vSphere vMotion を使用して NVIDIA vGPU 搭載仮想マシンを移行するときに、仮想マシンごとにサスペンド時間制限を設定する方法について説明します。サスペンド時間制限を設定すると、vCenter Server による仮想マシンのパワーオンや、ホストとネットワークへの仮想マシンの移行は、推定される最大サスペンド時間が制限を超える場合に実行できなくなる可能性があります。

仮想マシンのサスペンド時間は、vMotion 中にユーザーが仮想マシンにアクセスできない時間です。vSphere 8.0 Update 2 以降では、vGPU 仮想マシンの vMotion サスペンド時間制限を設定できます。

設定する制限は、現在のデバイス構成の推定最大サスペンド時間よりも長くする必要があります。複数の PCI デバイスの場合、設定するサスペンド時間制限は、すべての PCI デバイスの時間の合計よりも長くする必要があります。サスペンド時間制限を推定最大サスペンド時間よりも短く設定すると、仮想マシンがパワーオンできなくなる可能性があります。

注: 最大サスペンド時間の推定は、C シリーズおよび Q シリーズの vGPU タイプでのみ使用できます。

最大サスペンド時間は、仮想マシンが現在実行されているホストの帯域幅に基づいて計算されます。ターゲット ホストの方が帯域幅が低い場合、移行時に計算が変化することがあります。たとえば、仮想マシンが 25 Gbps vMotion NIC のホスト上で実行されていて、ターゲット ホストが 10 Gbps vMotion NIC である場合です。移行時の最大サスペンド時間の計算は、10 Gbps vMotion NIC に基づきます。

前提条件

  • vCenter Server インスタンスがバージョン 8.0 Update 2 であることを確認します。
  • ソースとターゲットの ESXi ホストが、バージョン 8.0 Update 2 であることを確認します。
  • vSphere クラスタ サービス (vCLS) 仮想マシンが健全な状態であることを確認します。vCLS の詳細については、『vCenter Server およびホストの管理』ドキュメントを参照してください。
  • クイックスタート ワークフローを使用して vMotion ネットワークが構成されていることを確認します。vMotion トラフィックに対するネットワーク オプションの構成の詳細については、『vCenter Server およびホスト管理』ドキュメントを参照してください。
  • vGPU 仮想マシンで vMotion が有効になっていることを確認します。vgpu.hotmigrate.enabled 詳細設定は、true に設定する必要があります。vCenter Server の詳細設定の構成方法については、『vCenter Server の構成』ドキュメントの「詳細設定の構成」を参照してください。

手順

  1. vSphere Client で、vGPU 仮想マシンに移動します。
  2. 仮想マシンを右クリックし、[設定の編集] を選択します。
    [設定の編集] ダイアログ ボックスが表示されます。
  3. [仮想マシン オプション] タブをクリックし、[詳細] を展開します。
    仮想マシンの詳細設定が展開されている [設定の編集] ダイアログ ボックス
  4. [vMotion のサスペンド時間制限] 入力フィールドに、サスペンド時間制限を秒単位で入力します。
    [vMotion のサスペンド時間] 入力フィールドが強調表示されている、展開された詳細設定
    PCI デバイスの構成に、推定最大サスペンド時間よりも短いサスペンド時間制限を設定すると、警告メッセージが表示されます。警告メッセージは、 [仮想ハードウェア] タブにも表示されます。
  5. [OK] をクリックします。