ほとんどの CPU パラメータは、仮想マシンの作成時、またはゲスト OS のインストール後に設定できます。操作によっては、仮想マシンをパワーオフしないと設定を変更できないものがあります。
VMware では次の用語が使用されます。これらの用語を理解しておくと、CPU リソースの割り当て方法を計画するのに役立ちます。
- CPU
- CPU(プロセッサ)は、コンピュータのアプリケーションを動作させるために必要なタスクを実行するコンピュータ システムのコンポーネントです。CPU は、コンピュータの機能を実行する主要要素です。CPU にはコアが含まれています。
- CPU ソケット
- CPU ソケットはコンピュータ マザーボード上の物理コネクタであり、単一の物理 CPU に接続します。一部のマザーボードには複数のソケットがあり、複数のマルチコア プロセッサ (CPU) を接続できます。
- コア
- コアは、L1 キャッシュと、アプリケーションの実行に必要な機能ユニットが含まれた 1 個のユニットで構成されます。コアはアプリケーションまたはスレッドを独立して実行できます。1 つの CPU に複数のコアを搭載できます。
- リソース共有
- 共有は、仮想マシン (またはリソース プール) の相対的な優先順位または重要度を指定します。ある仮想マシンのリソースのシェアが別の仮想マシンの 2 倍である場合、その仮想マシンは、別の仮想マシンの 2 倍のリソースを使用できます(2 台の仮想マシンがリソースを獲得するために競合する場合)。
- リソースの割り当て
- 使用可能なリソース キャパシティが需要を満たさない場合、共有、予約、制限などの CPU リソース割り当て設定を変更できます。たとえば、年末に経理のワークロードが増加した場合は、経理のリソース プールの予約量を増加できます。
- vSphere Virtual SMP (Virtual Symmetric Multiprocessing)
- Virtual SMP (vSphere Virtual Symmetric Multiprocessing) は、単一の仮想マシンで複数のプロセッサを使用できるようにする機能です。
仮想 CPU の制限
仮想マシンに割り当てることができる仮想 CPU の最大数は 768 です。仮想 CPU の数は、ホストの論理 CPU 数、および仮想マシンにインストールされたゲスト OS の種類によって決まります。
次の制限を認識しておく必要があります。
- 仮想マシンで構成できる仮想 CPU の数は、ホストに実装される論理コアの数が上限となります。論理コアの数は、ハイパースレッドが無効な場合は物理コアの数と同じになり、ハイパースレッドが有効な場合は物理コアの数の 2 倍となります。
- 実行中の仮想マシンに搭載されている仮想 CPU が 128 個以下の場合は、ホット アドを使用して仮想 CPU の数をさらに増やすことはできません。仮想 CPU の数を制限を超えた値に変更するには、まず仮想マシンをパワーオフする必要があります。これに対して、実行中の仮想マシンの既存の仮想 CPU が 128 個を超えている場合は、ホット アドを使用して仮想 CPU の数を 768 個まで増やすことができます。
- 仮想マシンに搭載できる仮想 CPU ソケットの最大数は 128 です。仮想マシンに 128 個を超える仮想 CPU を構成する場合は、マルチコア仮想 CPU を使用する必要があります。
- すべてのゲスト OS が Virtual SMP をサポートしているわけではありません。この機能をサポートするゲスト OS は、ホストで使用可能な数よりも少ないプロセッサしかサポートしない場合があります。Virtual SMP のサポートの詳細については、http://www.vmware.com/resources/compatibility にある 『VMware 互換性ガイド』 を参照してください。
マルチコア仮想 CPU の構成
VMware のマルチコア仮想 CPU のサポートにより、仮想マシン内の仮想ソケットあたりのコア数を制御できます。この機能を使用すると、ソケットに制限のあるオペレーティング システムで使用されるホスト CPU のコア数が増えて、全体的なパフォーマンスが向上します。
仮想マルチコア CPU は、CPU ソケットの数が制限されているオペレーティング システムやアプリケーションを実行する場合に役立ちます。
ESXi 7.0 Update 1 以降と互換性のある仮想マシンは、最大 768 個の仮想 CPU を搭載するように構成できます。仮想マシンで構成できる仮想 CPU の数は、ホストに実装される論理 CPU の実際の数が上限となります。論理 CPU の数は、物理プロセッサ コアの数、またはハイパースレッディングが有効な場合はその 2 倍の数を示します。たとえば、ホストに 128 個の論理 CPU がある場合、仮想マシンに 128 個の仮想 CPU を構成できます。
コアおよびソケットごとのコアに関する、仮想 CPU の割り当て方法を構成します。シングルコア CPU、デュアルコア CPU、トライコア CPU などを使用するかどうかに応じて、仮想マシンに必要な CPU コアの数を指定してから、各ソケットに必要なコアの数を選択します。これを選択することで、仮想マシンが持つソケットの数が指定されます。
仮想マシンに搭載できる仮想 CPU ソケットの最大数は 128 です。仮想マシンに 128 個を超える仮想 CPU を構成する場合は、マルチコア仮想 CPU を使用する必要があります。
マルチコア CPU の詳細については、『vSphere のリソース管理』ドキュメントを参照してください。