ストレージ管理作業を実行したり、SAN 構成を変更したりすると、ESXi ホストで使用可能なストレージの再スキャンが必要になる場合があります。

VMFS データストアや RDM の作成、エクステントの追加、VMFS データストアの拡張または縮小など、VMFS データストアの管理操作を実行すると、ホストまたは vCenter Server によって、ストレージが自動的に再スキャンおよび更新されます。自動再スキャン機能は、ホストの再スキャン フィルタをオフにすることで無効にできます。LUN および vSphere VMFS データストアのフィルタの管理を参照してください。

場合によっては、手動で再スキャンを実行する必要があります。ホスト、またはフォルダ、クラスタ、およびデータセンターのすべてのホストで利用できるすべてのストレージを再スキャンできます。

特定のアダプタを介して接続されているストレージに対してのみ変更を行う場合、そのアダプタの再スキャンを実行します。

次のいずれかの変更を行う場合は、その都度、手動で再スキャンを実行します。

  • SAN の新しいディスク アレイをゾーニングした場合。
  • SAN に新しい LUN を作成した場合。
  • ホスト上でパスのマスキングを変更した場合。
  • ケーブルを接続しなおした場合。
  • CHAP 設定を変更した場合 (iSCSI のみ)。
  • 検出アドレスまたは固定アドレスを追加または削除した場合 (iSCSI のみ)。
  • vCenter Server ホストおよび単一ホストによって共有されているデータストアを編集または vCenter Server から削除したあと、vCenter Server に単一ホストを追加した場合。
重要: パスが使用できないときに再スキャンすると、デバイスのパスのリストからホストはそのパスを削除します。パスが使用可能になり、機能し始めると、リストに再び表示されます。

ストレージの再スキャンの実行

SAN 構成を変更すると、ストレージの再スキャンが必要になる場合があります。ESXi ホスト、クラスタ、またはデータセンターで利用できるすべてのストレージを再スキャンできます。特定のホストを介してアクセスしているストレージに対してのみ変更を行う場合、そのホストだけの再スキャンを実行します。

手順

  1. vSphere Client オブジェクト ナビゲータで、ホスト、クラスタ、データセンター、またはホストを含むフォルダを参照します。
  2. 右クリック メニューから、[ストレージ] > [ストレージの再スキャン] の順に選択します。
  3. 再スキャンの範囲を指定します。
    オプション 説明
    新規ストレージ デバイスのスキャン すべてのアダプタを再スキャンして、新しいストレージ デバイスを検出します。新しいデバイスが検出されると、デバイス リストに表示されます。
    新規 VMFS ボリュームのスキャン 前回のスキャン以降に追加された新しいデータストアを検出するため、すべてのストレージ デバイスを再スキャンします。見つかった新しいデータストアは、データストア リストに表示されます。

アダプタの再スキャンの実行

SAN 構成を変更したとき、その変更が ESXi ホスト上の特定のアダプタを介してアクセスされるストレージに限定される場合は、このアダプタにのみ再スキャンを実行します。

手順

  1. vSphere Client で、ESXi ホストに移動します。
  2. [設定] タブをクリックします。
  3. [ストレージ] で、[ストレージ アダプタ] をクリックし、再スキャンするアダプタをリストから選択します。
  4. [アダプタの再スキャン] アイコンをクリックします。

スキャンするストレージ デバイスの数の変更

ESXi ホストのスキャンする LUN ID の範囲は、0 から 16,383 までです。ESXi は、16,383 より大きい LUN ID は無視します。設定可能な Disk.MaxLUN パラメータを使用して、スキャンされる LUN ID の範囲を管理します。パラメータのデフォルト値は 1024 です。

また、 Disk.MaxLUN パラメータは、SCSI ターゲットが REPORT_LUNS を使用した直接検出をサポートしていない場合に、SCSI スキャン コードが個々の INQUIRY コマンドを使用して検出を試みる LUN の数を指定します。

Disk.MaxLUN パラメータは、必要に応じて変更できます。たとえば使用している環境に、LUN ID が 1 から 100 の少数のストレージ デバイスがある場合は、値を 101 に設定します。その結果、REPORT_LUNS をサポートしていないターゲット上でデバイス検出スピードを上げることができます。この値を小さくすると、再スキャンの時間と起動時間を短縮できます。ただし、ストレージ デバイスを再スキャンする時間は、ストレージ システムのタイプや、ストレージ システムの負荷など、いくつかの要因によって異なる場合があります。

また、1023 より大きな LUN ID を環境内で使用しているときは、このパラメータの値を増やさなければならない場合があります。

手順

  1. vSphere Client で、ESXi ホストに移動します。
  2. [設定] タブをクリックします。
  3. [システム] メニューの [システムの詳細設定] をクリックします。
  4. [システムの詳細設定] テーブルで、[Disk.MaxLUN] を選択し、[編集] アイコンをクリックします。
  5. 既存の値を目的の数値に変更し、[OK] をクリックします。
    検出したい最後の LUN ID の次の LUN ID を指定します。
    たとえば、1 ~ 100 の LUN ID を検出するには、 [Disk.MaxLUN] を 101 に設定してください。