VMware vSphere Replication は、ハイパーバイザー ベースでの仮想マシンのレプリケーションとリカバリを可能にする、VMware vCenter Server の拡張機能です。
vSphere Replication はストレージベースのレプリケーションを代替するものです。次のサイト間で仮想マシンをレプリケートすることで、部分的または完全なサイト障害から仮想マシンを保護します。
- ソース サイトからターゲット サイト
- 単一のサイト内のあるクラスタから別のクラスタ
- 複数のソース サイトからリモートの共有ターゲット サイト
vSphere Replication には、ストレージ ベースのレプリケーションと比べていくつかの利点があります。
- 低コストでの各仮想マシンのデータ保護。
- ソース サイトおよびターゲット サイトでのストレージ ベンダーの選択に柔軟性をもたらすレプリケーション ソリューション。
- レプリケーションあたりの総コスト削減。
vSphere Replication の使用と互換性
vSphere Replication を vCenter Server Appliance または標準的な vCenter Server と併用できます。片方のサイトで vCenter Server Appliance を実行し、もう片方のサイトで標準的な vCenter Server を実行できます。
vSphere Replication は、ペアリングされたサイトの vSphere Replication の N-1 バージョンと互換性があります。たとえば、vSphere Replication の現在のバージョンが 8.8 の場合、ペアのサイトのサポート対象バージョンは 8.6 以降です。
vSphere Replication の機能
vSphere Replication により、ソース データセンターからターゲット サイトに仮想マシンを迅速かつ効率的にレプリケートできます。
ロード バランシングのニーズを満たすために、追加の vSphere Replication サーバをデプロイすることができます。
レプリケーション インフラストラクチャの設定後、異なる目標リカバリ ポイント (RPO) でレプリケートされる仮想マシンを選択することができます。[複数の時点] リテンション ポリシーを有効にすると、レプリケートした仮想マシンのインスタンスを 2 つ以上保存できます。リカバリ後、保持したインスタンスはリカバリした仮想マシンのスナップショットとして利用することができます。
レプリケーション構成時に、VMware vSAN データストアをターゲット データストアとして使用し、レプリカの仮想マシンとそのディスクのターゲット ストレージ プロファイルを選択することもできます。
サイト管理、追加レプリケーション サーバの登録、レプリケーションの監視および管理など、すべての vSphere Replication 機能を Site Recovery ユーザー インターフェイスで設定できます。
Site Recovery クライアント プラグイン
vSphere Replication アプライアンスにより、vSphere Client にプラグインが追加されます。プラグインは Site Recovery Manager とも共有され、Site Recovery という名前になります。
Site Recovery のクライアント プラグインを使用して、vSphere Replication のすべてのアクションを実行することができます。
- 同一の vCenter Single Sign-On に登録されているすべての vCenter Server インスタンスの vSphere Replication ステータスを表示します。
- Site Recovery ユーザー インターフェイスを開きます。
- レプリケーション用に構成されている仮想マシンの [サマリ] タブに表示されているレプリケーションの構成パラメータのサマリを確認します。
- 仮想マシンを選択し、コンテキスト メニューを使用して、1 台以上の仮想マシンのレプリケーションを再構成します。