構成の変更をロールバックすることで、vSphere は管理ネットワークの構成ミスによってホストの vCenter Server への接続が失われないようにします。
vSphere では、ネットワークのロールバックがデフォルトで有効になります。ただし、ロールバックは vCenter Server レベルで有効または無効に設定できます。
ホスト ネットワークのロールバック
ホスト ネットワークのロールバックは、vCenter Server との接続に関するネットワーク構成が不正に変更されると起動します。ネットワークの変更がホストとの接続を切断した場合もロールバックが起動されます。ロールバックを引き起こす可能性のあるホスト ネットワーク構成への変更の例を次に示します。
- 物理 NIC の速度またはデュプレックスの更新
- DNS と経路設定の更新
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタを含む標準ポート グループに関するチーミングとフェイルオーバー ポリシーまたはトラフィック シェーピング ポリシーの更新
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタを含む標準ポート グループの VLAN 更新
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタとそのスイッチの MTU を物理インフラストラクチャが対応していない値に増加した場合
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタの IP アドレス設定の変更
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタを標準スイッチまたは Distributed Switch から削除した場合
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタを含む標準スイッチまたは Distributed Switch から物理 NIC を削除した場合
- 管理 VMkernel アダプタを vSphere 標準スイッチから vSphere Distributed Switch に移行した場合
以上の理由によりネットワークが切断すると、タスクは失敗して、ホストは直近の有効な構成に復旧されます。
vSphere Distributed Switch のロールバック
Distributed Switch のロールバックは、Distributed Switch、分散ポート グループ、または分散ポートに不適切な更新が行われると起動します。Distributed Switch 構成が次のように変更されると、ロールバックが起動します。
- Distributed Switch の MTU 変更
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタの分散ポート グループに関して、次の設定が変更された場合:
- チーミングおよびフェイルオーバー
- VLAN
- トラフィック シェーピング
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタを含む分散ポート グループの全ポートをブロックした場合
- 管理 VMkernel ネットワーク アダプタの分散ポートのレベルでポリシーが無効にされた場合
何らかの変更によって構成が無効になると、1 台以上のホストが Distributed Switch と同期しなくなる可能性があります。
構成設定の競合が発生した場所が分かる場合は、設定を手動で修正できます。たとえば、管理 VMkernel ネットワーク アダプタを新しい VLAN に移行すると、実際には物理スイッチで VLAN がトランキングされない場合があります。物理スイッチの構成を修正すると、Distributed Switch とホストが次に同期するときに、構成上の問題は解消されます。
問題の所在が不明な場合は、Distributed Switch または分散ポート グループの状態を以前の構成にリストアできます。vSphere 分散ポート グループ構成のリストアを参照してください。
ネットワーク ロールバックを無効にする
vSphere では、ロールバックはデフォルトで有効です。vSphere Clientを使用することにより、vCenter Server でロールバックを無効にすることができます。
手順
vCenter Server構成ファイルを使用したネットワーク ロールバックの無効化
vSphere では、ロールバックはデフォルトで有効です。vCenter Serverの vpxd.cfg 構成ファイルを直接編集することで、ロールバックを無効にできます。