vSGA を使用するには、ESXi ホストを構成し、仮想マシンを設定する必要があります。

ESXi ホストの構成

vSGA 機能を有効にするには、次の手順を実行して ESXi ホストを構成します。

前提条件

ESXi ホストに ESXi 8.0 Update 2 以降との互換性があることを確認します。

手順

  1. ESXi ホストにグラフィック カードを取り付けます。
  2. ホストをメンテナンス モードにします。詳細については、ホストをメンテナンス モードに切り替えるを参照してください。
  3. 関連付けられている GPU グラフィック カードの VIB ファイルをホストにインストールします。たとえば、次の ESXCLI コマンドを実行します。

    esxcli software vib install -v $PWD/VendorName-vsga-driver_x.y.z-1OEM.a.b.c.vib

  4. vSphere Client で、GPU グラフィック カードが [共有] モードであることを確認します。
    1. ホストを選択し、[構成] > [ハードウェア] > [グラフィック] の順に移動します。
    2. [グラフィック デバイス] タブをクリックし、[設定タイプ] 列を確認します。
    3. [vGPU モード] を変更するには、グラフィック カードを選択し、[編集] をクリックします。

      [グラフィック デバイス設定の編集] ウィンドウが表示されます。

      [グラフィック デバイス設定の編集] ウィンドウ
    4. [共有] を選択し、[OK] をクリックします。
  5. ホストを再起動し、メンテナンス モードを終了します。
  6. 少なくとも 1 台のドライバ仮想マシンが起動していることを確認するには、SSH ターミナルから crx-cli list コマンドを実行します。

仮想マシンの全般設定

ESXi ホストを構成したら、仮想マシンの全般設定を行う必要があります。

前提条件

  • 仮想マシンがパワーオフしていることを確認します。
  • 仮想マシンがサスペンド状態でないことを確認します。

手順

  1. インベントリで仮想マシンを右クリックし、[設定の編集] を選択します。
表 1. 仮想マシンの全般設定
設定 説明
ハードウェア バージョン 仮想マシンのハードウェア バージョンが、すべてのホストでサポートされている最新バージョンであることを確認します。
  • 仮想マシンを右クリックして [互換性] を選択します。
  • [仮想マシンの互換性のアップグレード] がアクティブでない場合、仮想マシンは最新のハードウェア バージョンと互換性があります。
最小のハードウェア バージョンは 11 です。DirectX 11.0 および OpenGL 4.3 の場合、ハードウェア バージョンは ESXi 8.0 以降と互換性がある必要があります。
CPU 必要な CPU 数は使用量によって異なり、実際のワークロードによって決まります。最適なパフォーマンスを得るには、仮想マシンに 2 つの仮想 CPU を割り当てます。
メモリ 仮想ハードウェアのメモリ サイズは、仮想マシン内で実行されているアプリケーションの使用量と数によって異なります。仮想マシンのメモリ サイズは次のように設定します。
  • 仮想マシンが 3D アプリケーションを実行する場合は 4 GB。
  • 仮想マシンが基本的な生産性向上アプリケーションを実行する場合は 2 GB。
ネットワーク アダプタ VMXNET 3 アダプタ タイプを選択します。
SCSI コントローラ LSI Logic SAS コントローラ タイプを選択します。ローカル フラッシュベースのストレージを使用する最も高いワークロードに対しては、VMware 準仮想化を使用します。
その他のデバイス COM、LTP、DVD、フロッピーなど、使用されていないデバイスをすべて削除します。

vSGA を有効にするための仮想マシンの構成

vSGA を有効にするには、次の手順を実行して仮想マシンを構成します。

手順

  1. 3D グラフィックを有効にするには、[3D サポートを有効化] チェック ボックスをオンにします。詳細については、「3D グラフィックを構成する方法」を参照してください。
  2. [3D レンダラ][自動] または [ハードウェア] に設定します。
  3. グラフィックの [3D メモリ] のサイズを選択します。
    • 仮想マシンが基本的な生産性向上アプリケーションを実行する場合は 512 MB。
    • 仮想マシンが 3D アプリケーションを実行する場合は 2048 MB。最大限の統合を実現するには、[3D メモリ] サイズをゲスト OS アプリケーションに必要な最小サイズに設定します。通常、ゲスト OS では使用可能なシステム メモリの半分を超えるグラフィック メモリを使用できません。したがって、より大規模なグラフィック ワークロードを実行するには、ゲスト OS のメモリを拡張する必要があります。

vSGA 用の Windows 仮想マシンの構成

仮想マシンの全般設定の構成が完了したら、対応する VMware Tools のバージョンをダウンロードして、仮想マシンにインストールします。

手順

  1. VMware Tools をインストールします。詳細については、「VMware Tools のインストール」を参照してください。
  2. 仮想マシンを再起動し、dxdiag.exe を実行します。
  3. [ディスプレイ] タブをクリックします。次のパラメータが表示されます。
    表 2. [デバイス] パネルと [ドライバ] パネルのパラメータ
    [デバイス] パネル [ドライバ] パネル
    • 名前:VMware SVGA 3D
    • デバイスの種類:フル ディスプレイ デバイス
    • Direct3D DDI:11.1
    • 機能レベル:11_0, 10_1, 10_0, 9_3, 9_2, 9_1
    • ドライバ モデル:WDDM 1.2
表 3. VMware Tools のバージョンごとの WDDM、DirectX、OpenGL のサポート
VMware Tools のバージョン WDDM の最大バージョン DirectX の最大バージョン OpenGL の最大バージョン
VMware Tools 10.0 WDDM 1.0 DirectX 10.0 OpenGL 3.3
VMware Tools 10.3.2 WDDM 1.0 DirectX 10.1 OpenGL 3.3
VMware Tools 11.1.5 WDDM 1.1 DirectX 11.0 OpenGL 4.1
VMware Tools 12.0 WDDM 1.2 DirectX 11.0 OpenGL 4.3

vSGA 用の Linux 仮想マシンの構成

仮想マシンの全般設定の構成が完了したら、Linux 仮想マシンに Open VM Tools (open-vm-tools) をインストールします。

手順

  1. Open VM Tools をインストールします。詳細については、「Open VM Tools のインストール」を参照してください。
  2. VMware グラフィック ドライバがインストールされていることを確認します。

    vSGA 用の Linux 仮想マシンの構成

  3. OpenGL アプリケーションが仮想マシンで動作することを確認するには、仮想マシンに Mesa をインストールし、OpenGL のバージョンが 3.3 以降であることを確認します。

    たとえば、glxinfo | grep "OpenGL version" コマンドを実行します。

  4. drm_info ツールを使用して、vmwgfx drm(ダイレクト レンダリング マネージャ)ドライバのバージョンを確認します。
    たとえば、次のスクリプトを実行します。
    drm_info | head -n 2
    Node: /dev/dri/card0
    ───Driver: vmwgfx (Linux drm driver for VMware graphics devices) version 2.20.0 (20211206) 
    
    表 4. Linux DRM、Mesa、OpenGL のバージョン
    Linux DRM のバージョン Mesa のバージョン OpenGL のバージョン
    DRM 2.9 Mesa 11.1.0 OpenGL 3.3
    DRM 2.18 Mesa 20.2.0 OpenGL 4.1
    DRM 2.20 Mesa 22.0.0 OpenGL 4.3