vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行では、vRealize Automation の構成要素内で NSX-T Data Center Migration Coordinator ユーティリティを利用できます。移行プロセスは通常、vRealize Automation 環境で実行されますが、このプロセスには、vRealize Automation 管理者と NSX 管理者が連携して情報を共有することが必要な、相互に関連するアクションがいくつか含まれます。

vRealize AutomationNSX-V Manager (NSX-V) を NSX-T Manager (NSX-T) に移行するには、vRealize Automation の規範的な NSX-V から NSX-T への移行アシスタントを使用します。この移行アシスタントは、[はじめに] 画面と一連の移行プラン画面から構成されています。

vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行アシスタントでは、各ソース NSX-V クラウド アカウントに個別の移行プランが必要です。

NSX-V クラウド アカウントと NSX-T に関連するオブジェクトを移行することで、NSX-T と、vRealize Automation 内への統合による強力な機能を活用できるようになります。

vRealize Automation の移行プランを実行するときには、プロセスの途中で、vRealize Automation 管理者と NSX 管理者が NSX-T Data Center Migration Coordinator ユーティリティに対する入力および出力として相互にファイルを共有する必要があります。移行プランでは、必要なファイルを共有するために NSX 管理者との連携が必要になると、画面上のヘルプによって通知されます。次の図に、移行プロセス ワークフローにおける管理者間の関係の基本を示します。

V2T 移行プロセスにおける NSX 管理者と vRA 管理者に関連するタスクの概要。

vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行アシスタントは、NSX-V クラウド アカウントとその関連オブジェクトを現在の vRealize Automation リリース内の NSX-T に移行することを目的として使用できます。NSX クラウド アカウントを別の vRealize Automation リリースに移行するために使用することはできません。

このガイドは、vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行アシスタントとその移行プランの手順で使用することを意図しています。このガイドは、vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行プランの画面上で提供されるガイダンスによる指示を補うために使用します。

NSX-T Data Center Migration Coordinator ユーティリティ関連の詳細については、VMware NSX 製品ドキュメントNSX-T Data Center Migration Coordinator ガイドを参照してください。

NSX-T に移行するメリットの詳細については、VMware NSX-T への移行製品ページおよびNSX-T の新機能を参照してください。

サポートされているトポロジ

vRealize Automation では、NSX-V オブジェクトを NSX-T リリース 3.1.1 以降のオブジェクト(NSX-T リリース 3.1.3 を含む)に移行できます。NSX-V オブジェクトを NSX-T リリース 3.1.0 以前のオブジェクトに移行することはできません。

注: vRealize Automation NSX-V から NSX-T への移行プロセスは、現在 NSX-T 3.1.x の Migration Coordinator と連携するように設計されています。今後の vRealize Automation リリースでも、このプロセスは NSX 固定モードで機能することが想定されています。 vRealize Automation では現在、NSX 固定モードも NSX ユーザー定義モードもサポートされていません。

NSX-V から NSX-T への移行プロセスは、NSX-T ポリシー API に移行されます。NSX-T Manager API には移行されません。

vCenter Server 6.7 の関連付けは vCenter Server 6.7 に移行されます。vCenter Server 7.0 以降の関連付けは vCenter Server 7.0 以降に移行されます。

NSX-V から NSX-T への移行プロセスでは、 vRealize Automation 7 から vRealize Automation 8 に移行された展開、および vRealize Automation 8 で作成された展開について、 NSX-V から NSX-T への移行がサポートされます。次のシナリオでは、ワークロードが vRealize Automation 7 から vRealize Automation 8 に移行されてから、NSX オブジェクトが NSX-V から vRealize Automation 8 の NSX-T に移行されます。
  1. 現在の vRealize Automation 8.x リリースを展開します。
  2. 移行ウィザードを使用して、vRealize Automation 7.6 から現在の vRealize Automation 8.x リリースにワークロードを移行します。使用中のリリースのvRealize Automation 8 移行ガイドを参照してください。
  3. NSX-T アプリケーションを展開します。
  4. NSX-T クラウド アカウントを現在の vRealize Automation 8.x リリース環境に追加し、NSX-T エンドポイントにマッピングします。
  5. NSX-V から NSX-T への移行を作成して実行し、ワークロードを NSX-V から NSX-T に移動します。ガイドを参照してください。
  6. 新しい vRealize Automation 8.x リリースが利用可能になったら、通常の方法でそれにアップグレードします。使用中のリリースのvRealize Automation 8 移行ガイドを参照してください。

移行では次のトポロジがサポートされています。

  • 既存のネットワーク(固定および DHCP)
  • ルーティング ネットワーク(固定および DHCP)
  • プライベート ネットワーク(固定および DHCP)
  • 既存のセキュリティ グループ
  • オンデマンド セキュリティ グループ
  • 既存のネットワーク上のオンデマンド 1 アーム ロード バランサ
  • 共有ゲートウェイを使用する、または使用しない送信ネットワーク(固定および DHCP)
    • ユーザー定義の DNAT ルールはサポートされていません
    • 送信ネットワークを使用するロード バランサはサポートされていません
  • 送信ネットワークに接続されたマシン (DHCP IP)
  • ゲートウェイを介して接続された複数の送信ネットワーク
  • オンデマンド セキュリティ グループとして隔離ポリシーを使用する送信ネットワークまたはプライベート ネットワークを含む展開
  • セキュリティ グループによって隔離されるプライベート ネットワーク
  • セキュリティ グループによって隔離される送信ネットワーク
  • オンデマンド ルーティング ネットワーク(DHCP および 1 アーム ロード バランサを使用)
  • オンデマンドおよび既存のセキュリティ グループとロード バランサ
  • DHCP とロード バランサを使用したオンデマンド送信ネットワーク
次のトポロジもサポートされています。
  • vCenter Server 6.7 および CVDS 6.7 に関連付けられた NSX-V ネットワーク。移行先は、vCenter Server 6.7 および NVDS または vCenter Server 7.0 および NVDS を備えた NSX-T 3.1.1 以降です。
  • vCenter Server 7.0 および CVDS に関連付けられた NSX-V ネットワーク。移行先は、vCenter Server 7.0 および NVDS を備えた NSX-T です。
次の図に、 vRealize Automation NSX-V から NSX-T に移行するときの ESG/ワンアーム ロード バランサの処理方法を示します。
V2T 移行中における ESG ワンアーム ロード バランサの処理方法の図

サポートされているトポロジの関連情報については、VMware NSX 製品ドキュメントの『NSX-T Data Center Migration Coordinator ガイド』で、Topologies Supported for Integration with vRealize Automationを参照してください。

サポートされていないトポロジ

次のトポロジは移行できません。

  • NAT またはゲートウェイ コンポーネントで構成された NAT または DNAT ルールを含む展開
  • 共有 T1 を使用するルーティング ネットワーク
  • 任意のオンデマンド ネットワーク上の 1 アーム ロード バランサまたはインライン ロード バランサ
  • 既存のネットワーク上のオンデマンド インライン ロード バランサ
  • パブリック ネットワーク タイプを使用する展開

移行プランの評価手順中にサポートされていないトポロジが検出されると、検証エラーが生成されます。

NSX-V および vCenter Server のオブジェクトが vRealize Automation 7.x から vRealize Automation 8.x に移行されていた場合のデータ収集の実行

vRealize Automation 環境内の展開が vRealize Automation 7.x から vRealize Automation 8.x に移行されていた場合、NSX-V から NSX-T への移行プランを作成する前に、NSX-V および vCenter Server のクラウド アカウントでデータ収集を実行する必要があります。この手順は、ロード バランサやセキュリティ グループなどの移行済みリソースに関する情報を収集するために必要です。

vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行アシスタントへのアクセス

このセクションでは、移行プロセスの概要について説明します。

Cloud Services コンソールから、 vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行アシスタントを開きます。
  1. vRealize Automation 管理者の認証情報および移行のロール権限を使用して [vRealize Automation Cloud Services コンソール] にログインし、[vRA 移行アシスタント] サービス タイルをクリックします。

    Cloud Services のメイン トップページで vRA 移行アシスタントのタイルを選択。

  2. [NSX V2T 移行] メニューで、[はじめに] をクリックします。プロセスの概要を把握するには、[はじめに] 画面の情報を確認してください。詳細については、vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行の開始を参照してください。

    [サービス] タブと [vRA 移行アシスタント] タイルが強調表示されている vRealize Automation トップページのスクリーンショット。

  3. 移行を開始する準備ができたら、[NSX V2T 移行] メニューで [移行プラン] をクリックし、[新しいプラン] をクリックします。
  4. 移行プラン ウィザードには、プロセスの各ステップを進めるために必要な一連の手順が記載されています。詳細については、vRealize Automation での NSX-V から NSX-T への移行プランの作成と実行を参照してください。

    新しいプラン画面に 7 つの手順が表示されています。