NSX-T での NSX Virtual Distributed Switch (N-VDS) から統合 VDS (C-VDS) への移行後、vRealize Automation 内で影響を受ける vSphere ネットワーク リソースを引き続き使用するには、新しいクラウド テンプレートおよび既存のクラウド テンプレートに含まれるこれらのリソースを更新する必要があります。

N-VDS から C-VDS への移行後、vSphere ネットワークがメンバーになっている vRealize Automation ネットワーク プロファイルからネットワークが除外されたように見えることがあります。これらの vSphere タイプのネットワークが失われないようにして、既存および新規の展開で引き続き割り当てを行うには、vRealize Automation Cloud Assembly でリストに含まれているすべての C-VDS ネットワークを手動で更新する必要があります。

注: ユーザーが N-VDS の vRealize AutomationVMware Cloud on AWS クラウド アカウントを作成する場合、 VMware Cloud on AWS CloudAdmin ロールは不要ですが、N-VDS から C-VDS への移行後に C-VDS アセットにアクセスするには、この権限レベルが必要になります。コンテナ化された権限を持つ Active Directory メンバーには、 vRealize Automation で移行された C-VDS リソースへのホスト スイッチ レベルのアクセス権(読み取り専用アクセス権)が必要です。クラウド管理者グループ(CloudAdmin ロール)ユーザーには、ホスト スイッチ レベルの権限があります。 VMware Cloud on AWS クラウド管理者グループのメンバーでない vRealize Automation ユーザーは、移行された C-VDS リソースにアクセスできません。
  • NSX-T で N-VDS から C-VDS に移行する前に VMware Cloud on AWS で Cloudadmin ロールが割り当てられていた Active Directory メンバーには、N-VDS から C-VDS への移行後も VMware Cloud on AWS で CloudAdmin ロールが設定されているため、移行された C-VDS リソースに必要なアクセス レベルを保持しています。
  • NSX-T で N-VDS から C-VDS に移行する前に VMware Cloud on AWS で CloudAdmin ロールが割り当てられていなかった Active Directory メンバーには、移行後に CloudAdmin ロールを割り当てる必要があります。
  • VMware Cloud on AWSvRealize Automation の認証情報の詳細については、vRealize Automation でクラウド アカウントを使用するために必要な認証情報を参照してください。
注:

この手順は、NSX-T での N-VDS から C-VDS への移行が完了した後に、vSphere ネットワークを更新するために vRealize Automation で必要なアクションに固有のものです。N-VDS から C-VDS への移行後、NSX ネットワーク上の vRealize Automation ではアクションは不要です。NSX ネットワークでは、N-VDS から C-VDS への移行後に手動による介入は必要ありません。

vCenter クラウド アカウントおよび VMware Cloud on AWS クラウド アカウントに接続されている NSX ネットワークはサポートされているため、この手順で説明する手動操作は必要ありません。VMware Cloud on Dell クラウド アカウントに接続されている NSX ネットワークでは、ここで説明する手動操作が必要になる場合があります。関連情報については、VMware Cloud on AWS の N-VDS から VDS への移行について (KB82487)を参照してください。

NSX-T 管理者は、NSX 内で VDS 上の NSX-T (N-VDS) ネットワーク タイプを統合 VDS (C-VDS) ネットワーク タイプに移行できますが、このアクションは vRealize Automation 内の既存の vSphere ネットワーク リソースに影響します。vRealize Automation 管理者は、移行後のアクションを実行することにより、vRealize Automation 内のこれらのリソースを NSX-T および vCenter Server での関連する変更に合わせて調整できます。C-VDS、または通常の VDS は、他の場面では vSphere 7 Virtual Distributed Switch (VDS) とも呼ばれます。

NSX-T 統合 VDS (C-VDS) の関連情報については、VMware ナレッジベースの記事NSX-T on VDS (KB79872)を参照してください。

注: このサンプル シナリオは、N-VDS から C-VDS への移行後に vRealize Automation 環境でリソースを調整するために必要な手順を示しています。この例と手順を vRealize Automation 8.5 以降で使用することにより、 NSX-T で N-VDS から C-VDS に移行した後に、 vCenter Server に加えられた変更を調整できます。

例:移行前の vRealize Automation リソース

この例は、N-VDS から C-VDS への移行前のサンプル vRealize Automation 環境内のサンプル NSX-T リソースを示しています。

  • この例には、次に示すように NSX-T クラウド アカウントおよび vCenter クラウド アカウントが含まれています。

    cvds1

  • この例には、次に示すようにいくつかの vSphere ネットワークが含まれています。

    cvds2

  • ネットワーク構成の例には、次に示すように CIDR と DNS の設定が含まれています。

    cvds3

  • この例には、次に示すように既存の IP アドレス範囲も含まれています。

    cvds4

  • この例には、次に示すように、seg-5 など、いくつかの N-VDS ネットワークを含むネットワーク プロファイル (ex-np) が含まれています。cvds5
  • この例では、既存の seg5 ネットワーク コンポーネントが次のサンプル クラウド テンプレート構文に示されています。ネットワークは N-VDS ネットワークとしてタグ付けされます。この例では、seg5 ネットワークに対して必要な移行後の更新について説明します。

    cvds6

  • クラウド テンプレートの例では、次のように展開が生成されます。

    cvds7

  • サンプル マシンの IP アドレスが、次のようにサンプルの展開に表示されます。

    cvds8

例:移行後の手順 1:N-VDS から C-VDS への移行および列挙後にデータ収集を実行する

上のセクションでは、出力としてクラウド テンプレートと展開が得られる vRealize Automation 環境の例で使用されるインフラストラクチャを示すために、スクリーンショットを使用しました。

管理者が NSX-T で N-VDS から C-VDS への移行を実行した後は、vRealize Automation による定期的なデータ収集および列挙プロセスが実行され、vRealize Automation 内の影響を受けるリソースが取得および表示されるまで 10 分以上待ちます。

vRealize Automation にデータ収集の実行を許可した後、使用可能な C-VDS ネットワークを表示してアクセスするために [インフラストラクチャ] > [ネットワーク] の順にクリックします。次に示すように、seg5 ネットワークが表示されます。

列挙

例:移行後の手順 2:事前定義済みの CIDR と DNS を移行された C-VDS ネットワークに追加する

移行された C-VDS ネットワークを編集して、移行前の N-VDS 定義で指定済みだった CIDR および DNS の詳細を追加し、ネットワークのタグ付けを変更します。

  1. 移行前の N-VDS 定義で定義済みだった CIDR と DNS の詳細を追加します。
  2. サンプル C-VDS の seg-5 ネットワーク セグメントに、seg5-cvds などの新しいタグを追加します。

    詳細の追加

    前の画面に示したように、元の N-VDS の seg-5 ネットワークは seg5-nvds とタグ付けされていました。ネットワークの再構成では、リソースのタグ付けの詳細を変更する必要があります。vRealize Automation の要件により、C-VDS ネットワーク用のクラウド テンプレートには、元の N-VDS ネットワークで使用されているタグとは異なるタグ名を含めます。タグ付けの変更により、有効な再展開を生成するときにクラウド テンプレートの変更が識別されます。

例:移行後の手順 3:更新された IP アドレス範囲情報を追加する

ネットワーク IP アドレス範囲を編集して、移行前の N-VDS 定義で指定された IP アドレス範囲の詳細に変更するには、コマンドライン API を使用するか、vRealize Automation のメニュー シーケンスを使用します。

  • オプション 1:次のサンプル画面に示すように、API を使用して IP アドレス範囲のデータを更新します。

    IP アドレス範囲を更新する API

  • オプション 2:次のサンプル画面に示すように、ユーザー インターフェイスを使用して IP アドレス範囲のデータを更新します。

    IP アドレス範囲を更新するユーザー インターフェイス

例:移行後の手順 4:ネットワーク プロファイルを更新して、欠落しているネットワークを修正する

移行後、データ収集と列挙の後で、N-VDS ネットワークが調整され、vRealize Automation Cloud Assembly から削除されます。影響を受けるネットワーク プロファイル(例:ex-np)にネットワークの欠落があります。ネットワークの欠落という問題を修正するために、以下に示すように、各 N-VDS ネットワークを C-VDS ネットワークに更新します。

nw プロファイルの更新

例:移行後の手順 5:クラウド テンプレート内のネットワーク制約を更新する

既存の展開の場合は、クラウド テンプレート内のネットワーク制約を更新して、更新後のネットワーク プロファイルの新しい C-VDS ネットワークと一致させる必要があります。また、更新後のネットワーク制約は、反復的な展開を実行するためや、ネットワークを元の vSphere N-VDS 表現から vSphere C-VDS 表現に再構成するためにも必要です。

新しい展開では、指定された C-VDS リソースが使用されるため、この手順は不要です。反復的な展開およびネットワークの再構成は、設計どおりに機能します。

  1. この例では、次に示すように、クラウド テンプレート内のネットワーク制約を seg5-nvds から seg5-cvds に変更します。

    制約 1 の更新

  2. 次に示すように、反復的な展開を実行してネットワークを再構成します。

    制約 2 の更新

  3. 再展開が正常に完了すると、次のように、更新された制約がネットワークのカスタム プロパティに表示されます。

    制約 3 の更新

    IP アドレス範囲は前に新しい C-VDS データで更新されていたため、次に示すように、再展開ではマシンの IP アドレスは変更されません。

    制約 4 の更新