vRealize Log Insight は、事前定義された vSphere データストア名をデバイス ID にマッピングします。このマッピングにより、デバイス ID のエイリアスであるデータストア名をクエリで使用できます。クエリは、データストア名またはデータストア名をエイリアスとするデバイス ID を持つメッセージを検索します。vRealize Log Insight は、エイリアスを有効にする前に、メッセージでキー(データストア名)とその値(データストア ID)の両方を受け取る必要があります。

エイリアスは、VMware-vSphere コンテンツ パックで定義されています。エイリアスには、静的エイリアスまたは動的エイリアスを指定できます。

静的エイリアス

静的エイリアスは次のフィールドを使用して構成します。

フィールド 説明
aliasFields 指定された searchField での key への value の静的マッピング。
name エイリアス フィールドの名前。
searchField エイリアスが必要なフィールドの名前。
value 一致する searchField の値。
key searchField を含むイベントとともに表示されるエイリアス。
definition 静的エイリアスは次のように定義されます。
"aliasFields":[{
    "name":"vmw_esxi_scsi_host_status",
    "searchField":"vmw_esxi_scsi_host_status_label",
    "aliases":[{
        "key":"OK",          "value":"0x0"},{
        "key":"NO_CONNECT",  "value":"0x1"},{
        "key":"BUS_BUSY",    "value":"0x2"},{
        "key":"TIME_OUT",    "value":"0x3"},{
        "key":"BAD_TARGET",  "value":"0x4"},{
        "key":"ABORT",       "value":"0x5"},{
        "key":"PARITY",      "value":"0x6"},{
        "key":"ERROR",       "value":"0x7"},{
        "key":"RESET",       "value":"0x8"},{
        "key":"BAD_INTR",    "value":"0x9"},{
        "key":"PASSTHROUGH", "value":"0xa"},{
        "key":"SOFT_ERROR",  "value":"0xb"
    }]
},{
    "name":"vmw_esxi_scsi_device_status",
    "searchField":"vmw_esxi_scsi_device_status_label",
    "aliases":[{
        "key":"GOOD",                 "value":"0x0"},{
        "key":"CHECK CONDITION",      "value":"0x2"},{
        "key":"CONDITION MET",        "value":"0x4"},{
        "key":"BUSY",                 "value":"0x8"},{
        "key":"RESERVATION CONFLICT", "value":"0x18"},{
        "key":"TASK SET FULL",        "value":"0x28"},{
        "key":"ACA ACTIVE",           "value":"0x30"},{
        "key":"TASK ABORTED",         "value":"0x40"
    }]
},{
    "name":"vmw_esxi_scsi_sense_code",
    "searchField":"vmw_esxi_scsi_sense_label",
    "aliases":[{
        "key":"NO SENSE",        "value":"0x0"},{
        "key":"RECOVERED ERROR", "value":"0x1"},{
        "key":"NOT READY",       "value":"0x2"},{
        "key":"MEDIUM ERROR",    "value":"0x3"},{
        "key":"HARDWARE ERROR",  "value":"0x4"},{
        "key":"ILLEGAL REQUEST", "value":"0x5"},{
        "key":"UNIT ATTENTION",  "value":"0x6"},{
        "key":"DATA PROTECT",    "value":"0x7"},{
        "key":"BLANK CHECK",     "value":"0x8"},{
        "key":"VENDOR SPECIFIC", "value":"0x9"},{
        "key":"COPY ABORTED",    "value":"0xA"},{
        "key":"ABORTED COMMAND", "value":"0xB"},{
        "key":"VOLUME OVERFLOW", "value":"0xD"},{
        "key":"MISCOMPARE",      "value":"0xE"
    }]
}],

この定義では、既存のフィールドごとに、ユーザーフレンドリ名の値を持つ別のフィールドが追加されます。

  • vmw_esxi_scsi_host_status フィールドの場合、定義によって、ユーザーフレンドリ名の値を持つ vmw_esxi_scsi_host_status_label フィールドが追加されます。たとえば、vmw_esxi_scsi_host_status のフィールド値が「0x1」の場合、「NO_CONNECT」という vmw_esxi_scsi_host_status_label 値が生成されます。
  • vmw_esxi_scsi_device_status フィールドの場合、定義によって、ユーザーフレンドリ名の値を持つ vmw_esxi_scsi_device_status_label フィールドが追加されます。たとえば、vmw_esxi_scsi_device_status のフィールド値が「0x2」の場合、「CHECK CONDITION」という vmw_esxi_scsi_device_status_label 値が生成されます。
  • vmw_esxi_scsi_sense_code フィールドの場合、定義によって、ユーザーフレンドリ名の値を持つ vmw_esxi_scsi_device_sense_label フィールドが追加されます。たとえば、vmw_esxi_scsi_sense_code のフィールド値が「0x3」の場合、「MEDIUM ERROR」という vmw_esxi_scsi_device_sense_label 値が生成されます。

動的エイリアス

動的エイリアスは次のフィールドを使用して構成します。

フィールド 説明
aliasRules associatedFields での keyField への valueField の動的マッピング。
name エイリアスを識別するための一意の名前(内部のみ)。
keyField 動的エイリアスをマッピングするフィールド。
valueField エイリアス値を提供する keyField と同じイベントの 2 番目のフィールド。
aliasFieldName keyField を含むイベントの横に表示されるエイリアス フィールドの名前。
associatedFields aliasFieldName が表示されるフィールド。
definition 動的エイリアスは次のように定義されます。
"aliasRules":[{
    "name":"DatastoreFromVmFileSystem",
    "filter":"hostd VmFileSystem Label headExtent naa*",
    "keyField":"vmw_esxi_device_id",
    "valueField":"vmw_esxi_vmfs_label",
    "aliasFieldName":"vmw_esxi_vmfs_name",
    "associatedFields":[
        "vmw_esxi_device_id"
    ]
},{
    "name":"DatastoreFromScsiCorrelator",
    "filter":"scsiCorrelator storage Datastores naa*",
    "keyField":"vmw_esxi_device_id",
    "valueField":"vmw_esxi_datastore",
    "aliasFieldName":"vmw_esxi_datastore_name",
    "associatedFields":[
        "vmw_esxi_device_id"
    ]
}],

動的エイリアス フィールドを機能させるには、vRealize Log Insight でエイリアスを作成するために特定のメッセージをログに記録する必要があります。

  • vmw_esxi_vmfs_name フィールドを正しく機能させるには、vRealize Log Insight で最初に次のようなログ メッセージを受信する必要があります。

    016-10-22T00:50:00.042Z host001.corp.local Hostd: info hostd[5179FB70] [Originator@6876 sub=Libs]
    VmFileSystem: uuid:57925c06-0a8a627e-9f0b-b82a72d50b06, Label:datastore001,logicalDevice:57925c05-63b188db-37da-b82a72d50b06, headExtent:naa.6b083fe0c212bd001f22e05d07099022:1

    このイベントの一致に使用されるクエリは hostd VmFileSystem Label headExtent naa* です。見つかった一意の vmw_esxi_device_id フィールド値ごとに、vRealize Log Insightvmw_esxi_vmfs_label フィールドの値を vmw_esxi_vmfs_name フィールドにマッピングします。この例では、vmw_esxi_device_id フィールドは「naa.6b083fe0c212bd001f22e05d07099022」で、vmw_esxi_vmfs_label フィールドは「datastore001」です。このイベントが記録されると、vmw_esxi_vmfs_name フィールドにデータストア名が含まれているフィルタを使用してクエリを実行すると、「naa.6b083fe0c212bd001f22e05d07099022」を含むログ メッセージが返されます。

  • vmw_esxi_datastore_name フィールドを正しく機能させるには、vRealize Log Insight で最初に次のようなログ メッセージを受信する必要があります。

    2016-11-24T03:56:47.738Z host002.corp.local vobd:  [scsiCorrelator] 4851129307827us: [esx.clear.storage.redundancy.restored]
    Path redundancy to storage device naa.6006016006502a004b1c42e756fbe411 (Datastores: "datastore002") restored. Path vmhba39:C0:T1:L2 is active again.

    このイベントの一致に使用されるクエリは scsiCorrelator storage Datastores naa* です。vmw_esxi_device_id フィールドで見つかった一意の値ごとに、vRealize Log Insightvmw_esxi_datastore フィールドの値を vmw_esxi_datastore_name フィールドにマッピングします。この例では、vmw_esxi_device_id フィールドは「naa.6006016006502a004b1c42e756fbe411」で、vmw_esxi_datastore フィールドは「datastore002」です。このイベントが記録されると、vmw_esxi_datastore_name フィールドにデータストア名が含まれているフィルタを使用してクエリを実行すると、「naa.6006016006502a004b1c42e756fbe411」を含むログ メッセージが返されます。

エイリアスの要件

エイリアスを使用するには、次のことを確認します。

  • vRealize Log Insight 4.0 以降を使用していること。
  • VMware - vSphere コンテンツ パック 4.0 以降を使用していること。vRealize Log Insight にはこのコンテンツ パックが含まれています。
  • ESXi が、ログを vRealize Log Insight に送信するように構成されていること。
  • キーと値の両方を含む最初のイベントが取り込みパイプラインを通過した後、最小 5 分の間隔があること。

エイリアスの制限

エイリアスの使用には、次の制限が適用されます。

  • エイリアスには avg、min、max などの数学関数を使用することはできません。
  • エイリアスには「exists」および「does not exist」演算子を使用することはできません。
  • エイリアスはログ転送の一部として転送されません。
  • ノードあたり最大 10 万のエイリアスを学習できます。その後、FIFO 形式でローテーションされます。