VMware Cloud Director Tenant Portalを使用すると、名前付きディスクの作成と管理、組織仮想データセンター (VDC) ストレージ ポリシーの確認、ストレージ エンティティのストレージ ポリシー間の移行を行うことができます。

VMware Cloud Director Tenant Portal での名前付きディスクの作成と使用

名前付きディスクは、組織仮想データセンター (VDC) 内に作成されたスタンドアローンの仮想ディスクです。組織管理者および必要な権限を持つユーザーは、名前付きディスクの作成、削除、更新や、仮想マシンへの接続ができます。

名前付きディスクを作成すると、仮想マシンではなく組織 VDC に関連付けられます。VDC 内にディスクを作成した後、ディスクの所有者または管理者はディスクを VDC 内にデプロイされた任意の仮想マシンに接続できます。VMware Cloud Director API で組織 VDC 共有名前付きディスク:作成の権利がある場合、またはユーザー インターフェイスで共有ディスクの作成の権利がある場合は、複数の仮想マシンに接続できる共有名前付きディスクを作成できます。ディスクの所有者はディスク プロパティの変更、仮想マシンからの切断、および VDC からの削除を行うこともできます。システム管理者組織管理者は、ディスクの所有者と同じ権限を持ち、ディスクを使用および変更することができます。

名前付きディスクの共有は、2 種類から選択できます。
  • ディスク 共有タイプは、マルチライター モードが有効な vSphere に基盤となる独立したパーシステント ディスクを作成します。マルチライター オプションでは名前付きディスクをディスク レベルで共有し、最大 8 台のホスト間の複数の仮想マシンが同時にロックできるようにします。ディスク レベルの共有では、Windows Server Failover Cluster (WSFC) 構成は使用できません。
  • コントローラ 共有タイプでは、物理 SCSI バス共有を使用する共有ディスクを作成し、WSFC のような構成をサポートします。コントローラ レベルの共有では、最大 8 台の仮想マシンが同一の仮想ディスクに同時にアクセスできます。Windows クラスタには、最大で 5 台の仮想マシンを含めることができます。同時書き込みを回避するために、ゲスト OS 機能は共有ディスクに書き込み可能なノードを選択します。

名前付きディスクを接続すると、仮想マシンのスナップショットを作成できなくなります。共有ディスクが仮想マシンに接続されている場合は、仮想マシンの詳細ビューからそのハード ディスクの設定を編集できません。また、vCenter の制限により、共有ディスクを暗号化することはできません。

組織 VDC に仮想マシン暗号化が有効なストレージ ポリシーがある場合、仮想マシンとディスクは、仮想マシンの暗号化機能を備えたストレージ ポリシーに関連付けることによって暗号化できます。VMware Cloud Director での仮想マシンの暗号化を参照してください。

VMware Cloud Director での名前付きディスクの作成

VMware Cloud Director Tenant Portal で名前付きディスクを作成し、後の段階で 1 台以上の仮想マシンに接続することができます。

名前付きディスクを作成するには、名前とサイズを指定する必要があります。必要に応じて説明を追加し、ディスクで使用するストレージ プロファイルを選択できます。複数の仮想マシンに接続可能な共有ディスクを作成できます。

基盤となる vSphere 仮想インフラストラクチャがバージョン 6.7 以降の場合、物理 SCSI バスの共有を使用した共有ディスクを作成できます。ただし、vSphere 6.7 は vSphere Virtual Volumes ストレージのみをサポートします。Windows Server Failover Cluster (WSFC) のクラスタ化 VMDK のサポートを使用するには、基盤となる vSphere 仮想インフラストラクチャがバージョン 7.0 以降である必要があります。詳細については、「VMware vSphere 製品ドキュメント」の「Windows Server フェイルオーバー クラスタリングのセットアップ」を参照してください。

[名前付きディスクの作成] ダイアログ ボックスを使用して、名前付きディスクを作成し、その設定を指定できます。

前提条件

  1. 組織管理者またはディスク所有者権限を持つロールでログインしていることを確認します。
  2. 共有ディスクを作成する場合は、共有ディスクの作成権限が必要です。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルの [ストレージ] から [名前付きディスク] を選択します。
  2. [新規] をクリックします。
  3. ディスクの名前と、必要に応じて説明を入力します。
  4. [ストレージ ポリシー] ドロップダウン メニューから、ストレージ ポリシーを選択します。
  5. (オプション) VMware Cloud Director IOPS ストレージ ポリシーを選択した場合は、仮想マシンの IOPS 予約を設定します。
  6. 名前付きディスクのサイズを入力します。
  7. [バス タイプ] および [バス サブタイプ] ドロップダウン メニューでバス タイプおよびサブタイプをそれぞれ選択します。
  8. [共有タイプ] を選択します。
    • 共有タイプが [なし] の場合、ディスクを接続できる仮想マシンは 1 台のみです。
    • [ディスク] 共有タイプは、マルチライター モードが有効な vSphere に基盤となる独立したパーシステント ディスクを作成します。マルチライター オプションでは名前付きディスクをディスク レベルで共有し、ホスト間で最大 8 台の仮想マシンが同時にロックできるようにします。WSFC 構成はディスク レベルの共有と同時に使用できません。
    • [コントローラ] 共有タイプでは、物理 SCSI バス共有を使用する共有ディスクを作成し、WSFC のような構成をサポートします。コントローラ レベルの共有では、最大 8 台の仮想マシンが同一の仮想ディスクに同時にアクセスできます。Windows クラスタには、最大で 5 台の仮想マシンを含めることができます。同時書き込みを回避するために、ゲスト OS 機能は共有ディスクに書き込み可能なノードを選択します。
    この設定を後で編集することはできません。
  9. [保存] をクリックします。

名前付きディスクの編集

VMware Cloud Director Tenant Portal で名前付きディスクを作成した後に、ディスクの名前、説明、ストレージ ポリシー、およびサイズを変更できます。

名前付きディスクの [共有可能] 設定は編集できません。

前提条件

  1. 組織管理者ロール、またはディスク所有者の権限が必要です。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルの [ストレージ] から [名前付きディスク] を選択します。
  2. 変更するディスクを選択し、そのディスクからすべての仮想マシンを接続解除します。
  3. [編集] をクリックし、名前付きディスクの設定を変更します。
  4. [保存] をクリックします。

次のタスク

仮想マシンへの VMware Cloud Director 名前付きディスクの接続または接続解除

仮想マシンへの VMware Cloud Director 名前付きディスクの接続または接続解除

VMware Cloud Director Tenant Portal で VDC 内に名前付きディスクを作成した後に、そのディスクを VDC にデプロイされている任意の仮想マシンに接続できます。共有された名前付きディスクを複数の仮想マシンに接続できます。名前付きディスクを接続解除することもできます。

前提条件

組織管理者ロール、またはディスク所有者の権限が必要です。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルの [ストレージ] から [名前付きディスク] を選択します。
  2. 仮想マシンに接続する名前付きディスクの名前の横にあるラジオ ボタンをクリックして、[接続] をクリックします。
  3. ドロップダウン メニューから名前付きディスクを接続する仮想マシンを選択し、[適用] をクリックします。
  4. 共有ディスクに別の仮想マシンを接続する場合は、手順 2 および手順 3 を繰り返します。
  5. 名前付きディスクを接続解除する場合は、ディスクの名前の横にあるラジオ ボタンを選択し、[接続解除] をクリックします。
    接続されたディスクの仮想マシンを vSphere で削除すると、 VMware Cloud Director でのディスク状態が破損し、ディスクの接続解除や削除ができなくなります。これらのディスクを接続解除するには、 [強制的に接続解除] オプションを選択します。

名前付きディスクの削除

VMware Cloud Director Tenant Portal に名前付きディスクが不要な場合は、削除できます。

前提条件

組織管理者ロール、またはディスク所有者の権限が必要です。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する VDC のカードをクリックし、セカンダリの左側パネルの [ストレージ] から [名前付きディスク] を選択します。
  2. 削除するディスクを選択して、[削除] をクリックします。
  3. [OK] をクリックします。

VMware Cloud Director Tenant Portal でのストレージ ポリシーのプロパティの確認

ストレージ ポリシーおよびストレージ ポリシーの詳細を確認できます。

前提条件

組織管理者または同等の権限セットを持つロールとしてログインしていることを確認します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する仮想データセンターのカードをクリックします。
  2. [ストレージ][ストレージ ポリシー] をクリックします。
    使用可能なストレージ ポリシーのリストが表示されます。
  3. ストレージ ポリシーの詳細を表示するには、ストレージ ポリシーの名前をクリックします。
  4. [全般] タブおよび [メタデータ] タブで詳細を確認し、[OK] をクリックします。
    ストレージ ポリシーの名前、制限、IOPS 設定、およびメタデータの詳細を確認できます。

VMware Cloud Director Tenant Portalを使用したストレージ ポリシー エンティティの移行

VMware Cloud Director 10.5.1 以降では、2 つのストレージ ポリシーをマージする場合、またはストレージ ポリシーを削除する前にストレージ エンティティを一括で再割り当てする場合は、1 つ以上のストレージ ポリシー エンティティを 1 つのポリシーから別のポリシーに移行できます。

前提条件

  • 組織にストレージの移行権限があることを確認します。
    ストレージの移行権限を公開するには、次の手順を実行する必要があります。
    1. サービス プロバイダは、組織のデフォルトの権限バンドルにストレージの移行権限を追加する必要があります。
    2. サービス プロバイダは、権限バンドルを組織に再公開する必要があります。
    3. いったんログアウトした後、組織管理者または同等の権限セットを持つロールとしてログインする必要があります。
  • 組織管理者または同等の権限セットを持つロールとしてログインしていることを確認します。

  • 組織 VDC に 2 つ以上のストレージ ポリシーがあることを確認します。

手順

  1. [仮想データセンター] ダッシュボード画面で、確認する仮想データセンターのカードをクリックします。
  2. 左側パネルの [ストレージ] で、[ストレージ ポリシー] を選択します。
  3. 対象のストレージ ポリシーの名前の横にあるラジオ ボタンをクリックして、[ストレージの移行] をクリックします。
  4. 移行するエンティティのタイプを選択します。
    移行する対象として、名前付きディスク、カタログ メディア、および仮想マシン (VM) を選択できます。
  5. エンティティの移行先のストレージ ポリシーを選択します。
  6. [移行] をクリックします。

結果

選択したエンティティに割り当てられたストレージ ポリシーがターゲット ストレージ ポリシーに変更されます。