vSphere 名前空間 は、vSphere ポッド、仮想マシン、および Tanzu Kubernetes Grid クラスタを実行できるリソースの境界を設定します。vSphere 管理者は、vSphere Client を使用して vSphere 名前空間 を作成および構成します。

最初に作成された vSphere 名前空間 には、スーパーバイザー 内の無制限のリソースがあります。vSphere 管理者は、CPU、メモリ、ストレージのほか、vSphere 名前空間 内で実行できる Kubernetes オブジェクトの数に制限を設定できます。ストレージ制限は、Kubernetes ではストレージ割り当てと表されます。リソース プールは、スーパーバイザーvSphere 名前空間 ごとに vSphere 内に作成されます。

vSphere Zones で有効になっている スーパーバイザー では、ゾーンにマッピングされた各 vSphere クラスタに名前空間リソース プールが作成されます。vSphere 名前空間 は、vSphere Zones に含まれている 3 つの vSphere クラスタすべてに分散されます。3 ゾーンの スーパーバイザーvSphere 名前空間 に使用されるリソースは、基盤となる 3 つのすべての vSphere クラスタから均等に取得されます。たとえば、300 MHz の CPU を使用する場合は、各 vSphere クラスタから 100 MHz が取得されます。

図 1. vSphere 名前空間

この図は、スーパーバイザー 内で実行されている vSphere 名前空間、および名前空間内の vSphere ポッド、仮想マシン、TKG クラスタを示しています。

DevOps エンジニアが名前空間にアクセスできるようにするために、vSphere 管理者は、vCenter Single Sign-On に関連付けられている ID ソース内、または スーパーバイザー に登録された OIDC プロバイダから使用可能なユーザーまたはユーザー グループに権限を割り当てます。詳細については、『vSphere IaaS control plane ID とアクセスの管理』を参照してください。

名前空間が作成され、リソースとオブジェクトの制限、権限、およびストレージ ポリシーが構成されたら、DevOps エンジニアは名前空間にアクセスして、ワークロード(Tanzu Kubernetes Grid クラスタ、vSphere ポッド、仮想マシン サービスを使用して作成された仮想マシンなど)を実行することができます。

vSphere 名前空間 と Kubernetes 名前空間の違い

基本的に、vSphere 名前空間 は Kubernetes 名前空間と同じ機能を提供しますが、vSphere 名前空間vSphere IaaS control plane に固有です。vSphere 名前空間 を Kubernetes 名前空間と混同しないでください。

vSphere 名前空間 は、vSphere リソース プールの拡張機能として実装され、スーパーバイザー で実行されているワークロードにリソースを提供します。vSphere 名前空間 では、Kubernetes 名前空間への直接マッピングを使用して、オブジェクトとストレージの割り当てがワークロードに適用されます。

通常の Kubernetes 名前空間とのもう 1 つの違いは、前述のように、vSphere 管理者が vSphere 名前空間 へのユーザー アクセスを管理する点です。vSphere 管理者は、仮想マシン クラスおよび DevOps エンジニアが仮想マシンのセルフサービスに使用できる仮想マシン テンプレートを含むコンテンツ ライブラリを関連付けることもできます。詳細については、vSphere IaaS 制御プレーンのサービスとワークロードでの仮想マシンのデプロイと管理を参照してください。