ストレージ ポリシー保護を使用する場合は、ストレージ ポリシー保護グループを含むリカバリ プランを実行するときに、Site Recovery Manager によってインベントリ マッピングが仮想マシンに適用されます。

アレイベースの保護グループと vSphere Replication 保護グループを使用する場合は、仮想マシンで保護を構成した時点で、Site Recovery Manager によってインベントリ マッピングが適用されます。ストレージ ポリシー保護グループを使用する場合は、ストレージ ポリシー保護が動的に行われるため、リカバリ プランを実行した時点で、Site Recovery Manager によってインベントリ マッピングが適用されます。仮想マシン配置の決定は、リカバリ プラン実行時のインベントリ マッピングに応じて行われます。そのため、Site Recovery Manager によってリカバリ サイトにプレースホルダ仮想マシンが作成されることはありません。

リカバリ プランを実行すると、Site Recovery Manager によってストレージ ポリシー保護グループのインベントリ マッピングが適用されるため、ストレージ ポリシー保護グループに含まれる仮想マシンに対して個別にマッピングを構成することはできません。ストレージ ポリシー保護を使用してリカバリを実行する場合、Site Recovery Manager は常にサイト全体のインベントリ マッピングを使用します。インベントリ マッピングがない場合、テスト リカバリ、計画移行、およびストレージ ポリシー保護グループを含むリカバリ プランのディザスタ リカバリは失敗します。ストレージ ポリシー保護グループ内の仮想マシンを定期的にポーリングしてマッピングが失われていないかを確認し、マッピングの喪失が原因でストレージ ポリシー保護グループをリカバリできなくなる可能性がある場合は警告するように Site Recovery Manager を構成できます。マッピングが失われていないか定期的にポーリングするよう構成する方法については、レプリケーション設定の変更を参照してください。

注: ネットワーク マッピングはなくても他のマッピングがある状態でテスト リカバリを実行すると、 Site Recovery Manager は自動生成されたテスト ネットワークを使用します。テストは成功しますが警告が返されます。ネットワーク マッピングがないことを通知する警告付きでテスト リカバリが成功した場合は、ネットワーク マッピングを構成してテストをやり直してください。計画移行とディザスタ リカバリではテスト ネットワークは使用されないため、ネットワーク マッピングがないとこれらは失敗します。

マッピングがないことが原因でリカバリ プランに失敗したものの、保護サイトは使用可能な場合は、足りないマッピングを構成してリカバリ プランを再度実行してください。サイト全体のインベントリ マッピングの構成方法については、インベントリ マッピングの構成を参照してください。

リソース インベントリ マッピングおよびストレージ ポリシー保護グループ

動的な仮想マシンの保護の結果として、ストレージ ポリシー保護グループには、リソース インベントリ マッピングの設定方法に関する特定の要件と制限があります。
  • Site Recovery Manager では、ストレージ ポリシー保護グループによって保護されているデータストアをマウントした保護サイト上のすべての最上位レベルのコンピューティング リソース(クラスタまたは管理されていないホスト)に対して既存のリソース インベントリ マッピングが必要です。
  • Site Recovery Manager は、最上位レベルのコンピューティング リソース マッピングに基づいて、リカバリされたデータストアを表示する必要があるかどうかを決定し、リソース プールのリソース マッピングは考慮しません。
    • 親の最上位レベルのコンピューティング リソースにリソース マッピングがない場合、Site Recovery Manager はリソース プールに既存のマッピングを適用することはできません。
    • 保護サイトのリソース プールの別のリカバリ コンピューティング リソース階層への既存のマッピングは、その親と比較して、そのリソース プールの下にある仮想マシンのストレージをマッピングされたコンピューティング リソースに公開しません。
ストレージ ポリシー保護グループのリカバリを正常に行うには、リソース マッピングを作成するときに次のルールを遵守する必要があります。
  • ストレージ ポリシー保護グループによって保護されているデータストアをマウントした、保護されているすべての最上位レベルのコンピューティング リソース(クラスタまたは管理されていないホスト)に対してリソース マッピングを作成します。
  • リソース プール用の追加マッピングを作成する必要がある場合は、それらを、その親の最上位レベルの保護されたコンピューティング リソースのマッピング先である、同じ最上位レベルのリカバリ コンピューティング リソースの下のターゲットにマッピングします。たとえば、保護されたホストまたはクラスタ P がリカバリ ホストまたはクラスタ R や R の下のリカバリ リソース プールにマッピングされている場合は、P の下の保護されたすべてのリソース プールも、R または R の下のリカバリ リソース プールにマッピングする必要があります。

ストレージ ポリシー保護のための一時的なプレースホルダ マッピングについて

リカバリ プランを実行した時点で、Site Recovery Manager によってストレージ ポリシー保護用にインベントリ マッピングが適用されます。インベントリ マッピングを構成していない状態、またはマッピングしたオブジェクトが欠落している状態で、ストレージ ポリシー保護グループを含むリカバリ プランを実行すると、テスト リカバリ、計画移行、およびディザスタ リカバリは失敗します。

インベントリ マッピングは通常、保護サイトとリカバリ サイトを両方とも使用できる場合にのみ構成できます。マッピングがなく、保護サイトが使用できないことが原因で、ストレージ ポリシー保護グループを含むリカバリ プランが失敗した場合、足りないマッピングを通常の方法で構成することはできません。この状況を緩和するため、Site Recovery Manager は、マッピングがなく、保護サイトが使用できないことが原因でリカバリに失敗した場合に、一時的なプレースホルダ マッピングを作成します。一時的なプレースホルダ マッピングにより、足りないマッピングを構成できるため、保護サイトがオフラインのときに正常にリカバリを実行できます。一時的なプレースホルダ マッピングは、リカバリ プランに含まれる仮想マシンが配置された保護サイト上のインベントリ オブジェクトを識別するもので、完全なマッピングではありません。一時的なプレースホルダ マッピングには、リカバリ サイトのターゲット オブジェクトは含まれません。マッピングがなく、保護サイトが使用できないことが原因でリカバリが失敗し、Site Recovery Manager によって一時的なプレースホルダ マッピングが作成された場合は、一時的なプレースホルダ マッピングを完成させて、リカバリを正常に再実行できます。

一時的なプレースホルダ マッピングの構成方法については、一時的なプレースホルダ マッピングの構成を参照してください。