VMware Cloud Director 10.3.2 以降では、vGPU ポリシーを作成、管理し、Flex 割り当てモデルを使用する組織 VDC に公開できます。

NVIDIA GRID vGPU は NVIDIA のグラフィック アクセラレーション テクノロジーで、これを使用すると複数の仮想デスクトップで 1 つのグラフィック処理ユニット (GPU) を共有できます。x86 ホストにインストールされた NVIDIA GRID カードを使用すると、vSphere 6.x 以降で実行されているデスクトップおよびアプリケーション仮想化ソリューションでは、非ハードウェア アクセラレーション環境よりも高いパフォーマンスでアプリケーション グラフィックスをレンダリングできます。この機能は、製造現場の設計者、アーキテクト、工学研究所、高等教育、石油およびガスの探査、医療機関の医師、高度な 2D および 3D グラフィカル インターフェイスへのアクセスを必要とするパワー ユーザーやナレッジ ワーカーなど、グラフィックスを多用するユースケースに役立ちます。

[インフラストラクチャ リソース] で、仮想グラフィック処理ユニット (vGPU) 機能を備えた vCenter クラスタから VMware Cloud Director がロードする [vGPU プロファイル] を確認できます。各プロファイルは、vGPU のタイプを表します。vGPU プロファイルを使用して、テナントが仮想マシンに使用できる vGPU ポリシーを作成できます。NVIDIA vGPU プロファイルにより、使用可能なメモリ全体から各仮想マシンに割り当てることができる固定共有リソースの数が決まります。

vGPU ポリシーは、グローバル レベルまたはプロバイダ レベルで作成および管理します。ポリシーごとに、Flex 割り当てモデルを使用する 1 つ以上の組織 VDC に公開できます。

VMware Cloud Director での vGPU プロファイル情報の表示と管理

プロバイダ VDC のリソース プールをバッキングするクラスタ内のホストに vGPU 機能が備わっている場合、VMware Cloud Director は vGPU プロファイル情報を vCenter からロードします。vGPU プロファイル情報を表示、編集、削除できます。

vGPU ポリシーの作成時に vGPU プロファイルを選択します。vGPU ポリシーを公開すると、ポリシーに追加した vGPU プロファイルの名前と指示がテナントに表示されます。

手順

  1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [インフラストラクチャ リソース] を選択します。
  2. 左側のパネルで [vGPU プロファイル] を選択します。
  3. vGPU プロファイル名の横にあるラジオ ボタンをクリックし、[編集] をクリックします。
  4. (オプション) テナント側の名前を編集します。
  5. (オプション) テナント側の指示を編集します。
    NVIDIA GRID vGPU のリリース ノート ドキュメントへのリンクなど、追加の指示をテナントに提供できます。
  6. [保存] をクリックします。
  7. vGPU プロファイルを削除するには、vGPU プロファイル名の横にあるラジオ ボタンをクリックし、[削除] をクリックします。
    vGPU プロファイルを削除するオプションは、基盤となるインフラストラクチャ内で有効でないこと、およびいずれの vGPU ポリシーでも使用されていないことがシステムによって検出された vGPU プロファイルに対して表示されます。
  8. 使用する vGPU プロファイル メトリックを表示するには、プロファイルの名前をクリックすると、[使用メトリック] に、このプロファイルが使用されている場所の詳細が表示されます。
    vGPU プロファイルを使用する仮想マシンと vApp の名前、使用数、ポリシー名、組織、組織 VDC 情報を確認できます。

VMware Cloud Director での vGPU ポリシーの作成

VMware Cloud Director 10.3.2 以降では、vGPU リソースを必要とする仮想マシンの配置とサイジングの設定を定義するために、vGPU ポリシーを作成できます。

前提条件

1 台以上の vCenter ホストに NVIDIA グラフィック デバイスが接続され、必要なすべての vSphere インストール バンドル (VIB) がホストにインストールされていることを確認します。

手順

  1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] を選択します。
  2. [vGPU ポリシーの作成] ウィザードに移動します。
    • 左側のパネルで [vGPU ポリシー] を選択し、[新規] をクリックします。
      1. 左側のパネルで [プロバイダ VDC] を選択します。
      2. vGPU 機能を示す NVIDIA アイコンが付いているプロバイダ VDC の名前をクリックします。
      3. [ポリシー][vGPU] を選択し、[新規] をクリックします。
  3. [vGPU ポリシーの作成] ウィザードの [全般] 画面で、vGPU ポリシー名と、オプションで説明を入力します。
  4. [次へ] をクリックします。
  5. このポリシーに関連付けられている vGPU プロファイルと PCI デバイス数を選択し、[次へ] をクリックします。
    数を選択すると、このポリシーを使用して作成する仮想マシンに接続できる PCI デバイスの数が選択されます。
  6. このポリシーにアクセスできるプロバイダ VDC クラスタを選択し、[次へ] をクリックします。
    [プロバイダ VDC] タブからウィザードに移動した場合は、選択したプロバイダ VDC のみが表示されます。 [いいえ] を選択すると、すべてのプロバイダ VDC クラスタがアクセスできるグローバル vGPU ポリシーが作成されます。
  7. ホストまたはホスト グループ上での仮想マシンの配置を定義する場合は、[はい] を選択し、1 つ以上の仮想マシン グループを選択します。

    仮想マシン グループは、ホスト グループへの直接のアフィニティを持ち、アフィニティを持つホスト グループを表します。

    1 つのクラスタに 1 つの仮想マシン グループを選択できます。

  8. [次へ] をクリックします。
  9. 仮想マシンのコンピューティング リソースの割り当てを定義する場合は、[はい] を選択し、[次へ] をクリックします。
    1. ポリシーに適用する CPU 割り当て設定を選択し、[次へ] をクリックします。
    2. ポリシーに適用するメモリ割り当て設定を選択し、[次へ] をクリックします。
      注: メモリ予約保証は常に 100% にする必要があります。
    3. 他の仮想マシン設定を extraConfig パラメータとして構成し、[次へ] をクリックします。
      Extra Configurations VDC コンピューティング ポリシーの属性は、仮想マシンに追加の構成値として適用される、キーと値のペア間のマッピングです。
  10. vGPU ポリシーの設定を確認し、[完了] をクリックします。

VMware Cloud Director での組織 VDC への vGPU ポリシーの追加

VMware Cloud Director Service Provider Admin Portal では、vGPU ポリシーを作成しても、テナントには表示されません。vGPU ポリシーをテナントで使用できるようにするには、そのポリシーを組織 VDC に公開します。

vGPU ポリシーを組織 VDC に公開すると、そのポリシーがテナントに表示されるようになります。テナントは、新しいスタンドアローン仮想マシンの作成またはテンプレートからの仮想マシンの作成、仮想マシンの編集、vApp への仮想マシンの追加、および vApp テンプレートからの vApp の作成を行うときに、ポリシーを選択できます。テナントで使用可能な vGPU ポリシーを削除することはできません。

前提条件

  • 環境内に 1 つ以上の組織 VDC があることを確認します。VMware Cloud Director での組織仮想データセンターの作成を参照してください。
  • 1 つ以上の vGPU ポリシーがあることを確認します。『VMware Cloud Director での vGPU ポリシーの作成』を参照してください。
  • vGPU ポリシーの公開先となる組織 VDC が、Flex 割り当てモデルを使用していることを確認します。
  • vGPU ポリシーの公開先となる組織 VDC が、vGPU ポリシーで範囲指定されたプロバイダ VDC に属していることを確認します。または、公開する vGPU ポリシーがグローバルで、プロバイダ VDC の範囲がないことを確認します。

手順

  1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] を選択します。
  2. セカンダリの左側パネルで [組織 VDC] を選択します。
  3. 組織 VDC を選択し、[ポリシー][vGPU] タブを選択します。
  4. [追加] をクリックします。
  5. 組織 VDC に追加する vGPU ポリシーを選択し、[OK] をクリックします。

次のタスク

  • ポリシーを選択し、[削除] をクリックしてポリシーを公開解除します。
  • vGPU ポリシーを選択し、[デフォルトとして設定] をクリックして、仮想マシンおよび vApp の作成中や仮想マシンの編集中に、テナントのデフォルトの選択肢としてそのポリシーが表示されるようにします。組織 VDC に対して複数の vGPU ポリシーが公開されている場合、テナントはデフォルトのポリシーとは異なるポリシーを選択できます。

VMware Cloud Director からの vGPU ポリシーの削除

vGPU ポリシーがテナントに公開されていない場合は、VMware Cloud Director のプロバイダ VDC から削除できます。

前提条件

  • vGPU ポリシーが組織 VDC に追加されていないことを確認します。テナントで使用可能な vGPU ポリシーは削除できません。

手順

  1. プライマリの左側ナビゲーション パネルで [リソース] を選択し、画面上部のナビゲーション バーで [クラウド リソース] を選択します。
  2. セカンダリの左側パネルで [プロバイダ VDC] を選択します。
  3. リストからプロバイダ VDC を選択します。
  4. [ポリシー] で、[vGPU] タブを選択し、vGPU ポリシーの横にあるラジオ ボタンを選択します。
  5. [削除] をクリックします。