トラフィック シェーピング ポリシーは、平均バンド幅、ピーク バンド幅、およびバースト サイズで定義されます。各ポート グループ、および各分散ポートまたは分散ポート グループのトラフィック シェーピング ポリシーを確立できます。
ESXi は、標準スイッチ上で送信ネットワーク トラフィックを形成し、分散スイッチ上で送受信トラフィックの両方を形成します。トラフィック シェーピングは、ポートで使用できるネットワーク バンド幅を制限しますが、トラフィックのバーストがより高速に通過できるように構成することもできます。
- 平均バンド幅
- 長期間にわたって平均化された、ポート全体で許容される毎秒ビット数を設定します。これは、許容される平均的な負荷の値です。
- ピーク バンド幅
- 負荷の高いトラフィックの送受信時にポート全体で許容される最大の毎秒ビット数です。この値は、バースト ボーナスを使用している場合にポートで使用されるバンド幅を制限します。
- バースト サイズ
- バースト時に許容する最大バイト数です。このパラメータが設定されていると、ポートは割り当てられているすべてのバンド幅を使用しない場合に、バースト ボーナスを取得できます。ポートで、平均バンド幅で指定されているよりも多くのバンド幅が必要になると、バースト ボーナスが使用できる場合は一時的にデータをより高速に転送できます。このパラメータは、バースト ボーナスに累積されているバイト数を制限し、より高速でトラフィックを転送します。
vSphere 標準スイッチまたは標準ポート グループのトラフィック シェーピングの構成
ESXi では、標準スイッチまたはポート グループで送信トラフィックをシェーピングできます。トラフィック シェーパーはポートで利用可能なネットワークのバンド幅を制限しますが、一時的なバースト トラフィックを許可する構成を行えば、高速なポート通信が可能となります。
スイッチまたはポート グループ レベルで設定したトラフィック シェーピング ポリシーは、スイッチまたはそのポート グループに参加している各ポートに適用されます。たとえば、標準ポート グループの平均バンド幅を 100000 Kbps に設定した場合、標準ポート グループに関連付けられている各ポートを 100000 Kbps(長期間にわたる平均)でデータが通過できます。
手順
- vSphere Client で、ホストに移動します。
- [構成] タブの [ネットワーク] を展開し、[仮想スイッチ] を選択します。
- 標準スイッチまたはポート グループのトラフィック シェーピング ポリシーに移動します。
オプション 操作 vSphere 標準スイッチ - リストから標準スイッチを選択します。
- [設定の編集] をクリックします。
- [トラフィック シェーピング] を選択します。
標準ポート グループ - ポート グループが配置されている標準スイッチを選択します。
- トポロジ ダイアグラムで、標準ポート グループを選択します。
- [設定の編集] をクリックします。
- [トラフィック シェーピング] を選択し、オーバーライドするオプションの横にある [オーバーライド] を選択します。
- トラフィック シェーピング ポリシーを構成します。
オプション 説明 ステータス 標準スイッチまたはポート グループに関連付けられている各ポートに割り当てるネットワーク バンド幅の量に対する制限の設定を有効にします。 平均バンド幅 ポートで利用可能な毎秒あたりのビット数を一定期間の平均で設定します (許容平均負荷)。 ピーク バンド幅 負荷の高いトラフィックの送信時にポート全体で許容される最大の毎秒ビット数です。この設定は、バースト ボーナスを使用している場合にポートで使用されるバンド幅の上限になります。このパラメータを平均バンド幅より小さくすることはできません。 バースト サイズ バースト時に許容する最大バイト数です。このパラメータが設定されていると、ポートは割り当てられているすべてのバンド幅を使用しない場合に、バースト ボーナスを取得できます。ポートで、平均バンド幅で指定されているよりも多くのバンド幅が必要になると、バースト ボーナスが使用できる場合には、一時的にデータをより高速に転送できます。高速転送を行うバースト ボーナスで追加可能な累積バイト数の上限をこのパラメータで設定します。 - 各トラフィック シェーピング ポリシー ([平均バンド幅]、[ピーク バンド幅]、および [バースト サイズ]) でバンド幅の値を入力します。
- [OK] をクリックします。
分散ポート グループまたは分散ポートでのトラフィック シェーピング ポリシーの編集
vSphere の分散ポート グループまたは分散ポートのトラフィックを送受信の両方でシェーピングできます。トラフィック シェーパーは、グループ内のポートのネットワーク バンド幅を制限しますが、トラフィックの「バースト」を一時的に許可し、ポートを介して高速で送信できるように構成することもできます。
分散ポート グループ レベルで設定したトラフィック シェーピング ポリシーは、そのポート グループに参加している各ポートに適用されます。たとえば、分散ポート グループの平均バンド幅を 100000 Kbps に設定した場合、分散ポート グループに関連付けられている各ポートを 100000 Kbps (長期間にわたる平均)でデータが通過できます。
前提条件
分散ポート レベルでポリシーをオーバーライドするには、このポリシーのポートレベルのオーバーライド オプションを有効にします。ポート レベルでのネットワーク ポリシーのオーバーライドの構成を参照してください。