信頼を確立するには、vSphere 信頼機関クラスタは信頼済みクラスタの ESXi ホストおよびvCenter Server に関する情報を必要とします。この情報をファイルとしてエクスポートし、信頼機関クラスタにインポートします。これらのファイルは、その機密を確実に保持し、安全な状態で転送してください。
信頼するソフトウェアとハードウェアを把握するために vSphere 信頼機関PowerCLI コマンドレットを使用して、信頼機関クラスタの信頼済みクラスタの ESXi ホストから次の情報をファイルとしてエクスポートします。
- ESXiのバージョン
- TPM のメーカー(CA 証明書)
- (オプション)個々の TPM(EK 証明書)
タイプとベンダーが同一で、かつ同じ時間枠と場所で製造された複数のホストについては、1 つの TPM の CA 証明書を取得するだけですべての TPM を信頼できることがあります。TPM を個別に信頼するには、その TPM の EK 証明書を取得します。
また、信頼済みクラスタのvCenter Serverからプリンシパル情報を取得する必要があります。プリンシパル情報には、vpxd ソリューション ユーザーとその証明書チェーンが含まれています。プリンシパル情報を使用すると、信頼済みクラスタの vCenter Serverは、信頼機関クラスタで設定されている利用可能な信頼済みキー プロバイダを検出できるようになります。
vSphere 信頼機関を最初に設定するときは、ESXi のバージョンと TPM 情報を収集する必要があります。また、パッチをアップグレードまたは適用する場合を含め、ESXiの新しいバージョンを展開するたびに ESXi のバージョンを収集する必要があります。
vCenter Serverのプリンシパル情報は、vCenter Server システムごとに 1 回のみ収集されます。
前提条件
- 信頼済みクラスタ内にある ESXiのバージョンおよび TPM ハードウェアのタイプを特定し、すべての TPM ハードウェア タイプ、特定のホストのみ、個々のホストのいずれを信頼するかを指定します。
- PowerCLI cmdlet を実行するマシンで、ファイルとしてエクスポートした情報を保存するローカル フォルダを作成します。
- 信頼機関管理者の有効化。
- 信頼機関の状態の有効化。
手順
結果
次のファイルが作成されます。
- TPM CA 証明書ファイル(.zip ファイル拡張子)
- ESXiイメージ ファイル(.tgz ファイル拡張子)
- vCenter Serverプリンシパル ファイル(.json ファイル拡張子)
例: 信頼する ESXiホストおよび vCenter Server に関する情報の収集
この例では、PowerCLI を使用して信頼済みクラスタから ESXiホスト情報およびvCenter Server プリンシパルをエクスポートする方法を示します。次の表に、使用されるコンポーネントと値の例を示します。
コンポーネント | 値 |
---|---|
信頼済みクラスタ内の ESXiホスト | 192.168.110.51 |
信頼済みクラスタの vCenter Server | 192.168.110.22 |
変数 $vmhost |
Get-VMHost |
変数 $tpm2 |
Get-Tpm2EndorsementKey -VMHost $vmhost |
信頼機関管理者 | [email protected] |
出力ファイルを格納するローカル ディレクトリ | C:\vta |
PS C:\Users\Administrator.CORP> Connect-VIServer -server 192.168.110.51 -User root -Password 'VMware1!' Name Port User ---- ---- ---- 192.168.110.51 443 root PS C:\Users\Administrator.CORP> Get-VMHost Name ConnectionState PowerState NumCpu CpuUsageMhz CpuTotalMhz MemoryUsageGB MemoryTotalGB Version ---- --------------- ---------- ------ ----------- ----------- ------------- ------------- ------- 192.168.110.51 Connected PoweredOn 4 200 9576 1.614 7.999 7.0.0 PS C:\Users\Administrator.CORP> $vmhost = Get-VMHost PS C:\Users\Administrator.CORP> $tpm2 = Get-Tpm2EndorsementKey -VMHost $vmhost PS C:\> Export-Tpm2CACertificate -Tpm2EndorsementKey $tpm2 -FilePath C:\vta\cacert.zip Mode LastWriteTime Length Name ---- ------------- ------ ---- -a---- 10/8/2019 6:55 PM 1004 cacert.zip PS C:\Users\Administrator.CORP> Export-VMHostImageDb -VMHost $vmhost -FilePath C:\vta\image.tgz Mode LastWriteTime Length Name ---- ------------- ------ ---- -a---- 10/8/2019 11:02 PM 2391 image.tgz PS C:\Users\Administrator.CORP> Disconnect-VIServer -server * -Confirm:$false PS C:\Users\Administrator.CORP> Connect-VIServer -server 192.168.110.22 -User [email protected] -Password 'VMware1!' Name Port User ---- ---- ---- 192.168.110.22 443 VSPHERE.LOCAL\trustedadmin PS C:\Users\Administrator.CORP> Export-TrustedPrincipal -FilePath C:\vta\principal.json Mode LastWriteTime Length Name ---- ------------- ------ ---- -a---- 10/8/2019 11:14 PM 1873 principal.json
次のタスク
この後は信頼機関クラスタへの信頼済みホストの情報のインポートに続きます。