vCenter HA クラスタが健全な状態であるためには、アクティブ ノード、パッシブ ノード、および監視ノードのそれぞれが完全に動作しており、vCenter HA クラスタ ネットワーク上でアクセスできる必要があります。いずれかのノードでエラーが発生すると、クラスタは低下した状態にあると見なされます。
問題
クラスタが低下した状態にあると、フェイルオーバーを実行できません。クラスタが低下状態にある場合の障害シナリオの詳細については、フェイルオーバーの障害を参照してください。
原因
- いずれかのノードで障害が発生
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- アクティブ ノードに障害が発生した場合、アクティブ ノードからパッシブ ノードへのフェイルオーバーが自動的に行われます。フェイルオーバー後は、パッシブ ノードがアクティブ ノードになります。
この時点で、元のアクティブ ノードは使用できなくなるため、クラスタは低下した状態になります。
障害の発生したノードが修復されるか、オンラインになると、このノードが新たにパッシブ ノードとなり、アクティブ ノードとパッシブ ノードの同期後にクラスタは健全な状態に戻ります。
- パッシブ ノードで障害が発生した場合、アクティブ ノードは引き続き機能しますが、フェイルオーバーは実行できず、クラスタは低下した状態になります。
パッシブ ノードは、修復されるか、オンラインになると自動的に再びクラスタに参加し、クラスタは、アクティブ ノードとパッシブ ノードの同期後、健全な状態になります。
- 監視ノードで障害が発生した場合、アクティブ ノードは稼働し続け、アクティブ ノードとパッシブ ノードとの間でレプリケーションが続行されますが、フェイルオーバーは実行できなくなります。
監視ノードは修復されてオンラインになると自動的に再びクラスタに参加し、クラスタは健全な状態になります。
- アクティブ ノードに障害が発生した場合、アクティブ ノードからパッシブ ノードへのフェイルオーバーが自動的に行われます。フェイルオーバー後は、パッシブ ノードがアクティブ ノードになります。
- データベースのレプリケーションが失敗
- アクティブ ノードとパッシブ ノード間のレプリケーションが失敗すると、クラスタは低下した状態と見なされます。その後もアクティブ ノードは、パッシブ ノードとの同期を実行します。それが成功すると、クラスタは健全な状態に戻ります。この状態は、ネットワーク バンド幅の問題やその他のリソース不足が原因である可能性があります。
- 構成ファイルのレプリケーションの問題
- アクティブ ノードとパッシブ ノードとの間で構成ファイルのレプリケーションが適切に実行されなかった場合、クラスタは低下した状態になります。その後もアクティブ ノードは、パッシブ ノードとの同期を試みます。この状態は、ネットワーク バンド幅の問題やその他のリソース不足が原因である可能性があります。
解決方法
リカバリの方法は、クラスタの状態が低下した原因によって異なります。クラスタの状態が低下した場合、イベント、アラーム、SNMP トラップにエラーが表示されます。
いずれかのノードがダウンしている場合は、ハードウェアの障害またはネットワークの隔離をチェックしてください。障害の発生したノードがパワーオン状態であるかどうかを確認します。
レプリケーションに失敗する場合は、vCenter HA ネットワークの帯域幅が十分に確保されていることと、ネットワークの遅延が 10 ミリ秒以下であることを確認してください。