スナップショットを作成する場合は、仮想マシン設定および仮想ディスクの状態を取得します。メモリ スナップショットを作成する場合、仮想マシンのメモリ状態も取得します。これらの状態は、仮想マシンの基本ファイルと共に配置されたファイルに保存されます。

スナップショット ファイル

スナップショットは、サポートされているストレージ デバイスに保存されているファイルで構成されます。スナップショットの作成操作を実行すると、.vmdk-delta.vmdk または -sesparse.vmdk.vmsd.vmsn ファイルが作成されます。デフォルトでは、最初のディスクとすべての差分ディスクは基本の .vmdk ファイルと一緒に保存されています。.vmsd および .vmsn ファイルは仮想マシンのディレクトリに保存されています。

SEsparse は、VMFS6 データストアのすべての差分ディスクのデフォルト フォーマットです。

差分ディスク ファイル
ゲスト OS による書き込みが可能な .vmdk ファイル。差分ディスクは、仮想ディスクの現在の状態と、以前スナップショットを作成した時点の状態の違いを表します。スナップショットを作成すると、その時点の仮想ディスクの状態が保持され、ゲスト OS によるスナップショットへの書き込みは停止されます。これを利用して、差分ディスクまたは子ディスクが作成されます。

差分ディスクには、2 つのファイルが含まれます。1 つはサイズの小さい記述子ファイルであり、構造や子と親の関係情報など、仮想ディスクに関する情報が含まれます。もう 1 つは、raw データが格納された対応するファイルです。

差分ディスクを構成するファイルは、子ディスクまたは redo ログと呼ばれます。
フラット ファイル
基本ディスクを構成する 2 つのファイルの 1 つである -flat.vmdk ファイル。フラット ディスクには、基本ディスクの生データが含まれています。このファイルは、データストア ブラウザでは個別のファイルとして表示されません。
データベース ファイル
仮想マシンのスナップショット情報を格納する .vmsd ファイル。このファイルは、スナップショット マネージャにとっての第一の情報ソースです。このファイルには、スナップショット間、および各スナップショットの子ディスク間の関係を定義する行エントリが含まれています。
メモリ ファイル
仮想マシンのアクティブな状態を格納する .vmsn ファイル。仮想マシンのメモリ状態を取得すると、パワーオン状態の仮想マシンの状態に戻すことができます。メモリなしのスナップショットでは、パワーオフ状態の仮想マシンの状態にのみ戻すことができます。メモリ スナップショットの方が、メモリなしのスナップショットより作成に時間がかかります。ESXi ホストによるメモリのディスクへの書き込みにかかる時間は、仮想マシンで使用されるように構成されているメモリの量によって異なります。

[スナップショットの取得] 操作により、.vmdk-delta.vmdk または -sesparse.vmdk.vmsn ファイルが作成され、.vmsd ファイルが更新されます。

ファイル 説明

仮想マシンのベース ディスク名は次のとおりです。

vmname_number.vmdk および vmname_number-flat.vmdk

仮想マシンで新しく作成されたディスク名は次のとおりです。

vmname_number-number.vmdkvmname_number-number-sesparse.vmdk または vmname_number-number-delta.vmdk

スナップショット ファイルでは、仮想ディスクの現在の状態と、以前スナップショットを作成した時点の状態の違いを表すことができます。

ベース ディスクのファイル名には、vm_000001.vmdk という構文が使用されます。vm は仮想マシンの名前を表し、000001 はディレクトリにすでに存在しているファイルに基づいた 6 桁の数字を表します。この数字では、仮想マシンに添付されたディスク数は考慮されません。

新しく作成されたディスクのファイル名は次のようになります。
  • test-512-000001-sesparse.vmdk
  • test-512-000001.vmdk
  • test-512_1-000001-sesparse.vmdk
  • test-512_1-000001.vmdk
vmname.vmsd 仮想マシンのスナップショット情報を格納するデータベースであり、スナップショット マネージャの第一の情報ソースです。
vmname-Snapshotnumber.vmsn スナップショットの作成時の仮想マシンのメモリ状態。ファイル名には、vm1-Snapshot1.vmsn という構文が使用されます。vm1 は仮想マシン名を表し、Snapshot1 は最初のスナップショットを表します。
注: .vmsn ファイルは、メモリを選択するかどうかに関係なく、スナップショットを作成するたびに作成されます。メモリなしの場合の .vmsn ファイルは、メモリありの場合より小さくなります。

スナップショットの制限事項

スナップショットは、仮想マシンのパフォーマンスに影響を与える場合があります。また、スナップショットでは、一部のディスク タイプ、またはバスの共有が設定された仮想マシンはサポートされません。スナップショットは、特定の時点における仮想マシンの状態を取得するための短期的なソリューションとしては便利ですが、長期的な仮想マシンのバックアップには適しません。

  • VMware では、Raw ディスク、RDM 物理モード ディスク、または iSCSI イニシエータをゲストで使用するゲスト OS のスナップショットはサポートしていません。
  • 独立ディスク搭載の仮想マシンのスナップショットを作成する場合は、事前に仮想マシンをパワーオフする必要があります。
  • 独立ディスクを使用する仮想マシンのメモリ スナップショットを作成できるのは、仮想マシンのゲスト OS の動作を分析する場合のみです。このタイプのスナップショットのリストアはサポートされていないため、仮想マシンをバックアップする際に、このようなスナップショットを使用することはできません。
  • 静止スナップショットには、VMware Tools のインストールとゲスト OS のサポートが必要です。
  • スナップショットは、PCI vSphere DirectPath I/O デバイスではサポートされません。
  • VMware では、バスの共有が設定された仮想マシンのスナップショットはサポートしていません。バスの共有が必要な場合は、代替案として、ゲスト OS でバックアップ ソフトウェアを実行することを検討してください。現在、仮想マシンにスナップショットがあるためにバスの共有が構成できない場合は、スナップショットを削除 (統合) してください。
  • スナップショットは、ディスクの特定の時点におけるイメージを提供し、バックアップ ソリューションで使用することも可能ですが、バックアップやリカバリに適した方法ではありません。仮想マシンを含むファイルが失われると、そのスナップショット ファイルも失われます。さらに、大量のスナップショットは管理が難しく、ディスク容量を大量に使用します。また、ハードウェア障害が発生した場合には保護されません。
  • スナップショットは、仮想マシンのパフォーマンスを低下させる可能性があります。パフォーマンスがどの程度低下するかは、スナップショットまたはスナップショット ツリーの保存期間、ツリーの深度、およびスナップショット作成以降に仮想マシンとそのゲスト OS が変更された頻度に基づいて異なります。さらに、仮想マシンがパワーオン状態になるまでにかかる時間が長くなる場合があります。本番環境の仮想マシンを常時スナップショットから実行することは避けてください。