VMware Cloud Director 内の関連する組織仮想データセンター (VDC) ネットワークに接続された仮想マシンに Dynamic Host Configuration Protocol (DHCP) サービスを提供するように、Edge Gateway を構成します。

NSX ドキュメントで説明するとおり、NSX Edge Gateway 機能には、IP アドレスのプール化、1 対 1 の固定 IP アドレスの割り当て、および外部 DNS サーバ構成が含まれます。静的 IP アドレス バインディングは、管理対象オブジェクト ID と、要求側のクライアント仮想マシンのインターフェイス ID に基づきます。

NSX Edge ゲートウェイの DHCP サービスの特長は次のとおりです。
  • DHCP 検出のために Edge Gateway の内部インターフェイスで待機します。
  • すべてのクライアントのデフォルト ゲートウェイ アドレスとして、Edge Gateway の内部インターフェイスの IP アドレスを使用します。
  • コンテナ ネットワークに対し、内部インターフェイスのブロードキャストとサブネット マスクの値を使用します。
次の状況では、DHCP が割り当てられた IP アドレスを持つクライアント仮想マシンで DHCP サービスを再起動する必要があります。
  • DHCP プール、デフォルト ゲートウェイ、または DNS サーバを変更または削除した場合。
  • Edge ゲートウェイ インスタンスの内部 IP アドレスを変更した場合。
注: DHCP が有効な Edge Gateway 上の DNS 設定を変更すると、Edge Gateway は DHCP サービスの提供を停止します。この状況が発生した場合は、[DHCP プール] 画面の [DHCP サービスのステータス] トグルを使用して、その Edge Gateway の DHCP を無効にしてから再度有効にします。 VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal における NSX Data Center for vSphere Edge Gateway の DHCP IP プールの追加 を参照してください。

VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal における NSX Data Center for vSphere Edge Gateway の DHCP IP プールの追加

NSX Data Center for vSphere Edge Gateway の DHCP サービスに必要な IP プールを構成できます。DHCP は、組織仮想データセンター ネットワークに接続された仮想マシンへの IP アドレスの割り当てを自動化します。

NSX 管理ガイド』に説明されているとおり、DHCP サービスには IP アドレスのプールが必要です。IP プールとは、ネットワーク内の連続した IP アドレスの範囲です。アドレス バインディングを持たない Edge ゲートウェイによって保護されている仮想マシンには、このプールから IP アドレスが割り当てられます。IP プールの範囲が互いに交わることはないため、1 つの IP アドレスが属することができるのは 1 つの IP プールのみです。

注: DHCP サービスのステータスをオンにするには、少なくとも 1 つの DHCP IP プールを設定する必要があります。

手順

  1. Edge Gateway サービスを開きます。
    1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] タブを選択します。
    2. セカンダリの左側パネルで、[Edge Gateway] を選択します。
    3. ターゲット Edge Gateway の名前の横にあるラジオ ボタンをクリックして、[サービス] をクリックします。
  2. [DHCP] > [プール] の順に移動します。
  3. DHCP サービスが現在有効でない場合は、[DHCP サービスのステータス] の切り替えをオンにします。
    注: [DHCP サービスのステータス] の切り替えをオンにした後には、変更を保存する前に少なくとも 1 つの DHCP IP アドレス プールを追加します。画面に DHCP IP プールが表示されておらず、 [DHCP サービスのステータス] の切り替えをオンにして変更内容を保存する場合には、画面は切り替えがオフになって表示されます。
  4. DHCP プールで、[作成]追加ボタン)ボタンをクリックし、DHCP プールの詳細を指定して [保持] をクリックします。
    オプション 説明
    IP の範囲 IP アドレスの範囲を入力します。
    ドメイン名 DNS サーバのドメイン名。
    DNS の自動構成 この IP プールの DNS バインディングに DNS サービス構成を使用するには、この切り替えを有効にします。

    有効にすると、[プライマリ ネーム サーバ][セカンダリ ネーム サーバ][自動] に設定されます。

    プライマリ ネーム サーバ [DNS の自動構成] を有効にしない場合は、プライマリ DNS サーバの IP アドレスを入力します。

    この IP アドレスは、ホスト名 - IP アドレス解決のために使用されます。

    セカンダリ ネーム サーバ [DNS の自動構成] を有効にしない場合は、セカンダリ DNS サーバの IP アドレスを入力します。

    この IP アドレスは、ホスト名 - IP アドレス解決のために使用されます。

    デフォルト ゲートウェイ デフォルト ゲートウェイ アドレスを入力します。

    デフォルト ゲートウェイ IP アドレスを指定しない場合は、Edge ゲートウェイ インスタンスの内部インターフェイスがデフォルト ゲートウェイとして使用されます。

    サブネット マスク Edge Gateway インターフェイスのサブネット マスクを入力します。
    リースには有効期限がありません このプールから割り当てられた IP アドレスが、割り当てられている仮想マシンに永続的にバインドされるようにするには、この切り替えを有効にします。

    このオプションを選択すると、[リース時間] は無限に設定されます。

    リース時間 (秒) DHCP 割り当ての IP アドレスがクライアントにリースされる時間の長さ(秒単位)。

    デフォルトのリース時間は、1 日(86,400 秒)です。

    注: [リースには有効期限がありません] を選択すると、リース時間を指定することはできません。
  5. [変更を保存] をクリックします。

結果

VMware Cloud Director は、DHCP サービスを提供するために Edge ゲートウェイを更新します。

VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal での NSX Data Center for vSphere Edge Gateway への DHCP バインディングの追加

サービスが動作中の仮想マシンで、IP アドレスが変更されないようにする場合は、仮想マシンの MAC アドレスを IP アドレスにバインドできます。バインドする IP アドレスは、DHCP IP プールと重複しないようにしてください。

前提条件

バインディングを設定する仮想マシンの MAC アドレスを手元に控えておきます。

手順

  1. Edge Gateway サービスを開きます。
    1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] タブを選択します。
    2. セカンダリの左側パネルで、[Edge Gateway] を選択します。
    3. ターゲット Edge Gateway の名前の横にあるラジオ ボタンをクリックして、[サービス] をクリックします。
  2. [DHCP] > [バインディング] タブで [作成] ([追加] ボタン) ボタンをクリックして、バインディングの詳細を指定し、[保持] をクリックします。
    オプション 説明
    MAC アドレス IP アドレスにバインドする仮想マシンの MAC アドレスを入力します。
    ホスト名 仮想マシンが DHCP リースを要求するときに、その仮想マシンに設定するホスト名を入力します。
    IP アドレス MAC アドレスにバインドする IP アドレスを入力します。
    サブネット マスク Edge Gateway インターフェイスのサブネット マスクを入力します。
    ドメイン名 DNS サーバのドメイン名を入力します。
    DNS の自動構成 この DNS バインディングに DNS サービス構成を使用するには、この切り替えを有効にします。

    有効にすると、[プライマリ ネーム サーバ][セカンダリ ネーム サーバ][自動] に設定されます。

    プライマリ ネーム サーバ [DNS の自動構成] を選択しない場合は、プライマリ DNS サーバの IP アドレスを入力します。

    この IP アドレスは、ホスト名 - IP アドレス解決のために使用されます。

    セカンダリ ネーム サーバ [DNS の自動構成] を選択しない場合は、セカンダリ DNS サーバの IP アドレスを入力します。

    この IP アドレスは、ホスト名 - IP アドレス解決のために使用されます。

    デフォルト ゲートウェイ デフォルト ゲートウェイ アドレスを入力します。

    デフォルト ゲートウェイ IP アドレスを指定しない場合は、Edge ゲートウェイ インスタンスの内部インターフェイスがデフォルト ゲートウェイとして使用されます。

    リースには有効期限がありません IP アドレスがその MAC アドレスに永続的にバインドされるようにするには、この切り替えを有効にします。

    このオプションを選択すると、[リース時間] は無限に設定されます。

    リース時間 (秒) DHCP 割り当ての IP アドレスがクライアントにリースされる時間の長さ(秒単位)。

    デフォルトのリース時間は、1 日(86,400 秒)です。

    注: [リースには有効期限がありません] を選択すると、リース時間を指定することはできません。
  3. [変更を保存] をクリックします。

VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal での NSX Data Center for vSphere Edge Gateway の DHCP リレーの設定

VMware Cloud Director 環境の NSX が提供する DHCP リレー機能を使用することで、既存の DHCP インフラストラクチャでの IP アドレス管理を中断せずに、VMware Cloud Director 環境内で既存の DHCP インフラストラクチャを活用できます。

DHCP メッセージは、仮想マシンから、物理 DHCP インフラストラクチャにある指定された DHCP サーバにリレーされます。これにより、NSX ソフトウェアが制御する IP アドレスは、DHCP 制御された環境内にある他の IP アドレスと引き続き同期されます。

Edge Gateway の DHCP リレー構成では、複数の DHCP サーバをリストできます。要求は、リストされたすべてのサーバに送信されます。仮想マシンから DHCP 要求をリレーする間、Edge ゲートウェイはゲートウェイの IP アドレスを要求に追加します。外部 DHCP サーバはこのゲートウェイ アドレスを使用してプールを照合し、要求の IP アドレスを割り当てます。ゲートウェイ アドレスは、Edge Gateway のインターフェイスのサブネットに属している必要があります。

各 Edge ゲートウェイには異なる DHCP サーバを構成できるほか、各 Edge ゲートウェイでは、複数の IP アドレスのドメインに対応するため、複数の DHCP サーバを構成できます。

注:
  • DHCP リレーでは、重複する IP アドレス空間はサポートされません。
  • DHCP リレーと DHCP サービスを同じ vNIC で同時に実行することはできません。vNIC にリレー エージェントが構成されている場合、その vNIC のサブネットで DHCP プールを構成することはできません。詳細については、『 NSX 管理ガイド』を参照してください。

VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal での NSX Data Center for vSphere Edge Gateway の DHCP リレー構成の指定

VMware Cloud Director 環境内の NSX ソフトウェアにより、Edge Gateway は VMware Cloud Director 組織仮想データセンターの外部にある DHCP サーバに DHCP メッセージをリレーできます。Edge Gateway の DHCP リレー機能を設定できます。

NSX 管理ガイド』で説明するように、既存の IP アドレス セット、IP アドレスのブロック、ドメイン、またはこれらのすべての組み合わせを使用して、DHCP サーバを指定できます。DHCP メッセージは、指定した各 DHCP サーバにリレーされます。

少なくとも 1 つの DHCP リレー エージェントを設定する必要があります。DHCP リレー エージェントは、DHCP リクエストを外部 DHCP サーバにリレーする Edge ゲートウェイ上のインターフェイスです。

前提条件

IP セットを使用して DHCP サーバを指定する場合は、その IP セットを Edge Gateway がオブジェクトのグループ分けに使用できることを確認します。 VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal を使用したファイアウォール ルールと DHCP リレー設定で使用するための IP セットの作成を参照してください。

手順

  1. Edge Gateway サービスを開きます。
    1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] タブを選択します。
    2. セカンダリの左側パネルで、[Edge Gateway] を選択します。
    3. ターゲット Edge Gateway の名前の横にあるラジオ ボタンをクリックして、[サービス] をクリックします。
  2. [DHCP] > [リレー] の順に移動します。
  3. 画面に表示されるフィールドを使用して、IP アドレス、ドメイン名、または IP アドレス セットで DHCP サーバを指定します。
    [追加]追加ボタン)ボタンを使用して、既存の IP セットから利用できる IP セットを選択します。
  4. DHCP リレー エージェントを設定し、その設定を画面上のテーブルに追加するには、[追加]追加ボタン)ボタンをクリックし、vNIC とそのゲートウェイ IP アドレスを選択し、[保持] をクリックします。
    デフォルトで、ゲートウェイ IP アドレスは選択されている vNIC のプライマリ アドレスと一致します。デフォルトを保持できるほか、その vNIC で代替アドレスを使用可能な場合にはそれを選択できます。
  5. [変更を保存] をクリックします。