Windows と Linux ゲスト OS のカスタマイズ仕様を作成および管理できます。カスタマイズ仕様は、仮想マシンのゲスト OS の設定が含まれている XML ファイルです。

仮想マシンのクローン作成中またはデプロイ中にゲスト OS に仕様を適用すると、コンピュータ名の重複など、同一の設定を持つ仮想マシンをデプロイするときに発生する可能性のある競合を防止できます。

vCenter Server は、カスタマイズされた構成パラメータを vCenter Server データベースに保存します。カスタマイズ設定が保存されると、システム管理者のパスワードおよびドメイン管理者のパスワードが暗号化された形式でデータベースに格納されます。パスワードの暗号化に使用された証明書は vCenter Server システムごとに固有のものであるため、vCenter Server を再インストールしたり、サーバの新しいインスタンスをデータベースに接続すると、暗号化されたパスワードが無効になります。パスワードは、使用する前に再入力する必要があります。

vSphere Client でのカスタマイズ仕様の作成と管理の方法については、次のビデオをご覧ください。

Linux のカスタマイズ仕様の作成

Linux ゲスト OS のシステム設定をカスタマイズ仕様に保存します。これは、仮想マシンのクローン作成をするときまたはテンプレートから仮想マシンをデプロイするときに適用できます。仮想マシンをクラウド環境にデプロイするときに初期化する標準的な方法として、cloud-init ユーティリティを使用できます。

前提条件

  • カスタマイズの要件をすべて満たしていることを確認します。ゲスト OS のカスタマイズ要件を参照してください。
  • カスタマイズ スクリプトを実行するには、次の手順を実行します。
    • VMware Tools バージョン 10.1.0 以降がインストールされていることを確認します。VMware Tools が 10.1.0 よりも前のバージョンの場合にカスタマイズ スクリプトを実行すると、カスタマイズに失敗します。
    • VMware Tools の構成では、enable-custom-scripts オプションは、セキュリティ上の理由からデフォルトで無効になっています。enable-custom-scripts オプションが無効な状態でカスタマイズ スクリプトを実行すると、カスタマイズ エラーでカスタマイズに失敗します。
      たとえば、 enable-custom-scripts オプションを有効にするには、root ユーザーとして config コマンドを使用して vmware-toolbox-cmd を実行する必要があります。
      vmware-toolbox-cmd config set deployPkg enable-custom-scripts true
      cat /etc/vmware-tools/tools.conf
      [deployPkg]
      enable-custom-scripts = true
      オプションが正しく設定されていることを確認するには、次のコマンドを実行します。
      vmware-toolbox-cmd config get deployPkg enable-custom-scripts
      [deployPkg] enable-custom-scripts = true

      詳細については、『VMware Tools ユーザー ガイド』を参照してください。

  • cloud-init メタデータとユーザー データを使用して仮想マシンのゲスト OS をカスタマイズするには、次の手順を実行します。
    • VMware Tools バージョン 11.3.0 以降がインストールされていることを確認します。
    • cloud-init バージョン 21.1 以降がインストールされていることを確認します。

手順

  1. メニュー アイコン (メイン ナビゲーション アイコン) をクリックし、[ポリシーおよびプロファイル] をクリックします。
  2. [仮想マシンのカスタマイズ仕様] をクリックします。
  3. 仕様を作成するには、[仮想マシンのカスタマイズ仕様] ペインで [新規] をクリックします。
    [新しい仮想マシン ゲスト カスタマイズ仕様] ウィザードが開きます。
  4. [名前とターゲット OS] 画面で、カスタマイズ仕様の名前と説明を入力し、ターゲット ゲスト OS として [Linux] を選択します。
  5. (オプション) Raw cloud-init データを使用してカスタマイズを開始するには、次の手順を実行します。
    1. [cloud-init 構成データを使用] チェック ボックスをオンにして、[次へ] をクリックします。
    2. [cloud-init メタデータ] 画面で、cloud-init メタデータを仮想マシンのゲスト OS に適用します。
      メタデータおよびユーザー データの形式の詳細については、VMware のナレッジベースの記事 ( https://kb.vmware.com/s/article/82250) を参照してください。
      オプション 操作
      cloud-init メタデータ ファイルのアップロード

      cloud-init メタデータ ファイルは、YAML または JSON ファイル形式のプレーン テキストです。

      ファイル サイズの上限は 512 KB です。

      • [アップロード] をクリックし、ローカル マシンのこのファイルの場所に移動します。

        ファイルの内容はテキスト ボックスに表示されます。

      cloud-init メタデータ スクリプトを入力します。
      • (オプション) テキスト ボックスにメタデータ スクリプトを直接入力します。
    3. [次へ] をクリックします。
    4. (オプション) [cloud-init ユーザー データ] で、cloud-init ユーザーの構成を仮想マシンのゲスト OS に適用します。たとえば、ゲスト OS に新しいユーザーを追加できます。
      cloud-init ユーザー データの詳細については、 https://cloudinit.readthedocs.io/en/latest/topics/format.html にある cloud-init のドキュメントを参照してください。
      cloud-init ユーザー データ ファイルのアップロード

      cloud-init ユーザー データ ファイルは、Raw cloud-init 形式のプレーン テキストです。

      ファイル サイズの上限は 512 KB です。

      • [アップロード] をクリックし、ローカル マシンのこのファイルの場所に移動します。

        ファイルの内容はテキスト ボックスに表示されます。

      cloud-init ユーザー データを入力
      • (オプション) テキスト ボックスに cloud-init ユーザー データのスクリプトを直接入力します。
    5. [次へ] をクリックします。
    6. [設定の確認] 画面で詳細を確認し、[完了] をクリックして変更を保存します。
  6. (オプション) 従来のカスタマイズを初期化するには、次の手順を実行します。
    1. [コンピュータ名] ページで、ゲスト OS のコンピュータ名およびドメイン名を入力します。
      ゲスト OS は、ネットワーク上で個々のオペレーティング システムを識別するために、このコンピュータ名を使用します。Linux システムでは、これはホスト名と呼ばれています。
      オプション 操作
      仮想マシン名を使用 仮想マシン名を使用する場合は、このオプションを選択します。vCenter Server が作成するコンピュータ名は、ゲスト OS が実行されている仮想マシンの名前と同じです。名前が 63 文字を超える場合は、切り捨てられます。
      クローン作成/デプロイ ウィザードに名前を入力 クローン作成時やデプロイ時に名前の入力を求める場合は、このオプションを選択します。
      名前を入力
      • 名前を入力します。

        名前には、英数字とハイフン (-) を使用できます。ピリオド (.)、空白スペース、または特殊文字を含めることはできません。また、数字のみを含めることもできません。大文字と小文字は区別されません。

      • (オプション) 確実に名前を一意にするには、[数値を付加する] チェックボックスをオンにします。

        この処理により、仮想マシン名の後にハイフンと数値が追加されます。数値と組み合わせて、名前が 63 文字を超える場合は切り捨てられます。

      vCenter Server で構成されるカスタム アプリケーションを使用して名前を生成 カスタム アプリケーションに渡すことができるパラメータを入力します。
    2. コンピュータの [ドメイン名] を入力し、[次へ] をクリックします。
    3. [タイム ゾーン] ページで仮想マシンのタイム ゾーンを選択し、[次へ] をクリックします。
    4. [カスタマイズ スクリプト] ページで仮想マシンのゲスト OS にカスタマイズ スクリプトを適用し、[次へ] をクリックします。
      オプション 操作
      カスタマイズ スクリプトを含むファイルをアップロード
      • [参照] をクリックし、ローカル マシンのこのファイルの場所に移動します。スクリプトの内容は、[スクリプト] テキスト ボックスに表示されます。
      カスタマイズ スクリプトを入力 カスタマイズ スクリプトを [スクリプト] テキスト ボックスに直接入力します。
      カスタマイズ スクリプトは 1,500 文字以下にしてください。
      注:

      ゲストのカスタマイズが完了するまでのデフォルトのタイムアウト期間は 100 秒に設定されています。このタイムアウト期間には、"precustomization" コマンドライン パラメータを使用するときのスクリプトの実行時間が含まれます。スクリプトの実行時間がタイムアウトを超える場合は、ゲストのカスタマイズが失敗します。

      "precustomization" コマンドライン パラメータを含むカスタマイズ スクリプトを追加すると、ゲストのカスタマイズが開始される前にスクリプトが呼び出されます。その結果、仮想 NIC が切断され、ネットワークにアクセスできなくなります。

      "postcustomization" コマンドライン パラメータを含むカスタマイズ スクリプトを追加すると、ゲストのカスタマイズが終了した後にスクリプトが呼び出されます。その結果、仮想マシンがパワーオンし、NIC が接続され、ネットワークにアクセスできるようになった後の初期化プロセス内でスクリプトがスケジューリングされます。スクリプトの実行時間はデフォルトのタイムアウト期間に含まれず、ゲストのカスタマイズに失敗することはありません。

      [カスタマイズ スクリプトの例]
      #!/bin/sh
      if [ x$1 == x"precustomization" ]; then
      echo Do Precustomization tasks
      elif [ x$1 == x"postcustomization" ]; then
      echo Do Postcustomization tasks
      fi 
    5. [ネットワーク] ページで、ゲスト OS に適用するネットワーク設定のタイプを選択し、[次へ] をクリックします。
      オプション 操作
      標準ネットワーク設定の使用
      • [標準ネットワーク設定を使用] を選択します。これにより vCenter Server は、デフォルト設定を使用してすべてのネットワーク インターフェイスを DHCP サーバから設定します。
      カスタム設定を手動で選択
      • ネットワーク アダプタをリストから選択するか、新規に追加します。
      • 選択した NIC で、[編集] をクリックします。

        [ネットワークの編集] ダイアログ ボックスが開きます。

      • IPv4 ネットワークを使用するように仮想マシンを設定するには、[IPv4] タブをクリックします。

        [この仕様を使用する場合、IPv4 アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択した場合は、クローン作成中またはデプロイ中にカスタマイズ仕様の適用を選択すると、vCenter Server から IP アドレスの指定を要求されます。また、クローン作成およびデプロイ中にはゲートウェイの設定も要求されます。

      • IPv6 ネットワークを使用するように仮想マシンを設定するには、[IPv6] タブをクリックします。

        [この仕様を使用する場合、アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択した場合は、クローン作成中またはデプロイ中にカスタマイズ仕様の適用を選択すると、vCenter Server から IP アドレスの指定を要求されます。また、クローン作成およびデプロイ中にはゲートウェイの設定も要求されます。

      • [OK] をクリックします。
    6. [DNS 設定] 画面で、DNS サーバおよびドメインの設定を入力します。
      [プライマリ DNS][セカンダリ DNS]、および [ターシャリ DNS] テキスト ボックスには、IPv4 と IPv6 のいずれのアドレスも入力できます。
    7. [設定の確認] 画面で詳細を確認し、[完了] をクリックして変更を保存します。

結果

作成したカスタマイズ仕様は、カスタマイズ仕様マネージャに一覧表示されます。仕様を使用して、仮想マシンのゲスト OS をカスタマイズできます。

Windows のカスタマイズ仕様の作成

特定の Windows ゲスト OS の設定をカスタマイズ仕様に保存します。これは、仮想マシンのクローン作成をするときまたはテンプレートからデプロイするときに適用できます。

注: デフォルトの管理者パスワードは、カスタマイズ後に Windows Server 2008 について保持されません。カスタマイズ中に、Windows Sysprep ユーティリティによって Windows Server 2008 上の管理者アカウントが削除され、再作成されます。カスタマイズ後に仮想マシンを最初に起動したときに、管理者パスワードをリセットする必要があります。

vSphere 8.0 Update 2 以降では、リモート デスクトップの組織単位 (OU) を指定できます。OU は、ユーザー、グループ、コンピュータ、またはその他の OU を含む Active Directory 内の区分です。

前提条件

カスタマイズの要件をすべて満たしていることを確認します。ゲスト OS のカスタマイズ要件を参照してください。

手順

  1. [メニュー] > [ポリシーおよびプロファイル] の順に選択し、[ポリシーおよびプロファイル] で [仮想マシンのカスタマイズ仕様] をクリックします。
  2. [新規仕様を作成] アイコンをクリックします。
    [新しい仮想マシン ゲスト カスタマイズ仕様] ウィザードが開きます。
  3. [名前とターゲット OS] 画面で、カスタマイズ仕様の名前と説明を入力し、ターゲット ゲスト OS として [Windows] を選択します。
  4. (オプション) [新規セキュリティ ID (SID) の作成] オプションを選択し、[次へ] をクリックします。
    Windows セキュリティ ID (SID) は、一部の Windows オペレーティング システムで、システムおよびユーザーを一意に識別するために使用されます。このオプションを選択しない場合、新規仮想マシンの SID は、クローン作成やデプロイに使用した仮想マシンまたはテンプレートと同じ SID になります。

    これらのコンピュータが 1 つのドメイン内にあり、ドメイン ユーザー アカウントのみが使用される場合、SID が重複していても問題が発生することはありません。しかし、これらのコンピュータがワークグループの一部であったり、ローカル ユーザー アカウントを使用したりする場合、SID が重複しているとファイル アクセスが危険にさらされる場合があります。詳細は、Microsoft Windows オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。

  5. [登録情報の設定] ページで、仮想マシンの所有者名と組織を入力し、[次へ] をクリックします。
  6. [コンピュータ名] ページで、ゲスト OS のコンピュータ名およびドメイン名を入力します。
    オペレーティング システムは、ネットワーク上で個々のオペレーティング システムを識別するために、このコンピュータ名を使用します。Linux システムでは、これはホスト名と呼ばれています。
    オプション 操作
    仮想マシン名を使用 仮想マシン名を使用する場合は、このオプションを選択します。vCenter Server が作成するコンピュータ名は、ゲスト OS が実行されている仮想マシンの名前と同じです。名前が 63 文字を超える場合は、切り捨てられます。
    クローン作成/デプロイ ウィザードに名前を入力 クローン作成時やデプロイ時に名前の入力を求める場合は、このオプションを選択します。
    名前を入力
    1. 名前を入力します。

      名前には、英数字とハイフン (-) を使用できます。ピリオド (.)、空白スペース、または特殊文字を含めることはできません。また、数字のみを含めることもできません。大文字と小文字は区別されません。

    2. (オプション) 確実に名前を一意にするには、[数値を付加する] チェックボックスをオンにします。

      この処理により、仮想マシン名の後にハイフンと数値が追加されます。数値と組み合わせて、名前が 63 文字を超える場合は切り捨てられます。

    vCenter Server で構成されるカスタム アプリケーションを使用して名前を生成 カスタム アプリケーションに渡すことができるパラメータを入力します。
  7. [Windows ライセンス] 画面で、Windows オペレーティング システムのライセンス情報を入力し、[次へ] をクリックします。
    オプション 操作
    サーバ以外のオペレーティング システムの場合 新しいゲスト OS 用の Windows プロダクト キーを入力します。
    サーバ オペレーティング システムの場合
    1. 新しいゲスト OS 用の Windows プロダクト キーを入力します。
    2. [サーバ ライセンス情報を含む] を選択します。
    3. [シート単位] または [サーバ単位] のいずれかを選択します。
    4. [サーバ単位] を選択する場合は、サーバが受け入れる同時接続の最大数を入力します。
  8. [管理者パスワードの設定] 画面で仮想マシンの管理者パスワードを設定し、[次へ] をクリックします。
    1. 管理者アカウントのパスワードを入力し、確認のため、再度パスワードを入力します。
    2. (オプション) [管理者として自動ログオン] チェックボックスをオンにして、ユーザーが管理者としてゲスト OS にログインするようにし、自動的にログインする回数を選択します。
  9. [タイム ゾーン] ページで仮想マシンのタイム ゾーンを選択し、[次へ] をクリックします。
  10. (オプション) [1 回実行] ページで、ユーザーがゲスト OS にはじめてログインしたときに実行するコマンドを指定し、[次へ] をクリックします。
    RunOnce コマンドについては、Microsoft Sysprep のドキュメントを参照してください。
  11. [ネットワーク] ページで、ゲスト OS に適用するネットワーク設定のタイプを選択し、[次へ] をクリックします。
    • [標準ネットワーク設定を使用] を選択します。これにより vCenter Server は、デフォルト設定を使用してすべてのネットワーク インターフェイスを DHCP サーバから設定します。
    • [カスタム設定を手動で選択] を選択し、各ネットワーク インターフェイスを自分で設定します。
      1. ネットワーク アダプタをリストから選択するか、新規に追加します。
      2. 選択した NIC で、縦に並んだドット アイコンをクリックし、[編集] を選択します。

        [ネットワークの編集] ダイアログ ボックスが開きます。

      3. 仮想マシンで IPv4 ネットワークを使用するよう設定する場合は、[IPv4] タブをクリックします。

        ここですべてを設定するか、[この仕様を使用する場合、IPv4 アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択します。その場合、クローン作成またはデプロイ時にそのカスタマイズ仕様の適用を選択するときに、vCenter Server から IP アドレスの入力を求められます。このオプションでは、クローン作成またはデプロイ時にゲートウェイを設定することもできます。

      4. 仮想マシンで IPv6 ネットワークを使用するよう設定する場合は、[IPv6] タブをクリックします。

        ここですべてを設定するか、[仕様を使用する場合、アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択します。その場合、クローン作成またはデプロイ時にそのカスタマイズ仕様の適用を選択するときに、vCenter Server から IP アドレスの入力を求められます。このオプションでは、クローン作成またはデプロイ時にゲートウェイを設定することもできます。

      5. [DNS] タブをクリックして、DNS サーバの詳細を指定します。
      6. [WINS] をクリックして、プライマリ WINS サーバとセカンダリ WINS サーバの情報を指定します。
      7. [OK] をクリックして、[ネットワークの編集] ダイアログ ボックスを閉じます。
  12. [ワークグループまたはドメイン] 画面で、仮想マシンがネットワークに参加する方法を選択し、[次へ] をクリックします。
    オプション 操作
    ワークグループ ワークグループ名を入力します。たとえば、MSHOME と入力します。
    Windows サーバのドメイン
    1. ドメイン名を入力します。
    2. 指定したドメインにコンピュータを追加するには、権限を持つユーザー アカウントのユーザー名とパスワードを入力します。
    3. (オプション) OU パスを入力します。

      たとえば、OU=MyOU,DC=MyDom,DC=MyCompany,DC=com

  13. [設定の確認] 画面で詳細を確認し、[完了] をクリックして変更を保存します。

結果

作成したカスタマイズ仕様は、カスタマイズ仕様マネージャに一覧表示されます。仕様を使用して、仮想マシンのゲスト OS をカスタマイズできます。

カスタム Sysprep 応答ファイルを使用した Windows のカスタマイズ仕様の作成

カスタム Sysprep 応答ファイルは、コンピュータ名、ライセンス情報、およびワークグループまたはドメインの設定など、いくつものカスタマイズ設定を保存するファイルです。ゲストのカスタマイズ ウィザードで多数の設定を指定する代わりに、カスタム Sysprep 応答ファイルを指定できます。

Windows Server 2003 および Windows XP は、sysprep.inf と呼ばれるテキスト ファイルを使用します。Windows Server 2008、Windows Vista、および Windows 7 は、sysprep.xml と呼ばれる XML ファイルを使用します。これらのファイルは、テキスト エディタを使用して作成するか、Microsoft Setup Manager ユーティリティを使用して生成することができます。カスタム Sysprep 応答ファイルの生成方法の詳細については、関連するオペレーティング システムのドキュメントを参照してください。

重要: カスタム Sysprep 応答ファイルを使用して、Windows Vista 以降のオペレーティング システムに仮想マシンをデプロイする場合は、Sysprep ファイルでネットワークのカスタマイズ仕様を指定する必要があります。 [新しい仮想マシン ゲスト カスタマイズ仕様] ウィザードで設定したカスタム ネットワーク設定は適用されません。詳細については、VMware ナレッジベースの記事 KB1029174 ( https://kb.vmware.com/s/article/1029174) を参照してください。

Windows が元の仮想マシンと同一のセキュリティ ID(SID)を持つ新しい仮想マシンまたはテンプレートを割り当てないように設定できます。これらのコンピュータが 1 つのドメイン内にあり、ドメイン ユーザー アカウントのみが使用される場合、SID が重複していても問題が発生することはありません。しかし、これらのコンピュータがワークグループの一部であったり、ローカル ユーザー アカウントを使用したりする場合、SID が重複しているとファイル アクセスが危険にさらされる場合があります。詳細は、Microsoft Windows オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。

前提条件

カスタマイズの要件をすべて満たしていることを確認します。ゲスト OS のカスタマイズ要件を参照してください。

手順

  1. [メニュー] > [ポリシーおよびプロファイル] の順に選択し、[ポリシーおよびプロファイル] で [仮想マシンのカスタマイズ仕様] をクリックします。
  2. [新規仕様を作成] アイコンをクリックします。
    [新しい仮想マシン ゲスト カスタマイズ仕様] ウィザードが開きます。
  3. [名前とターゲット OS] ページで、カスタマイズ仕様の名前と説明を入力し、ターゲット ゲスト OS として [Windows] を選択します。
  4. (オプション) [新規セキュリティ ID (SID) の作成] オプションを選択します。
    Windows セキュリティ ID (SID) は、一部の Windows オペレーティング システムで、システムおよびユーザーを一意に識別するために使用されます。このオプションを選択しない場合、新規仮想マシンの SID は、クローン作成やデプロイに使用した仮想マシンまたはテンプレートと同じ SID になります。

    これらのコンピュータが 1 つのドメイン内にあり、ドメイン ユーザー アカウントのみが使用される場合、SID が重複していても問題が発生することはありません。しかし、これらのコンピュータがワークグループの一部であったり、ローカル ユーザー アカウントを使用したりする場合、SID が重複しているとファイル アクセスが危険にさらされる場合があります。詳細は、Microsoft Windows オペレーティング システムのドキュメントを参照してください。

  5. [カスタム Sysprep 応答ファイルの使用] を選択し、[次へ] をクリックします。
  6. [カスタム Sysprep ファイル] で、sysprep 応答ファイルをインポートまたは作成するオプションを選択し、[次へ] をクリックします。
    オプション 説明
    Sysprep 応答ファイルのインポート [参照] をクリックして、ファイルを参照します。
    Sysprep 応答ファイルの作成 テキスト ボックスにファイルの内容を入力します。
  7. [ネットワーク] ページで、ゲスト OS に適用するネットワーク設定のタイプを選択し、[次へ] をクリックします。
    • [標準ネットワーク設定を使用] を選択します。これにより vCenter Server は、デフォルト設定を使用してすべてのネットワーク インターフェイスを DHCP サーバから設定します。
    • [カスタム設定を手動で選択] を選択し、各ネットワーク インターフェイスを自分で設定します。
      1. ネットワーク アダプタをリストから選択するか、新規に追加します。
      2. 選択した NIC で、縦に並んだドット アイコンをクリックし、[編集] を選択します。

        [ネットワークの編集] ダイアログ ボックスが開きます。

      3. 仮想マシンで IPv4 ネットワークを使用するよう設定する場合は、[IPv4] タブをクリックします。

        ここですべてを設定するか、[この仕様を使用する場合、IPv4 アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択します。その場合、クローン作成またはデプロイ時にそのカスタマイズ仕様の適用を選択するときに、vCenter Server から IP アドレスの入力を求められます。このオプションでは、クローン作成またはデプロイ時にゲートウェイを設定することもできます。

      4. 仮想マシンで IPv6 ネットワークを使用するよう設定する場合は、[IPv6] タブをクリックします。

        ここですべてを設定するか、[仕様を使用する場合、アドレスの入力プロンプトを表示] オプションを選択します。その場合、クローン作成またはデプロイ時にそのカスタマイズ仕様の適用を選択するときに、vCenter Server から IP アドレスの入力を求められます。このオプションでは、クローン作成またはデプロイ時にゲートウェイを設定することもできます。

      5. [DNS] タブをクリックして、DNS サーバの詳細を指定します。
      6. [WINS] をクリックして、プライマリ WINS サーバとセカンダリ WINS サーバの情報を指定します。
      7. [OK] をクリックして、[ネットワークの編集] ダイアログ ボックスを閉じます。
  8. [設定の確認] ページで詳細を確認し、[完了] をクリックして変更を保存します。

結果

作成したカスタマイズ仕様は、カスタマイズ仕様マネージャに一覧表示されます。仕様を使用して、仮想マシンのゲスト OS をカスタマイズできます。

カスタマイズ仕様の管理

既存の仕様を編集、複製、エクスポート、削除できます。

手順

  1. vSphere Client で、[メニュー] > [ポリシーおよびプロファイル] を選択して、[仮想マシンのカスタマイズ仕様] をクリックします。
  2. カスタマイズ仕様を選択し、タスクを選択します。
    オプション 説明
    カスタマイズ仕様の編集 ネットワーク構成の変更など、カスタマイズ仕様を変更できます。[編集] をクリックし、必要に応じて変更します。
    カスタマイズ仕様の複製 既存の仕様と少しだけ異なるカスタマイズ仕様が必要な場合、カスタマイズ仕様マネージャを使用して、既存の仕様のコピーを作成し、それを変更することができます。たとえば、IP アドレスや管理者パスワードを変更する必要が生じる可能性があります。
    カスタマイズ仕様のエクスポート カスタマイズ仕様をエクスポートして、.xml ファイルとして保存できます。エクスポートした仕様を仮想マシンに適用するには、[インポート] ボタンを使用して .xml ファイルをインポートします。
    カスタマイズ仕様の削除 カスタマイズ仕様を削除して、ストレージの空き容量を増やすことができます。

カスタマイズ仕様のインポート

既存の仕様をインポートし、その仕様を使用して、仮想マシンのゲスト OS をカスタマイズできます。

前提条件

開始する前に、 vSphere Client からアクセス可能なファイル システム上に xml ファイルとして保存された少なくとも 1 つのカスタマイズ仕様がなければなりません。

手順

  1. vSphere Client で、[メニュー] > [ポリシーおよびプロファイル] を選択して、[仮想マシンのカスタマイズ仕様] をクリックします。
  2. [インポート] アイコンをクリックします。
  3. .xml ファイルを参照してインポートし、名前と、必要に応じて説明を指定し、[OK] をクリックします。

結果

インポートした仕様が、カスタマイズ仕様のリストに追加されます。