可用性レイヤーには、コンシューマ レイヤーとプロバイダ レイヤーの 2 種類があります。[vSphere 可用性] ダッシュボードは、プロバイダ レイヤーを扱います。このダッシュボードは、ESXi ホストではなくクラスタを含んでいます。運用上クラスタが単一のコンピューティング プロバイダであるためです。このダッシュボードは、クラスタが 1 台のホスト障害に耐えられる N+1 設計を考慮したものとなっています。論理的には、ホスト数が少ないクラスタではリスクが高くなります。
設計上の考慮事項
[vSphere 可用性] ダッシュボードを使用すると、アップタイプの分析とレポートを行うことができます。可用性は通常、公式のビジネス SLA の一部に含まれています。また、月次の運用サマリ レポートでも必要になることがよくあります。
このダッシュボードは、アップタイムをリアルタイムで監視するように設計されていません。それらのユース ケースには、NOC スタイルのダッシュボードが適しています。障害の前には通常ソフト エラーが発生するため、vRealize Log Insight などの VMware Tools を活用する必要があります。
ダッシュボードの使用方法
- [クラスタ] ウィジェットには、環境内のすべてのクラスタが一覧表示されます。過去 1 か月のアップタイムが最も短いクラスタが表示されるように、最も短いアップタイムでソートされます。
- [実行中のホスト] 列は、論理的に小さなクラスタのほうが高いリスクがあるため、色分けされています。1 台のホストで障害が発生すると、キャパシティが比較的大きく低下します。
- [vSAN の状況] 列はハイパーコンバージドです。つまりコンピューティングとストレージの両方が考慮されます。
- [アドミッション コントロール ポリシー] 列は、クラスタ構成\DAS 構成\アクティブ プロパティに基づいています。コードと名前のマッピングは、次のとおりです。
- -1:件無効化されました
- 0:クラスタ リソースの割合 (%)
- 1:スロット ポリシー(パワーオン状態の仮想マシン)
- 2:専用フェイルオーバー ホスト
- 大規模な環境では、クラスタのリストのフィルタを作成すると、管理しやすくなります。ゴールド、シルバー、ブロンズなどのサービス クラスでグループ化し、デフォルトの選択をゴールドとします。これにより、ゴールド クラスタを簡単に表示できます。
- [クラスタ] ウィジェットで任意のクラスタをクリックします。
- クラスタのアップタイムは、[選択したクラスタのアップタイム トレンド] に自動的に表示されます。99%、99.%、および 99.99% をそれぞれ赤色、オレンジ色、黄色の色のしきい値として使用します
- [選択されたクラスタの ESXi] ウィジェットの ESXi ホストの詳細は自動的に更新されます。より充実したコンテキストのために、選択した ESXi ホストのプロパティを表示するプロパティ ウィジェットの追加もできます。
- [選択されたクラスタの ESXi] ウィジェットでは、[vCenter Server に接続済み] と [メンテナンス状態] の列は両方とも文字列であり、平均値ではありません。ただし、選択した期間における最終状態が表示されます。これにより、特定の時点に戻り、その時点での可用性を確認することができます。
- [使用できないデータストア] ウィジェットには、パワーオフ状態のデータストアのみが表示されます。これは、ローカルのデータストアと共有されているデータストアの両方が対象となります。コンテキストを追加するには、データストアが存在するデータセンターや、NFS や VMFS などのデータストア タイプなどの列を追加することを検討してください。
- [ポート グループの可用性] ウィジェットには、現在のアップタイムが 100% 未満になっているポート グループが一覧表示されます。コンテキストを追加するには、ポート グループが存在するデータ センター、使用されているポートの数、ポートの最大数などの列を追加することを検討してください。
- より充実したコンテキストのために、選択したオブジェクト プロパティを表示するプロパティ ウィジェットの追加もできます。複数の表で同じプロパティ ウィジェットを使用できますが、オブジェクト タイプは同じにする必要があります。
- 大規模な環境では、このダッシュボード用にフィルタを作成できます。ゴールド、シルバー、ブロンズなどのサービス クラスでグループ化し、デフォルトの選択をゴールドとします。こうすることで、重要度の低いワークロードで監視が乱雑になることがなくなります。
- [選択されたクラスタの ESXi] ウィジェットでは、[vCenter Server に接続済み] と [メンテナンス状態] の列は両方とも文字列であり、平均値ではありません。ただし、選択した期間における最終状態が表示されます。これにより、特定の時点に戻り、その時点での可用性を確認することができます。
注意点
- vCenter Server および NSX コンポーネントの可用性を追加できます。これには VMware SDDC Health Monitoring Solution が必要となります。