ネットワーク (Mbps) のチャートは、ホスト上で最もネットワーク使用量が多い仮想マシン 10 台のネットワーク使用量を表示します。

このチャートは、ホストの [パフォーマンス] タブの [仮想マシン] ビューにあります。

表 1. データ カウンタ
チャートのラベル 説明
<仮想マシン> 仮想マシンに接続されたすべての仮想 NIC インスタンス間で送受信されたデータの合計。
  • カウンタ: usage
  • 統計タイプ:比率
  • 単位:メガビット毎秒 (Mbps)
  • ロールアップ タイプ:平均 (最小値/最大値)
  • 収集レベル:1 (4)

チャートの分析

ネットワークのパフォーマンスは、アプリケーションのワークロードとネットワーク構成に依存します。ネットワーク パケットのドロップは、ネットワークにボトルネックがあることを示しています。パケットがドロップしているかどうかを特定するには、esxtop または詳細パフォーマンス チャートを使用して droppedTxdroppedRx のネットワーク カウンタ値を調べます。

パケットがドロップしている場合、仮想マシンの共有を調整します。パケットがドロップしていない場合、ネットワーク パケットのサイズと、受信速度および送信速度を確認します。一般的に、ネットワーク パケットが大きくなると、ネットワーク速度が上がります。パケットのサイズが大きいと転送されるパケット数が少なくなるため、データ処理に必要な CPU の量を削減できます。ネットワーク パケットが小さいとパケット転送量は増加しますが、データ処理に必要な CPU の量が増えるため、ネットワーク速度は低下します。

注: 場合によっては、大きなパケットによってネットワーク遅延が長くなることがあります。ネットワーク遅延を確認するには、VMware AppSpeed パフォーマンス監視アプリケーションまたはサードパーティ製のアプリケーションを使用します。

パケットがドロップしていないのにもかかわらずデータ受信速度が低い場合、負荷を処理するのに必要な CPU リソースがホストにない可能性があります。各物理 NIC に割り当てられている仮想マシンの数を確認します。必要に応じて、仮想マシンを別の vSwitch に移動するか、ホストに NIC を追加することで、ロード バランシングを実行します。または仮想マシンを別のホストに移動するか、ホストの CPU または仮想マシンの CPU を追加することもできます。

ネットワークに関連するパフォーマンスの問題がある場合、次のアクションの実行も検討します。

表 2. ネットワーク パフォーマンスの向上に関するアドバイス
# 解決方法
1 各仮想マシンに VMware Tools がインストールされていることを確認する。
2 可能であれば、vmxnet3 NIC ドライバ (VMware Tools で入手可能) を使用します。これは高いパフォーマンスが出るよう最適化されています。
3 同じホスト上で動作する仮想マシン同士間で通信する場合、同じ vSwitch に仮想マシンを接続することで、物理ネットワーク上でのパケットの転送を回避します。
4 各物理 NIC をポート グループおよび vSwitch に割り当てる。
5 仮想マシン生成のネットワーク パケット、iSCSI プロトコル、vMotion のタスクなど、異なるトラフィック ストリームの処理には別々の物理 NIC を使用します。
6 該当する vSwitch 上でネットワーク トラフィックを処理できる程度に物理 NIC のキャパシティが大きいことを確認する。キャパシティが十分ではない場合は、広いバンド幅の物理 NIC の使用を検討します (10 Gbps)。または、一部の仮想マシンを負荷が少ない vSwitch または新しい vSwitch に移動することを検討します。
7 vSwitch ポートでパケットがドロップしている場合、該当する仮想ネットワーク ドライバのリング バッファを増やします。
8 物理 NIC に関して報告された速度設定と二重設定がハードウェアの期待値に一致しているかどうか、およびハードウェアが最大の処理能力で実行されるよう設定されているかどうかを確認します。たとえば、1Gbps の NIC が古いスイッチに接続されたために 100Mbps にリセットされていないかどうかなどを確認します。
9 すべての NIC が全二重モードで動作していることを確認します。ハードウェア接続問題の結果、速度が低いモードや半二重モードに NIC がリセットされる可能性があります。
10 可能なかぎり、TCP セグメンテーション オフロード (TSO) 対応の vNIC を使用し、TSO ジャンボ フレームの機能が有効になっていることを確認します。