vRealize Automation で VMware Cloud Director クラウド アカウントを作成し、クラウドに依存しないオブジェクトを使用して Cloud Director 仮想マシンを展開することができます。Cloud Director を使用すると、ネットワーク、ストレージ、コンピューティングの各リソースの柔軟なプロビジョニングが可能になり、vCenter Server とその NSX-T および NSX-V ネットワーク アプライアンス、および関連する仮想データセンターをカタログを使用してポータル ベースで管理することができます。

VMware Cloud Director クラウド アカウントを使用すると、vApp がインストールされていないスタンドアローンの Cloud Director 仮想マシンを作成できます。 Cloud Assembly クラウド テンプレートを使用して Cloud Director 仮想マシンをプロビジョニングする 3 つのシナリオがサポートされています。
  • 仮想マシン
  • ネットワークに接続した仮想マシン
  • 追加ディスクを搭載した仮想マシン

高可用性のために複数のサーバを設定する方法など、VMware Cloud Director の操作の詳細については、https://docs.vmware.com/jp/VMware-Cloud-Director/index.htmlにある公式ドキュメントを参照してください。

注: VMware Cloud Director クラウド アカウントは、FIP が有効になっている環境では機能しません。また、FIP を有効にした後に、 vRealize Automation 8.x で FIP を無効にすることはできません。

vRealize Automation が持続モードになっている場合、VMware Cloud Director クラウド アカウントは最大 1,000 台の仮想マシンをサポートします。

次の手順では、VMware Cloud Director クラウド アカウントを vRealize AutomationCloud Assembly 内で設定する方法について説明します。

前提条件

  • 1 つ以上の適切な組織を使用して、VMware Cloud Director 10.2.0、10.2.1、10.2.2、10.3、10.3.1、10.3.2、10.3.3、または 10.4 の展開を設定します。
  • この統合に指定されたユーザーには、該当するテンプレートの読み取り、仮想マシンの作成のほか、コンピューティング ポリシー、ディスク、仮想データセンターなどのその他のリソースの表示を行うために、組織の管理者権限が必要です。vRealize Automation の VCD クラウド アカウントは Cloud Director のテナントのコンテキスト内で機能するため、テナント認証情報を使用して Cloud Director の組織に個別に接続します。必要な認証情報の詳細については、vRealize Automation でクラウド アカウントを使用するために必要な認証情報を参照してください。
  • VMware Cloud Director インスタンス内で適切なストレージ、ネットワーク、イメージ、フレーバー、またはサイジング ポリシーを構成し、統合の構成前または後にこれらのオブジェクトを vRealize AutomationCloud Assembly にマッピングする必要があります。次のリストでは、Cloud Assembly で VMware Cloud Director 仮想オブジェクトを vRealize Automation オブジェクトにマッピングする方法について説明します。
    • VMware Cloud Director 組織ネットワーク(分離、直接、ルーティング):vRealize Automation ネットワークにマッピングします。ネットワーク アダプタに固定 IP アドレス プールを設定することはできません。
    • VMware Cloud Director 仮想マシンのサイジング ポリシー:vRealize Automation フレーバーにマッピングします。
    • VMware Cloud Director ストレージ ポリシー:vRealize Automation ストレージ プロファイルにマッピングします。
    • VMware Cloud Director イメージ(OVF、ISO 起動メディア):vRealize Automation イメージにマッピングします。イメージには、vApp テンプレート、または ISO ファイルなどのメディアを使用できます。ISO を使用した場合は、「空」の仮想マシンが作成され、メディアが起動メディアとして接続されます。
    • VMware Cloud Director 仮想マシン:vRealize Automation コンピューティングにマッピングします。
    • VMware Cloud Director 仮想マシンのディスク:vRealize Automation クラウド ボリュームにマッピングします。

    これらの VMware Cloud Director オブジェクトは、Cloud Assembly[インフラストラクチャ] > [構成] > [] 画面にあるオプションを使用して、vRealize Automation オブジェクトにマッピングします。vRealize Automation 内のオブジェクトのマッピングの詳細については、Cloud Assembly リソース インフラストラクチャのビルドの関連トピックを参照してください。

手順

  1. [インフラストラクチャ] > [接続] > [クラウド アカウント] の順に選択し、[クラウド アカウントの追加] をクリックします。
  2. VMware Cloud Director クラウド アカウントのタイプを選択し、[名前][説明] を入力します。
  3. VMware Cloud Director サーバにアクセスするために必要とされる適切なアカウント情報を入力します。
  4. VMware Cloud Director サーバとの接続に使用されるベース URL を入力します。
  5. 指定された Cloud Director インスタンスにアクセスできる有効なアカウントの、適切な [ユーザー名][パスワード] を入力します。
  6. この統合で使用する [組織] の名前を入力します。
    vCloud Director では、組織にはユーザー、ユーザーが作成する vApp、および vApp が使用するリソースが含まれます。
  7. [検証] をクリックします。
    検証中に、証明書を受け入れるように求められる場合があります。接続が検証されたら、追加の設定を選択できます。
  8. タグ付けストラテジをサポートするタグを使用する場合は、機能タグを入力します。Cloud Assembly のリソースと展開を管理するためにタグを使用する方法およびタグ付けストラテジの作成を参照してください。
  9. 検証後、選択できる Cloud Director 仮想データセンターのリストが画面に表示されます。適切なデータセンターを選択します。この選択により、展開先として使用できる Director リージョンが決まります。
  10. [追加] をクリックして、VMware Cloud Director クラウド アカウントを vRealize Automation に追加します。

結果

VMware Cloud Director クラウド アカウントは、vRealize Automation で構成できます。Cloud Director インスタンスに関連付けられたネットワークは、Cloud Assembly の [リソース] > [ネットワーク] 画面で構成できます。適切なストレージ プロファイルを設定してから、クラウド アカウントを使用してクラウド テンプレートに展開を作成できます。また、Cloud Assembly で、適切なプロジェクトが Cloud Director インスタンスで使用できるように構成されていることを確認します。

次のタスク

VMware Cloud Director クラウド アカウントが Cloud Assembly クラウド テンプレートで使用できるようになりました。

次に、基本的な VMware Cloud Director 展開のクラウド テンプレートの例を示します。

formatVersion: 1
inputs: {}
resources:
  Cloud_Network_1:
    type: Cloud.Network
    properties:
      networkType: existing
      constraints: 
        - tag: net1:isolated
  Cloud_Volume_1:
    type: Cloud.Volume
    properties:
      capacityGb: 2
  Cloud_Machine_1:
    type: Cloud.Machine
    properties:
      image: image1
      flavor: small
      storage: 
        constraints: 
          - tag: storage:development
      attachedDisks:
        - source: '${resource.Cloud_Volume_1.id}'
      networks:
        - network: '${resource.Cloud_Network_1.id}'

展開された VMware Cloud Director 仮想マシンでは、次の Day 2 アクションがサポートされます。

  • パワーオン
  • パワーオフ
  • 中断
  • スナップショットの作成
  • スナップショットに戻す
  • スナップショットの削除
  • ディスクの追加
  • ディスクの削除
  • ディスクのサイズ変更(注:ディスク サイズの増加のみがサポートされます)
  • 起動ディスクのサイズ変更

ブループリントが展開された後、ユーザーは、vRealize Automation に新しくプロビジョニングされたマシンにタグを適用できます。これらの vRealize Automation タグは VMware Cloud Director メタデータにマッピングされ、VMware Cloud Director API を使用して取得できます。ユーザーは他の vRealize Automation リソースにタグを付けることもできますが、更新されるのは VMware Cloud Director 側のマシンのみです。これがこの機能でサポートされている唯一のリソース タイプであるためです。

ブループリントの展開後、ユーザーは仮想マシンの起動ディスクのサイズを変更できます。通常のディスクもサポートされます。この場合、ユーザーによるマシン リソースのディスク リソースへの接続のみが必要です。すべてが展開されたら、「起動ディスクの更新」または「ディスクの更新」を実行するオプションを使用することで任意のディスクのサイズを増やすことができますが、減らすことはできません。

ブループリントが展開された後、ユーザーは、vRealize Automation フレーバー構成の [サイズ変更] オプションを使用して仮想マシンのサイジング ポリシーを変更できます。選択すると、指定されたサイジング ポリシーが VMware Cloud Director 仮想マシンで使用されます。

この機能を使用するには、組織管理者ロールに割り当てられている [デフォルトの権限バンドル] に、内部コードが VAPP_EDIT_VM_COMPUTE_POLICY である「コンピューティング ポリシーの変更」権限が含まれている必要があります。次に、この権限を組織管理者に対して有効にする必要があります。これを実行しないと、サイズ変更操作はエラー 403: Either you need some or all of the following rights [VAPP_EDIT_VM_COMPUTE_POLICY] to perform operations で失敗します。

VMware Cloud Director 仮想マシンの起動ディスクのサイズの変更は、[展開] 画面で仮想マシンを選択することで、Day 2 操作として実行できます。ただし、起動ディスクのサイズを変更する前に、高速プロビジョニングを無効にする必要があります。しなかった場合、次のエラーが発生することがあります。

Request timed out after 120 minutes. Please configure project request timeout parameter for long running resource requests.

この要件は、vApp テンプレート ディスクから作成された仮想マシンにのみ適用されることに注意してください。ISO ファイルから作成された仮想マシンには適用されません。

次の手順では、高速プロビジョニングを無効にする方法について説明します。

  1. システム管理者として VMware Cloud Director にログインします (https://vcd_url/provider with the system user)。
  2. 組織 VDC をクリックします。
  3. ターゲット組織を選択します。
  4. [ストレージ] をクリックします([ポリシー] の下)。
  5. [高速プロビジョニング] を無効にします。