vSphere Replication は、1 台または複数の仮想マシンとその仮想ディスクを vCenter Server インスタンスから別のインスタンスにレプリケートすることにより保護できます。次の手順を使用して、目的の設定でレプリケーションを構成します。
レプリケーションを構成する際には、目標復旧ポイント (RPO) を設定して、許容できる最大データ損失を決定します。たとえば、RPO が 1 時間の場合、リカバリ時に仮想マシンで失われるデータが 1 時間を超えないことを目標とします。RPO 値を小さくすればリカバリ時のデータ消失は少なくなりますが、レプリカを最新の状態に維持するためにより多くのネットワーク バンド幅を消費します。RPO 値はレプリケーションのスケジュール設定に影響しますが、vSphere Replication では厳密なレプリケーションのスケジュールに従いません。目標復旧ポイント を参照してください。
vSphere Replication により、仮想マシンに属するすべてのディスク間のクラッシュ整合性が確保されます。静止を使用すると、整合性レベルが高まる場合があります。使用可能な静止のタイプは、仮想マシンのオペレーティング システムによって決まります。Windows および Linux 仮想マシンについては、『vSphere Replication 8.6 互換性マトリックス』を参照してください。
vSAN データストアとの間でレプリケートするように仮想マシンを構成できます。vSphere Replication を vSAN と併用する場合の制限については、vSphere Replication と vSAN ストレージの併用を参照してください。
前提条件
- vSphere Replication アプライアンスがソース サイトとターゲット サイトにデプロイされていることを確認します。
- Linux ゲスト OS を稼働している仮想マシンの静止を有効にするには、レプリケートする予定のすべての Linux マシンに最新バージョンの VMware Tools をインストールします。
- 暗号化された仮想マシンをレプリケートする場合やレプリケーションのネットワーク暗号化を有効にする場合は、環境が要件を満たしていることを確認します。暗号化された仮想マシンのレプリケーション を参照してください。
手順
- vSphere Client にログインします。
- ホーム ページで [Site Recovery] をクリックして、[Site Recovery を開く] をクリックします。
- Site Recovery ホーム ページでサイトのペアを選択して、[詳細表示] をクリックします。
- [レプリケーション] タブをクリックし、[発信] または [受信] を選択して、[新しいレプリケーションを作成します] アイコンをクリックします。
- vSphere Replication サーバの自動割り当てを受け入れるか、ターゲット サイト上の特定のサーバを選択して [次へ] をクリックします。
- [レプリケーションの構成] ウィザードの [仮想マシン] ページで、レプリケートする仮想マシンを選択して、[次へ] をクリックします。
- [ターゲット データストア] ページで、ファイルをレプリケートするデータストアを選択します。
複数の仮想マシンをレプリケートする場合は、仮想マシンごとに異なるターゲット データストアを構成できます。
- (オプション) [シードの選択] チェック ボックスを選択します。
レプリケーション シードは、初期完全同期でネットワーク トラフィックを軽減できますが、レプリケーション シードの使用が意図的でない場合はデータが消失する可能性があります。
- (オプション) [新しいディスクをレプリケーションに自動的に含める] チェック ボックスをオンまたはオフにします。
ソース仮想マシンと同じレプリケーション構成を使用して、レプリケーションに新しいディスクを自動的に含めるには、このチェック ボックスをオンのままにします。自動的に追加されたディスクのディスク形式は、次のように決定されます。レプリケートされたすべてのディスクが
[ソースと同じ] 形式を使用している場合は、自動的に追加されたディスクに
[ソースと同じ] 形式が適用されます。それ以外の場合でも、レプリケートされたすべてのディスクで同じ形式(
[シン プロビジョニング] など)が使用されている場合は、自動的に追加されたディスクに同じ形式(
[シン プロビジョニング])が適用されます。レプリケートされたすべてのディスクで異なる形式が使用されている場合は、自動的に追加されたディスクに
[ソースと同じ] 形式が適用されます。
- (オプション) [ディスクごとにデータストアを構成] ビューを有効または無効にします。
[ディスクごとにデータストアを構成] ビューを有効にすると、ディスクごとに異なるデータストアを指定できます。既存のディスクをレプリケーションに対して追加または除外したり、新しいディスクの自動レプリケーションを有効または無効にすることもできます。新規または既存のディスクをレプリケート対象に追加または対象から除外するには、該当するディスクを選択または選択解除します。
- [Next] をクリックします。
- (オプション) [シードの選択] ページで、推奨されるレプリケーション シードを確認し、必要に応じて変更します。
ドロップダウン メニューを使用して、
[参照] をクリックすると、各仮想マシン ディスクのシード ファイルを選択してシードを検索できます。
ディスクのレプリカ ファイルは、シード ファイルのディレクトリに書き込まれます。
- [選択したシードは適切です] チェック ボックスを選択し、[次へ] をクリックします。
- [レプリケーションの設定] ページで、RPO スライダを使用して、サイト障害が発生した場合にデータ消失が許容される期間を設定します。
RPO の使用可能な範囲は 5 分 ~ 24 時間です。
- (オプション) リカバリ時にソース仮想マシンのスナップショットに変換可能な複数のレプリケーション インスタンスを保存するには、特定の時点のインスタンスで [有効化] を選択し、保持するインスタンスの数を調整します。
注: 1 台の仮想マシンに最大 24 個のインスタンスを保持することができます。たとえば、1 日に 6 個のレプリケーション インスタンスを保持するように
vSphere Replication を構成した場合、設定可能な最大日数は 4 日間です。
vSphere Replication で保持されるレプリケーション インスタンスの数は、構成されているリテンション ポリシーによって異なりますが、これらのインスタンスが作成されるために RPO 期間が十分短いことも要求されます。vSphere Replication では、RPO 設定によって十分な数のインスタンスが保持されるかどうか検証しません。また、インスタンスの数が不十分でも警告メッセージを表示しません。このため、保持する必要がある数だけインスタンスが作成されるように vSphere Replication が設定されていることを確認する必要があります。たとえば、vSphere Replication で 1 日に 6 個のレプリケーション インスタンスが保持されるように設定した場合、vSphere Replication で 24 時間で 6 個のインスタンスが作成されるように、RPO 期間は 4 時間を超えてはなりません。
- (オプション) ソース仮想マシンのゲスト OS の静止を有効にします。
注: 静止オプションは、静止がサポートされている仮想マシンにのみ利用可能です。
vSphere Replication では、vVOL での VSS 静止をサポートしていません。
- (オプション) [VR のデータにネットワーク圧縮を有効にする] を選択します。
ネットワークを介して転送されるレプリケーション データを圧縮することにより、ネットワーク帯域幅が節約され、
vSphere Replication サーバで使用されるバッファ メモリ量の削減に役立つ可能性があります。ただし、データの圧縮や圧縮解除には、ソース サイトとターゲット データストアを管理するサーバの両方で、より多くの CPU リソースが必要です。
- (オプション) レプリケーション トラフィックのネットワーク暗号化を有効にします。
暗号化された仮想マシンのレプリケーションを構成すると、このオプションは自動的に有効になり、無効にすることはできません。
- [終了準備の完了] ページでレプリケーションの設定を確認し、[終了] をクリックします。
結果
vSphere Replication は、仮想マシン ファイルの初期完全同期を、ターゲット サイトの指定のデータストアに対して開始します。