VMware Cloud Director では、コンピューティング ワークロードをネットワーク ワークロードから隔離するために Edge クラスタ オブジェクトがサポートされています。Edge クラスタは、vSphere リソースプールと、組織仮想データセンターの Edge Gateway 専用のストレージ ポリシーで構成されます。プロバイダ仮想データセンターは、Edge クラスタ専用のリソースを使用できず、Edge クラスタはプロバイダ仮想データセンター専用のリソースを使用できません。

Edge クラスタには専用の L2 ブロードキャスト ドメインが用意されていて、これにより VLAN のスプロールを抑え、ネットワークのセキュリティおよび隔離を確実に実現できます。たとえば、Edge クラスタに物理ルーターとのピアリング用の追加の VLAN を含めることができます。

作成できる Edge クラスタ数に制限はありません。Edge クラスタを組織仮想データセンターに割り当てる場合は、プライマリ Edge クラスタまたはセカンダリ Edge クラスタとして割り当てることができます。

  • 組織仮想データセンターのプライマリ Edge クラスタは、組織 VDC Edge Gateway のメインの Edge アプライアンスとして使用されます。
  • Edge Gateway が HA モードになっている場合は、組織仮想データセンターのセカンダリ Edge クラスタがスタンバイ Edge アプライアンスとして使用されます。

複数の組織仮想データセンターで Edge クラスタを共有することも、独自の専用 Edge クラスタを設定することもできます。

vCloud Director 9.7 以降では、メタデータを使用して Edge Gateway の配置を制御する以前のプロセスは廃止されています。ナレッジベースの記事 KB2151398 を参照してください。

これらの Edge Gateway を再デプロイすることで、レガシーの Edge Gateway を新しく作成された Edge クラスタに移行できます。VMware Cloud Director での Edge Gateway の再デプロイを参照してください。

Edge クラスタの環境の準備

  1. vSphere で、ターゲット Edge クラスタのリソース プールを作成します。

    組織仮想データセンターで VLAN ネットワーク プールが使用されている場合は、この組織仮想データセンターの VLAN ネットワーク プールおよび Edge クラスタが同じ vSphere Distributed Switch に配置されている必要があります。

  2. 組織仮想データセンターで VXLAN ネットワーク プールが使用されている場合は、NSX で、VXLAN トランスポート ゾーンに Edge クラスタを追加し、その後で VMware Cloud Director の VXLAN ネットワーク プールを同期します。
  3. vSphere で、Edge クラスタ ストレージ プロファイルを作成します。

Edge クラスタの作成と管理

環境の準備を行った後に、Edge クラスタを作成および管理するには、VMware Cloud Director OpenAPI の EdgeClusters メソッドを使用する必要があります。「VMware Cloud Director OpenAPI スタート ガイド」を参照してください。

Edge クラスタを表示するには、Edge クラスタの表示権限が必要です。Edge クラスタの作成、更新、および削除には、Edge クラスタの管理権限が必要です。

Edge クラスタを作成するときに、名前、vSphere リソース プール、およびストレージ プロファイル名を指定します。

Edge クラスタを作成した後で、名前と説明を変更できます。含まれている Edge ゲートウェイを削除または移動した後で、Edge クラスタを削除できます。

組織仮想データセンターへの Edge クラスタの割り当て

Edge クラスタを作成した後で、組織仮想データセンター ネットワーク プロファイルを更新して、この Edge クラスタを組織仮想データセンターに割り当てることができます。Edge クラスタを組織仮想データセンターに割り当てる場合は、プライマリ Edge クラスタまたはセカンダリ Edge クラスタとして割り当てることができます。

セカンダリ Edge クラスタを割り当てない場合は、HA モードの Edge Gateway のスタンバイ Edge アプライアンスがプライマリ Edge クラスタにデプロイされますが、プライマリ Edge アプライアンスを実行しているホストとは異なるホストに配置されます。

組織仮想データセンター ネットワーク プロファイルを更新、表示、および削除するには、VMware Cloud Director OpenAPI の VdcNetworkProfile メソッドを使用する必要があります。「VMware Cloud Director OpenAPI スタート ガイド」を参照してください。

考慮事項:
  • プライマリおよびセカンダリ Edge クラスタは、同じ vSphere Distributed Switch に配置する必要があります。
  • 組織仮想データセンターで VXLAN ネットワーク プールが使用されている場合、NSX トランスポート ゾーンはコンピューティング クラスタと Edge クラスタにまたがって配置されている必要があります。
  • 組織仮想データセンターで VLAN ネットワーク プールが使用されている場合、Edge クラスタおよびコンピューティング クラスタは同じ vSphere Distributed Switch に配置されている必要があります。

組織仮想データセンターのプライマリ Edge クラスタまたはセカンダリ Edge クラスタを再度更新して既存の Edge Gateway を新しいクラスタに移動する場合、この Edge Gateway を再デプロイする必要があります。VMware Cloud Director での Edge Gateway の再デプロイを参照してください。