vRealize Operations では、高可用性 (HA) がサポートされています。HA により vRealize Operations プライマリ ノードのレプリカが作成され、分析クラスタをノードの喪失から保護します。
HA により、プライマリ ノードで保管されているデータの 100% がレプリカ ノードで常にバックアップされます。HA を有効にするには、プライマリ ノードに加えて、1 台以上のデータ ノードがデプロイされている必要があります。複数のデータ ノードがある場合、プライマリ ノードに保存されたデータは、他のノードのいずれにも格納および複製できます。ただし、プライマリ ノードに障害が発生した場合は、レプリカ ノードのみをプライマリ ノードの置き換えとして機能させることができます。
- HA は、ディザスタ リカバリのメカニズムではありません。HA により、分析クラスタは 1 つのノードのみの喪失から保護され、1 つの喪失のみがサポートされるため、ノードの分離や障害ゾーンの構築の試行に際して複数の vSphere クラスタ間でノードを共有できません。
- HA が有効であれば、何らかの理由でプライマリに障害が発生した場合に、レプリカはプライマリが提供するすべての機能を引き継ぐことができます。プライマリに障害が発生すると、レプリカへのフェイルオーバーが自動的に行われ、操作とデータ収集の再開までに 2 ~3 分の vRealize Operations ダウンタイムのみを要します。
プライマリ ノードの問題でフェイルオーバーが発生すると、レプリカ ノードがプライマリ ノードになり、クラスタはデグレード モードで実行します。デグレード モードから脱するには、次のいずれかの手順を実行してください。
- プライマリ ノードに関わる問題を修正して、HA モードに戻ります。プライマリ ノードは、HA 有効クラスタから離脱すると、手動での介入なしではクラスタに再参加しません。したがって、ダウンしたノードで vRealize Operations 分析プロセスを再起動して、ノードの役割をレプリカに変更し、クラスタに再参加します。
- 障害が発生したプライマリ ノードを削除し、データ ノードをレプリカに変換して HA を再度有効にします。削除されたプライマリ ノードは、修理して vRealize Operations に再度追加することはできません。
- 障害が発生した古いプライマリ ノードを削除し、HA を無効にして非 HA 操作に変更します。削除されたプライマリ ノードは、修理して vRealize Operations に再度追加することはできません。
- 管理インターフェイスで、HA レプリカ ノードが引き継がれて新しいプライマリ ノードになった後、以前のオフラインのプライマリ ノードをクラスタから削除できません。さらに、以前のノードはプライマリ ノードとして表示されたままになります。表示を更新してノードの削除を有効にするには、ブラウザを更新します。
- HA が有効である場合、1 台のデータ ノードが失われても、データを失うことなくクラスタを継続できます。ただし、HA では、どのような場合でも同時に 1 つのノードの喪失のみが保護されるため、データ ノードとプライマリ/レプリカ ノードの同時喪失、または 2 つ以上のデータ ノードの喪失はサポートされません。その代わり、vRealize Operations の HA では、アプリケーション レベルの可用性を確保するための追加のアプリケーション レベルのデータ保護が提供されます。
- HA が有効になっている場合、vRealize Operations のキャパシティおよび処理能力は半分に低減されます。これは、HA によりクラスタ全体のデータの冗長コピーが作成され、プライマリ ノードのレプリカ バックアップも作成されるためです。vRealize Operations クラスタ ノードの数およびサイズを計画する際は、HA を使用する可能性についても考慮してください。「vRealize Operations クラスタのサイジング」を参照してください。
- HA が有効になっている場合は、冗長性および隔離のために、個別のホスト上に分析クラスタ ノードをデプロイします。ノードを vSphere クラスタ内の特定のホスト上に保持する非アフィニティ ルールを使用する方法があります。
ノードが分離された状態を維持できない場合は、HA を有効にしないでください。ホストに障害が発生すると、1 つ以上のノードが失われることがあります。これはサポートされず、vRealize Operations 全体が使用不可能になる可能性があります。
逆もまた真です。HA を使用しない場合、複数のノードを同じホスト上で保持でき、この場合も上記と同様です。HA を使用しない場合、1 つでもノードが失われると vRealize Operations 全体が使用不可能になる可能性があります。
- データ ノードをパワーオフして、仮想マシンのネットワーク設定を変更すると、データ ノードの IP アドレスが影響を受けます。その時点で、HA クラスタにアクセスできなくなり、すべてのノードがステータス「分析を待機しています」になります。固定 IP アドレスを使用していることを確認してください。
- HA 有効クラスタからデータを収集するように構成された vCenter Server アダプタを 1 つ以上持つノードを削除すると、そのノードに関連付けられた vCenter Server アダプタは収集を停止します。ノードを削除する前に、別のノードに接続するようにアダプタ構成を変更してください。
- 管理ユーザー インターフェイスに表示されるリソース キャッシュ カウントは、アクティブ オブジェクトのみの合計ですが、インベントリにはすべてのオブジェクトが表示されます。このため、HA 有効クラスタからノードを削除して、vCenter Server アダプタでデータ収集と各ノードの再調整をできるようにすると、インベントリには、管理ユーザー インターフェイスの表示とは異なるオブジェクト数が表示されます。