ESXCLI を使用して、ESXi6.7 ホストまたは ESXi 7.0 ホストをバージョン 8.0 にアップグレードし、ESXi 6.7、ESXi 7.0、および ESXi 8.0 ホストに対してアップデートまたはパッチ適用を行うことができます。
vSphere 8.0 は、ESXi 8.0 ホストの更新またはパッチ適用に使用できる新しいソフトウェア配布物として、構成ファイル、コンポーネント、基本イメージ、アドオンを提供します。ESXi でのコンポーネント、基本イメージ、アドオンの管理については、ESXCLI の概念と範例を参照してください。
ESXCLI コマンドを使用するには、スタンドアローンの ESXCLI をインストールする必要があります。ESXCLI のインストールおよび使用については、次のドキュメントを参照してください。
esxcli コマンド実行中に Ctrl+C を押下すると、コマンドライン インターフェイスは、メッセージを表示せずに新しいプロンプトになります。ただし、コマンドは完了するまで実行を続けます。
vSphere Auto Deploy で導入した ESXi ホストでは、tools VIB は、最初の Auto Deploy インストールで使用するベース ブート イメージの一部である必要があります。tools VIB は後で別に追加できません。
VIB、イメージ プロファイル、およびソフトウェア デポ
esxcli コマンドを使用して ESXi をアップグレードするには、VIB、イメージ プロファイル、およびソフトウェア デポについて理解している必要があります。
vSphere ドキュメント セット全体のインストール作業およびアップグレード作業の説明で、次の技術用語が使用されます。
- VIB
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VIB は、ESXi のソフトウェア パッケージです。VMware およびパートナーは、ESXi プラットフォームを拡張するためのソリューション、ドライバ、CIM プロバイダ、およびアプリケーションをパッケージ化します。VIB は、ソフトウェア デポで使用できます。VIB を使用して、ISO イメージを作成およびカスタマイズするほか、VIB をホストに非同期でインストールすることにより、ESXi ホストをアップグレードできます。
- イメージ プロファイル
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イメージ プロファイルは VIB で構成され、ESXi イメージを定義します。イメージ プロファイルには常に基本 VIB が含まれますが、ほかの VIB が含まれる場合もあります。イメージ プロファイルは、vSphere ESXi Image Builder を使用して調査および定義します。
- ソフトウェア デポ
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ソフトウェア デポは、VIB とイメージ プロファイルの集合体です。ソフトウェア デポはファイルとフォルダの階層であり、HTTP URL (オンラインのデポの場合) または ZIP ファイル (オフラインのデポの場合) を介して使用できます。VMware および VMware のパートナーがデポを提供します。大規模な VMware 環境を構築している企業では、内部にデポを作成し、vSphere Auto Deploy で ESXi ホストをプロビジョニングしたり、ESXi インストール用に ISO をエクスポートする場合があります。
VIB およびホストの許容レベルについて
各 VIB は、許容レベルとともにリリースされます。この許容レベルは変更することができません。ホストの許容レベルで、どの VIB をホストにインストールできるかが決まります。
許容レベルは、esxcli software vib installコマンドと esxcli software vib update コマンドを使用してインストールされた個々の VIB、vSphere Lifecycle Manager を使用してインストールされた VIB、およびイメージ プロファイル内の VIB に適用されます。
ホスト上のすべての VIB の許容レベルが、ホストの許容レベル以上である必要があります。たとえば、ホストの許容レベルが VMwareAccepted である場合は、許容レベルが VMwareCertified および VMwareAccepted の VIB をインストールできますが、許容レベルが PartnerSupported または CommunitySupported の VIB はインストールできません。許容レベルがホストの許容レベルよりも低くて限定的な VIB をインストールする場合は、vSphere Clientを使用するか、esxcli software acceptance コマンドを実行して、ホストの設定を変更できます。
ホストにインストールしてイメージ プロファイルと共に使用できる VIB を指定したり、VIB に対して利用できるサポートのレベルを指定したりできるように、ホストの許容レベルを設定するのがベスト プラクティスです。たとえば、テスト環境のホストより限定的な許容レベルを本番環境のホストに設定できます。
VMware は、次の許容レベルをサポートしています。
- VMwareCertified
- VMwareCertified 許容レベルは、最も厳しい要件です。このレベルの VIB では、同じテクノロジーに対して VMware 内部で行われる品質保証テストと完全に同等の詳細なテストが行われます。現在このレベルでは、I/O Vendor Program (IOVP) プログラム ドライバのみが公開されています。この許容レベルの場合は、VMware が VIB に対するサポート コールを受けます。
- VMwareAccepted
- この許容レベルの VIB では検証テストが行われますが、このテストはソフトウェアのすべての機能を完全にテストするものではありません。テストはパートナーが実行し、VMware がテスト結果を確認します。現在このレベルで公開されている VIB には、CIM プロバイダや PSA プラグインがあります。VMware では、ユーザーがこの許容レベルの VIB に関してサポート コールを行った場合、パートナーのサポート組織に問い合わせるように案内しています。
- PartnerSupported
- PartnerSupported 許容レベルの VIB は、VMware が信頼するパートナーによって公開されます。そのパートナーがすべてのテストを実行します。VMware はテスト結果を確認しません。このレベルは、パートナーが VMware システム用に採用する、新しいテクノロジー、または主要ではないテクノロジーに使用されます。現在このレベルでは、標準以外のハードウェア ドライバを使用する、Infiniband、ATAoE、SSD などのドライバ VIB テクノロジーが公開されています。VMware では、ユーザーがこの許容レベルの VIB に関してサポート コールを行った場合、パートナーのサポート組織に問い合わせるように案内しています。
- CommunitySupported
- CommunitySupported 許容レベルは、VMware パートナー プログラムに参加していない個人または企業が作成した VIB に使用されます。このレベルの VIB に対しては VMware が承認したテスト プログラムが実行されておらず、VMware のテクニカル サポートや VMware パートナーによるサポートを受けられません。
ホストの許容レベル | VMwareCertified VIB | VMwareAccepted VIB | PartnerSupported VIB | CommunitySupported VIB |
---|---|---|---|---|
VMwareCertified | x | |||
VMwareAccepted | x | x | ||
PartnerSupported | x | x | x | |
CommunitySupported | x | x | x | x |
ホストの許容レベルとアップデートの許容レベルのマッチング
ホストの許容レベルを、インストールする VIB またはイメージ プロファイルの許容レベルと一致するように変更することができます。ホスト上のすべての VIB の許容レベルが、ホストの許容レベル以上である必要があります。
ここに記載されている手順を使用して、ホストの許容レベル、およびインストールする VIB またはイメージ プロファイルの許容レベルを確認し、必要に応じてホストの許容レベルを変更します。
--server=<server_name>
を使用してターゲット サーバを指定すると、サーバはユーザー名とパスワードの入力を促します。構成ファイルやセッション ファイルなど、他の接続オプションもサポートされています。接続オプションのリストについては、ESXCLI スタート ガイドを参照するか、ESXCLI コマンド プロンプトで esxcli --help を実行します。
前提条件
ESXCLI をインストールします。ESXCLI スタート ガイドを参照してください。トラブルシューティングするには、ESXi Shell で esxcli コマンドを実行します。