vSphere を使用すると、特定の ESXi ホストで正確な物理デバイスを指定せずに、複数の PCI パススルー デバイスを仮想マシンに簡単に割り当てることができます。
ESXi ホストで構成されていて、パススルーに使用可能なすべての PCI デバイスにアクセスできる仮想マシンのゲスト OS に接続できます。
また、vSphere Distributed Resource Scheduler (DRS) 機能を利用することもできます。vSphere DRS では、仮想マシンのパワーオン時に、仮想マシンを互換性のある ESXi ホストに移動することができます。
- PCI vSphere DirectPath I/O デバイス
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vSphere DirectPath I/Oデバイスを使用すると、仮想マシンに追加するデバイスの物理的な場所を指定できます。vSphere DirectPath I/Oを使用すると、仮想マシンは、特定のホストに接続された物理 PCI および PCIe デバイスに直接アクセスできます。このようにして、高性能グラフィック カードやサウンド カードなどのデバイスに直接アクセスできます。各仮想マシンを最大 16 個の PCI デバイスに接続できます。
ESXi ホスト上で PCI デバイスを構成し、仮想マシンへのパススルーに使用します。『vSphere のネットワーク』ドキュメントを参照してください。ただし、USB デバイスから起動するように構成されている ESXi ホストでは、PCI パススルーを有効にしないでください。
PCI vSphere DirectPath I/O デバイスを仮想マシンで使用できるようになっている場合、仮想マシン上で特定の操作を実行できません。これらの操作には、サスペンド、vMotion による移行、仮想マシンのスナップショットの作成またはリストアなどがあります。
- 強化された vSphere DirectPath I/O デバイス
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強化された vSphere DirectPath I/O デバイスは、ハードウェア デバイス ベンダーが仮想マシンで使用する際に、デバイスの機能を拡張できるように強化したものです。たとえば、ハードウェア ベンダーによって実装されている場合、強化された DirectPath I/O デバイスでは、vMotion による仮想マシンの移行またはサスペンドおよびレジューム操作がサポートされます。また、強化された DirectPath I/O デバイスには構成パラメータが関連付けられている場合があり、そのような PCI デバイスを仮想マシンに追加するときに、これらの構成パラメータを表示および変更することができます。構成パラメータは、ベンダーによって実装されている場合、デバイスで利用可能なリソースの量またはそのタイプに応じて、特定のハードウェア デバイスをさらに指定および選択するのに役立ちます。
強化された vSphere DirectPath I/O デバイスを使用すると、vSphere DRS によって、必要なリソースを備えた使用可能なデバイスがあるクラスタ内のホストを特定できます。
- PCI vSphere 動的 DirectPath I/O デバイス
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vSphere 動的 DirectPath I/O デバイスでは、仮想マシンに追加するデバイス タイプを指定できます。vSphere 動的 DirectPath I/O を使用すると、複数の PCI パススルー デバイスを仮想マシンに割り当てることができます。vSphere 動的 DirectPath I/O を使用すると、vSphere DRS によって、ベンダーとモデル名が同じ使用可能なデバイスがあるクラスタ内のホストを特定できます。
- ベンダー デバイス グループ
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ベンダー デバイス グループは、仮想マシンに一緒に割り当てることができる 2 つ以上のハードウェア デバイスのコレクションです。ベンダー デバイス グループを使用すると、デバイスを仮想マシンに割り当てるときに他のプロパティを考慮することができます。たとえば、デバイスのペアが常に同じ PCI スイッチに割り当てられるようにすることができます。ベンダー デバイス グループがない場合、各デバイスは互いに独立して仮想マシンに割り当てられます。
注: ベンダー デバイス グループ エンティティ全体のみの追加および削除が可能で、そのグループの個々のデバイスを追加および削除することはできません。NIC を持つベンダー デバイス グループを選択した場合は、そのベンダー デバイス グループの NIC に適切なネットワークを追加する必要があります。追加するネットワークは、SR-IOV NIC で接続するように構成するネットワークの 1 つです。
- NVIDIA GRID GPU デバイス
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ESXi ホストに NVIDIA GRID GPU グラフィック デバイスが搭載されている場合は、NVIDIA GRID の仮想 GPU (vGPU) テクノロジーを使用するように仮想マシンを設定できます。
NVIDIA GRID vGPU デバイスは、複雑なグラフィック操作を最適化し、CPU に過大な負荷をかけずに高パフォーマンスで実行します。NVIDIA GRID vGPU を使用することで、単一の物理 GPU を個別の vGPU 対応パススルー デバイスとして複数の仮想マシンで共有できます。
vSphere 7.0 Update 2 以降では、NVIDIA マルチインスタンス GPU (MIG) 機能を使用するように仮想マシンを構成できます。NVIDIA MIG を使用すると、適用可能な GPU を個別の GPU インスタンスに安全にパーティショニングできます。各 GPU インスタンスには、メモリ、メモリ キャッシュ、コンピューティング コアなどの専用リソースがあります。GPU が MIG モードの場合、仮想マシンに一意の vGPU プロファイル名を割り当てることができます。VMware は GPU とコンピューティング インスタンスを自動的に作成するため、手動で作成する必要はありません。
前提条件
- 仮想マシンを編集するときに PCI デバイスを追加する場合は、 権限があることを確認します。
- 仮想マシンを編集するときにメモリ予約を増やす場合は、 権限があることを確認します。
- 仮想マシンを編集するときに仮想マシンのメモリを削減する場合は、 権限があることを確認します。
- 仮想マシンをパワーオフします。
- 動的 DirectPath I/O を使用するには、仮想マシンに ESXi 7.0 以降との互換性があることを確認します。
- DirectPath を使用するには、ホストの BIOS で Intel Virtualization Technology for Directed I/O (VT-d) または AMD I/O Virtualization Technology (IOMMU) が有効であることを確認します。
- PCI デバイスがホストに接続され、パススルーが使用可能になっていることを確認します。ESXi ホストが USB デバイスから起動するように構成されている場合、またはアクティブなコアダンプ パーティションが、USB チャネルを介して接続されている USB デバイスまたは SD カード上に構成されている場合は、USB コントローラのパススルーを無効にします。USB チャネルを使用して接続された USB デバイスや SD カードから起動する ESXi ホストの USB コントローラのパススルーはサポートされません。アクティブなコアダンプ パーティションが USB デバイスまたは USB チャネルを介して接続された SD カードに配置される構成はサポートされません。詳細については、http://kb.vmware.com/kb/1021345を参照してください。
- 強化された DirectPath I/O を使用するには、次のことを確認します。
- 仮想マシンが ESXi 8.0 以降と互換性がある。
- ハードウェア ベンダーから提供された特別なドライバをダウンロードしてインストールしている。
- NVIDIA GRID vGPU グラフィック デバイスを使用するには、以下を実行します。
- NVIDIA GRID vGPU グラフィック デバイスおよび適切なドライバがホストにインストールされていることを確認します。『VMware ESXi のアップグレード』のドキュメントを参照してください。
- 仮想マシンが ESXi 6.0 以降と互換性があることを確認します。
- 複数の NVIDIA GRID vGPU を仮想マシンに追加するには、以下を実行します。
- 仮想マシンに ESXi 6.7 Update 2 以降との互換性があることを確認します。
- 最大フレーム バッファでのみ NVIDIA vGPU プロファイルを使用します。
- サポートされているのは、Q シリーズと C シリーズの vGPU タイプのみです。
- ベンダー デバイス グループを使用するには、次のことを確認します。
- 仮想マシンが ESXi 8.0 以降と互換性がある。