ステートレス キャッシュを使用すると、ESXi ホストのイメージをキャッシュできます。ステートフル インストールでは、ネットワーク経由でホストをインストールできます。
vSphere Auto Deploy のステートレス キャッシュ機能を使用すると、ホストのイメージをキャッシュできます。vSphere Auto Deploy のステートフル インストール機能を使用すると、ネットワーク経由でホストをインストールできます。初回ネットワーク ブート後、これらのホストは、他の ESXi ホストと同じように起動します。ステートレス キャッシュ ソリューションは、主に複数のホストを同時に起動する状況を対象としています。ローカルにイメージをキャッシュすることで、何百ものホストが同時に vSphere Auto Deploy サーバに接続される場合に発生するボトルネックを回避できます。起動操作が完了すると、ホストが vSphere Auto Deploy に接続されて設定が完了します。
ステートフル インストール機能では、PXE ブート インフラストラクチャを設定しなくても、イメージ プロファイルを使用してホストをネットワーク経由でプロビジョニングできます。
ステートレス キャッシュおよびステートフル インストールの概要
システム キャッシュ構成のホスト プロファイルを使用すると、vSphere Auto Deploy のステートレス キャッシュおよびステートフル インストールでホストをプロビジョニングできます。
ステートレス キャッシュおよびステートフル インストールの例
- vSphere Auto Deploy でプロビジョニングされたホストがイメージをキャッシュする (ステートレス キャッシュ)
- ステートレス キャッシュ用にホスト プロファイルを設定し、適用します。イメージは、ローカル ディスク、リモート ディスク、または USB ドライブでキャッシュできます。このホストを引き続き vSphere Auto Deploy でプロビジョニングします。数百のホストから同時にアクセスが試行されるなどの理由で vSphere Auto Deploy サーバが使用できなくなると、ホストがキャッシュから起動されます。起動操作後、ホストは構成を完了させるために vSphere Auto Deploy サーバへのアクセスを試行します。
- vSphere Auto Deploy でプロビジョニングされたホストがステートフル ホストになる
- ステートフル インストール用にホスト プロファイルを設定し、適用します。vSphere Auto Deploy でホストをプロビジョニングすると、ローカル ディスク、リモート ディスク、または USB ドライブにイメージがインストールされます。以降の起動は、ディスクから行います。ホストは vSphere Auto Deploy を使用しなくなります。
準備
ステートレス キャッシュまたはステートフル インストールを正常に使用するために、システムの構成方法を決め、起動順序を設定します。
要件または決定事項 | 説明 |
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VMFS パーティションの上書きの決定 | 対話形式のインストーラを使用して ESXi をインストールする場合、既存の VMFS データストアを上書きするかどうかを求めるプロンプトが表示されます。システム キャッシュ構成のホスト プロファイルには、既存の VMFS パーティションを上書きするためのオプションがあります。 USB ドライブを使用するようにホスト プロファイルを設定した場合は、このオプションは表示されません。 |
可用性の高い環境が必要かどうかの決定 | ステートレス キャッシュで vSphere Auto Deploy を使用する場合、可用性の高い vSphere Auto Deploy 環境を設定することで、新しくプロビジョニングされたホストで仮想マシンを移行したり、vCenter Server システムが一時的に使用できなくなっても環境で vNetwork Distributed Switch をサポートしたりできます。 |
起動順序の設定 | ホストに対して指定する起動順序は、使用する機能によって異なります。
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ステートレス キャッシュと接続の喪失
vSphere Auto Deploy サーバ、vCenter Server システム、またはその両方への接続が仮想マシンを実行する ESXi ホストで失われると、次回にホストを再起動したときに制限が加えられることがあります。
- vCenter Server は使用できても vSphere Auto Deploy サーバが使用できない場合は、ホストが vCenter Server システムに自動的に接続されません。ホストを vCenter Server に手動で接続するか、vSphere Auto Deploy サーバが再び使用可能になるまで待ちます。
- vCenter Server と vSphere Auto Deploy のどちらも使用できない場合は、VMware Host Client を使用して各 ESXi ホストに接続し、各ホストに仮想マシンを追加できます。
- vCenter Server を使用できない場合は、vSphere DRS が動作しません。vSphere Auto Deploy サーバは、ホストを vCenter Server に追加できません。VMware Host Client を使用して各 ESXi ホストに接続し、各ホストに仮想マシンを割り当てることができます。
- 接続が失われている間に設定に変更を加えると、vSphere Auto Deploy サーバへの接続がリストアされた時点で変更が失われます。
ステートレス キャッシュおよびステートフル インストールについて
ステートレス キャッシュまたはステートフル インストールで vSphere Auto Deploy を使用する場合、ホスト プロファイルを設定して適用し、起動順序を設定する必要があります。
ホストへのキャッシュを有効にするホスト プロファイルを適用すると、指定したディスクが vSphere Auto Deploy によってパーティショニングされます。その後の処理は、ホスト プロファイルの設定内容およびホスト上の起動順序の設定内容によって異なります。
- システム キャッシュ構成のホスト プロファイルで [ホスト上でステートレス キャッシュを有効化] を選択した場合は、ホスト プロファイルを適用すると vSphere Auto Deploy がイメージをキャッシュします。再起動は必要ありません。その後再起動した場合、ホストは引き続き vSphere Auto Deploy インフラストラクチャを使用してイメージを取得します。vSphere Auto Deploy サーバが使用できない場合、ホストはキャッシュされたイメージを使用します。
- システム キャッシュ構成のホスト プロファイルで [ホスト上でステートフル インストールを有効化] を選択した場合は、vSphere Auto Deploy がイメージをインストールします。再起動すると、ホストは、まず、vSphere Auto Deploy を使用して起動し、インストールを完了します。インストーラでプロビジョニングされたホストと同じように、ホストがディスクから起動した後に、自動的に再起動されます。以後、vSphere Auto Deploy はホストのプロビジョニングを行いません。
vSphere Client からのホスト プロファイルを適用するか、PowerCLI セッションで vSphere Auto Deploy ルールを記述することができます。
ステートフル キャッシュまたはステートフル インストール用に vSphere Client を使用して vSphere Auto Deploy を設定する
リファレンス ホストにホスト プロファイルを作成し、そのホスト プロファイルを追加ホストまたは vCenter Server のフォルダやクラスタに適用できます。次のワークフローを使用します。
- vSphere Auto Deploy でホストをプロビジョニングし、そのホストの [システム イメージ キャッシュ構成] ホスト プロファイルを編集します。
- 1 つ以上のターゲット ホストをメンテナンス モードにし、各ホストにホスト プロファイルを適用してホストのメンテナンス モードを解除します。
- その後の処理は選択したホスト プロファイルによって異なります。
- ホスト プロファイルでステートレス キャッシュを有効にした場合、イメージがディスクにキャッシュされます。再起動は必要ありません。
- ホスト プロファイルでステートレス インストールを有効にした場合、イメージがインストールされます。再起動時に、ホストはインストールされたイメージを使用します。
ステートフル キャッシュまたはステートフル インストール用に PowerCLI を使用して vSphere Auto Deploy を設定する
- vSphere Auto Deploy でリファレンス ホストをプロビジョニングし、キャッシュの形式を有効にするホスト プロファイルを作成します。
- vSphere Auto Deploy で追加ホストをプロビジョニングし、リファレンス ホストのホスト プロファイルをそれらのホストに適用するルールを記述します。
- vSphere Auto Deploy は、イメージ プロファイルまたはルールに関連付けられたスクリプト バンドルを使用して、各ホストをプロビジョニングします。ホスト プロファイルを適用した場合の厳密な影響は、選択したホスト プロファイルによって異なります。
- ステートフル インストールの場合、vSphere Auto Deploy は次のように処理を進めます。
- 最初の起動中に、vSphere Auto Deploy はホストにイメージをインストールします。
- その後の起動では、ホストがディスクから起動します。ホストは、vSphere Auto Deploy サーバと接続する必要はありません。
- ステートフル キャッシュの場合、vSphere Auto Deploy は次のように処理を進めます。
- 最初の起動中に、vSphere Auto Deploy はホストをプロビジョニングし、イメージをキャッシュします。
- その後の起動では、vSphere Auto Deploy はホストをプロビジョニングします。vSphere Auto Deploy が使用できない場合、キャッシュされたイメージからホストが起動されますが、ホストが vSphere Auto Deploy サーバに接続できる場合にのみセットアップを実行できます。
- ステートフル インストールの場合、vSphere Auto Deploy は次のように処理を進めます。