ESXi ホストがクラッシュしていなくても、プライマリ仮想マシンまたはセカンダリ仮想マシンでフェイルオーバーが発生する可能性があります。このような場合、仮想マシンの実行は中断されませんが、冗長性は一時的に失われます。このタイプのフェイルオーバーを回避するために、フェイルオーバーが発生する可能性のある状況について認識し、それらを回避するための手段を講じます。

ストレージに関連する部分的なハードウェア障害

いずれかのホストについて、ストレージへのアクセスが遅い、またはアクセスが停止した場合に、この問題が生じることがあります。この問題が発生した場合には、VMKernel ログに、多数のストレージ エラーが記録されます。この問題を解決するには、ストレージ関連の問題に対処する必要があります。

ネットワークに関連する部分的なハードウェア障害

ログ記録 NIC が機能しない、またはその NIC を介したほかのホストへの接続が停止した場合には、フォールト トレランス対応の仮想マシンのフェイルオーバーが起動され、冗長性が再確立されます。この問題を回避するには、vMotion 用と FT のログ トラフィック用にそれぞれ専用の独立した NIC を用意し、vMotion での移行は仮想マシンのアクティビティが少ないときのみに行うようにします。

ログ記録 NIC ネットワークのバンド幅が不十分

1 台のホスト上にあるフォールト トレランス対応の仮想マシンが多すぎる場合に、この問題が生じることがあります。この問題を解決するには、フォールト トレランス対応の仮想マシンのペアを、さまざまなホスト間でより広範に分散させます。

FT には 10 Gbit ログ記録ネットワークを使用し、ネットワークが低遅延であることを確認します。

仮想マシンのアクティビティ レベルによる vMotion の障害

フォールト トレランス対応の仮想マシンで vMotion での移行が失敗すると、仮想マシンのフェイルオーバーが必要になることがあります。通常、これはアクティビティが最小限に中断されるだけで完了する移行に対して、仮想マシンが過度にアクティブになっている場合に発生します。この問題を回避するには、仮想マシンがあまりアクティブになっていないときのみ、vMotion での移行を実行します。

VMFS ボリューム上のアクティビティが多すぎて仮想マシンでフェイルオーバーが発生することがある

ファイル システムのロッキング操作、仮想マシンのパワーオン、パワーオフ、または vMotion での移行が 1 つの VMFS ボリューム上で多数行われると、フォールト トレランス対応の仮想マシンのフェイルオーバーが起動されることがあります。このような問題が発生しそうな兆候として、VMKernel ログで SCSI の予約に関する多数の警告を受け取ります。この問題を解決するには、ファイル システムの操作数を減らすか、vMotion を使用して定期的にパワーオン、パワーオフ、または移行される仮想マシンがあまり多くない VMFS ボリューム上に、フォールト トレランス対応の仮想マシンを配置します。

ファイル システムの使用可能な容量がないためにセカンダリ仮想マシンを起動できない

/ (ルート) または /vmfs/データソース ファイル システムに使用可能な空き領域があるかどうか確認してください。これらのファイル システムはさまざまな理由でフルになることがあり、空き容量がないと、新しいセカンダリ仮想マシンを起動できなくなることがあります。