には、プライベート ネットワークが使用されます。

この機能が動作するには、3 台のノードがすべて必要です。ノードの役割を比較します。

表 1. vCenter HA ノード
ノード 説明
アクティブ
  • アクティブ vCenter Server インスタンスを実行します。
  • 管理インターフェイスにパブリック IP アドレスを使用します。
  • vCenter HA ネットワークを使用して、パッシブ ノードへのデータのレプリケーションを行います。
  • vCenter HA ネットワークを使用して、監視ノードとの通信を行います。
パッシブ
  • 元々はアクティブ ノードのクローンです。
  • vCenter HA ネットワークを介して常時アクティブ ノードから更新を受信し、アクティブ ノードと状態を同期します。
  • 障害が発生すると、自動的にアクティブ ノードの役割を引き継ぎます。
監視
  • アクティブ ノードの軽量クローンです。
  • クォーラムを提供し、スプリットブレインの状態から保護します。