ハードウェア アクセラレーション機能により、ESXi ホストを互換性のあるストレージ システムと統合できます。ホストは、特定の仮想マシンとストレージ管理の操作をストレージ システムにオフロードできます。ストレージ ハードウェア アシストにより、ホストはこれらの操作をより短時間で実行できます。 また、CPU、メモリ、およびストレージ ファブリック バンド幅の使用量を削減できます。

ブロック ストレージ デバイス、ファイバ チャネルと iSCSI、および NAS デバイスは、ハードウェア アクセラレーションをサポートします。

追加の詳細情報は、http://kb.vmware.com/kb/1021976にある VMware ナレッジベースの記事を参照してください。

ハードウェア アクセラレーションのメリット

ハードウェア アクセラレーション機能がサポートされている場合、ホストはハードウェア アシストにより、次のタスクをより短時間で効率よく実行できます。

  • Storage vMotion での仮想マシンの移行
  • テンプレートからの仮想マシンのデプロイ
  • 仮想マシンまたはテンプレートのクローン作成
  • VMFS による仮想マシン ファイルのクラスタ ロックとメタデータ操作
  • シック仮想ディスクのプロビジョニング
  • フォールト トレランス対応の仮想マシンの作成
  • NFS データストアでのシック ディスクの作成およびクローン作成

ハードウェア アクセラレーションの要件

ハードウェア アクセラレーション機能は、ホストとストレージ アレイの適切な組み合わせを使用した場合にのみ機能します。
表 1. ハードウェア アクセラレーション ストレージの要件
ESXi ブロック ストレージ デバイス NAS デバイス
ESXi T10 SCSI 規格、またはアレイ統合用のブロック ストレージ プラグイン (VAAI) のサポート アレイ統合用の NAS プラグインをサポート
注: SAN または NAS ストレージ ファブリックがハードウェア アクセラレーションをサポートするストレージ システムの前で中間アプライアンスを使用する場合には、中間アプライアンスはハードウェア アクセラレーションとサポートし、適切な認定を受けていることも必要です。中間アプライアンスはストレージ仮想化アプライアンス、I/O アクセラレーション アプライアンス、暗号化アプライアンスなどがあります。

ハードウェア アクセラレーションのサポート ステータス

vSphere Client では、各ストレージ デバイスとデータストアについて、ハードウェア アクセラレーションのサポート ステータスが表示されます。

ステータスの値は、「不明」、「サポート」、および 「未サポート」 です。初期値は 「不明」 です。

ブロック デバイスの場合、ホストで負荷の軽減が正常に実行されると、ステータスが「サポート」に変わります。負荷の軽減に失敗した場合、ステータスは 「未サポート」 に変わります。デバイスが部分的にハードウェア アクセラレーションをサポートする場合、ステータスは「不明」のままです。

NAS を使用すると、ストレージがハードウェアの負荷軽減を少なくとも 1 回実行できるときには、ステータスは「サポート」になります。

ストレージ デバイスがホスト操作をサポートしていないか、部分的にサポートしている場合、ホストは、サポートされていない操作を実行するために元のメソッドに戻ります。

ハードウェア アクセラレーションについての考慮事項

ESXi でハードウェア アクセラレーション機能を使用する場合には、特定の考慮事項が適用されます。

いくつかの理由が原因となってハードウェア アクセラレーションが失敗する場合があります。

アレイが実装しないプリミティブの場合、アレイはエラーを返します。エラーが発生すると、ESXi ホストはネイティブ メソッドを使用して操作を試行します。

次のいずれかが発生すると、VMFS データ ムーバーはハードウェア オフロードを活用せずに、代わりにソフトウェアによるデータ移動を使用します。

  • ソースおよびターゲットの VMFS データストアにはさまざまなブロック サイズがあります。
  • ソースのファイル タイプは RDM でターゲットのファイル タイプは非 RDM(通常のファイル)です。
  • ソースの VMDK タイプは eagerzeroedthick でターゲットの VMDK タイプはシンです。
  • ソースまたはターゲットの VMDK はスパースまたはホスト フォーマットです。
  • ソースの仮想マシンにはスナップショットがあります。
  • 要求された操作の論理アドレスと転送の長さは、ストレージ デバイスによって要求される最小整列に整列されません。vSphere Client で作成されたすべてのデータストアは自動的に整列されます。
  • VMFS には複数の LUN またはエクステントがあり、これらは異なるアレイにあります。

同じ VMFS データストア内であっても、アレイ間でのハードウェアのクローン作成は機能しません。