vRealize Operations Manager に備わっている一部のアクションを実行するには、ターゲット マシンの構成に応じて仮想マシンをシャットダウンまたはパワーオフする必要があります。その場合は、アクションを実行する前に [パワーオフ可] オプションの影響を理解して、ターゲット仮想マシンに最適な方法を選択する必要があります。

パワーオフとシャットダウン

vCenter Server インスタンス上で実行できるアクションには、仮想マシンをシャットダウンするアクションと仮想マシンをパワーオフするアクションがあります。仮想マシンをパワーオフ状態にしないと実行できないアクションもあります。仮想マシンをシャットダウンするかパワーオフするかは、仮想マシンの構成方法とアクションの実行時に選択するオプションによって決まります。

シャットダウン アクションは、ゲスト OS をシャットダウンしてから仮想マシンをパワーオフします。vRealize Operations Manager から仮想マシンをシャットダウンするには、ターゲット オブジェクト上に VMware Tools がインストールされており、稼動している必要があります。

パワーオフ アクションは、ゲスト OS の状態に関係なく、仮想マシンをオフにします。その際、仮想マシンがアプリケーションを実行していると、データが失われる可能性があります。アクション(たとえば CPU 数の変更)が終了すると、仮想マシンはアクション開始時のパワー状態に戻ります。

パワーオフ可と VMware Tools

一部のオペレーティング システムでは、仮想マシンにホット プラグが構成されている場合に、仮想マシンの CPU 数またはメモリ量を増やすアクションがサポートされます。それ以外のオペレーティング システムでは、仮想マシンの構成を変更するために仮想マシンをパワーオフ状態にする必要があります。VMware Tools が稼働していない場合にこうしたニーズに対応するため、CPU 数の設定、メモリの設定、CPU 数およびメモリの設定アクションには [パワーオフ可] オプションが用意されています。

[パワーオフ可] が選択されており、なおかつ仮想マシンが実行中であるとき、上記のアクションは、VMware Tools がインストールされており、稼働しているかどうかを確認します。
  • VMware Tools がインストールされており、稼働している場合は、仮想マシンがシャットダウンされた後、アクションが完了します。
  • VMware Tools が実行されていないかインストールされていない場合は、オペレーティング システムの状態にかかわらず、仮想マシンはパワーオフされます。

[パワーオフ可] を選択しないで、CPU 数またはメモリを減らす場合、または CPU 数またはメモリを増やすためのホットプラグが有効化されていない場合、アクションは実行されず、[最近のタスク] でエラーが報告されます。

CPU 数またはメモリ変更時の [パワーオフ可]

CPU 数とメモリ容量を変更するアクションを実行する場合は、[パワーオフ可] オプションを使用するかどうかを決定するためにさまざまな要因を考慮する必要があります。具体的な要因として、CPU 数またはメモリ容量を増やすのか減らすのか、ターゲット仮想マシンはパワーオン状態かどうか、といった点があります。CPU またはメモリ値を増やす場合は、ホット プラグが有効化されているかどうかによっても、アクション実行時のオプションの適用方法が変わります。

CPU 数またはメモリ容量を減らすときに [パワーオフ可] を使用する方法は、ターゲット仮想マシンのパワー状態によって異なります。

表 1. オプションに基づく CPU 数とメモリ量削減の動作
仮想マシンのパワー状態 [パワーオフ可] が選択されている 結果
オン

VMware Tools がインストールされ実行されている場合は、アクションによって仮想マシンのシャットダウン、CPU またはメモリの削減、マシンの再パワーオンが実行されます。

VMware Tools がインストールされていない場合は、アクションによって仮想マシンのパワーオフ、CPU またはメモリの削減、マシンの再パワーオンが実行されます。

オン いいえ

アクションは仮想マシンで実行されません。

オフ 該当なし。仮想マシンがパワーオフ状態である。

アクションによって値が削減され、仮想マシンはパワーオフ状態のままです。

CPU 数またはメモリ容量を増やすときに [パワーオフ可] を使用する方法は、ターゲット仮想マシンの状態やホット プラグが有効かどうかなど、いくつかの要因によって異なります。次の情報を使用して、ターゲット オブジェクトに適用されるシナリオを決定します。

CPU 数を増やす場合は、[パワーオフ可] を適用するかどうかを決めるときに、仮想マシンのパワー状態、CPU ホット プラグが有効かどうかを検討する必要があります。

表 2. CPU 数を増やす動作
仮想マシンのパワー状態 CPU ホット プラグが有効 [パワーオフ可] が選択されている 結果
オン 不可

アクションによって CPU 数が指定した数に増加します。

オン 不可

VMware Tools がインストールされ実行されている場合は、アクションによって仮想マシンのシャットダウン、CPU 数の増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

VMware Tools がインストールされていない場合は、アクションによって仮想マシンのパワーオフ、CPU 数の増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

オフ 該当なし。仮想マシンがパワーオフ状態である。 不要。

アクションによって CPU 数が指定した数に増加します。

メモリを増やす場合は、[パワーオフ可] を適用する方法を決定するときに、仮想マシンのパワー状態、メモリ ホット プラグが有効かどうか、ホット メモリの上限が存在するかどうかを検討する必要があります。

表 3. メモリ量を増やす動作
仮想マシンのパワー状態 メモリ ホット プラグが有効 ホット メモリの制限 [パワーオフ可] が選択されている 結果
オン 新しいメモリ値 ≤ ホット メモリの上限 不可

アクションによって、指定したメモリ量が増加します。

オン 新しいメモリ値 > ホット メモリの制限

VMware Tools がインストールされ実行されている場合は、アクションによって仮想マシンのシャットダウン、メモリの増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

VMware Tools がインストールされていない場合は、アクションによって仮想マシンのパワーオフ、メモリの増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

オン 不可 該当なし。ホット プラグは有効化されていない。

VMware Tools がインストールされ実行されている場合は、アクションによって仮想マシンのシャットダウン、メモリの増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

VMware Tools がインストールされていない場合は、アクションによって仮想マシンのパワーオフ、メモリの増加、マシンの再パワーオンが実行されます。

オフ 該当なし。仮想マシンがパワーオフ状態である。 該当なし。 不要

アクションによって、指定したメモリ量が増加します。