VMware Skyline™ Health Diagnostics™ を使用して、VMware Cloud Foundation の管理コンポーネントに関する診断データを収集できます。

サポートされる Skyline Health Diagnostics バージョン

VMware Cloud Foundation 5.0 は、Skyline Health Diagnostics 4.0.1 と互換性があります。「 Skyline Health Diagnostics リリース ノート」を参照してください。

Skyline Health Diagnostics の概要

データセンターの健全性を管理することで、潜在的な問題が大きな問題になる前に特定することが可能になり、アップタイムを確保し、ダウンタイムを回避するための措置を事前に講じることができます。

Skyline Health Diagnostics は、次の操作に役立つセルフサービス診断および健全性プラットフォームです。

  • 障害や既知の問題を診断して検出し、関連するナレッジベースの記事または修正手順を提案。
  • 健全性チェックの実行。
  • VMware セキュリティ アドバイザリと関連する対策の適用性の把握。
  • 製品のサービス可用性、更新、およびアップグレードに影響を与える可能性のある問題の特定。

Skyline Health Diagnostics のメリットと VMware Skyline™ Advisor との比較については、VMware ナレッジベースの記事 KB819313 を参照してください。

VMware Cloud Foundation での Skyline Health Diagnostics の使用

VMware Skyline Health Diagnostics を仮想アプライアンスとして VMware Cloud Foundation 環境の管理ドメインに展開し、アプライアンスを管理ネットワークに接続します。

図 1. VMware Cloud Foundation 向けの Skyline Health Diagnostics の論理設計

Skyline Health Diagnostics は、VMware Cloud Foundation の管理コンポーネントからテレメトリ データをプルします。Skyline Health Diagnostics は、VMware Cloud からシグネチャとパッチ情報をプルします。ユーザー インターフェイスまたは API を使用したアクセスがサポートされます。

Skyline Health Diagnostics の接続と分析モードおよびログ バンドルのアップロード モードを使用して、VMware Cloud Foundation 環境の健全性チェック レポートを実行します。「サポート対象製品、分析モード、チェックの概要」を参照してください。

Skyline Health Diagnostics を使用すると、VMware Cloud Foundation 環境で次の操作を実行できます。

  • VMware Cloud Foundation で SDDC Manager に直接接続してログを収集することにより、管理ドメインと VI ワークロード ドメインの診断、アップグレードの事前チェックの評価、健全性チェックを実行します。
  • ログ バンドルを手動でアップロードおよび分析します。
    VMware Cloud Foundation で ESXi ホストまたは管理コンポーネントに問題が発生した場合は、ログ バンドルをダウンロードし、診断プラットフォームを使用して分析できます。プラットフォームには、問題を検出するための多くのシグネチャが含まれており、シグネチャがログ ファイル内の情報と一致すると、通知を受け取ります。VMware は 2 週間ごとにシグネチャを公開しており、これらのシグネチャを環境内でダウンロードできます。
  • レポート形式で分析結果を表示します。

VMware Cloud Foundation での Skyline Health Diagnostics のインストール、構成、および操作

Skyline Health Diagnostics は、組織の要件とベスト プラクティスに従って VMware Cloud Foundation で展開および構成します。また、Skyline Health Diagnostics を使用して、プロアクティブな問題の検出、自動ログ収集、インフラストラクチャのインテリジェント分析を行います。

Skyline Health Diagnostics の導入

Skyline Health Diagnostics を展開するには、使用する環境が特定の要件を満たしている必要があります。Skyline Health Diagnostics 仮想マシンを VMware Cloud Foundation の管理ドメインに配置し、それを管理 VLAN に接続して、SDDC Manager と同じネットワーク上に配置して直接通信できるようにします。

表 1. VMware Cloud Foundation での Skyline Health Diagnostics の展開ワークフロー

タスクの順序

タスク 説明

1.

インストール要件

  • 管理ドメインのアプライアンス用に、十分なコンピューティング リソースを用意します。

  • 管理ネットワークで、静的に割り当てられた IP アドレスとホスト名を Skyline Health Diagnostics アプライアンスに割り当てて、環境の安定性を確保し、メンテナンスと追跡を簡素化します。

2.

VMware Skyline Health Diagnostics の仮想アプライアンス OVA のダウンロード

Skyline Health Diagnostics をインストールする前に、オンライン ユーザーとオフライン ユーザー向けに、VMware Customer Connect ポータル サイトからアプライアンス OVA イメージをダウンロードする必要があります。

3.

OVA イメージを使用した VMware Skyline Health Diagnostics の展開

Skyline Health Diagnostics アプライアンスを、管理ドメインのデフォルトの vSphere クラスタに展開します。展開ウィザードで、管理ネットワークの管理 vSAN データストアとポート グループを選択します。Skyline Health Diagnostics アプライアンスに、静的に割り当てられた IP アドレスとホスト名を指定します。必要に応じて、SDDC 管理コンポーネントの仮想マシンを含む仮想マシン フォルダに、アプライアンスを配置できます。

4.

ポートとプロトコル

Skyline Health Diagnostics アプライアンスは、特定のプロトコルとポートを介して、クラウドへの受信および送信接続を確立します。この通信を許可するようにファイアウォールが構成されていることを確認します。

5.

スケール制限

効率的な操作のため、Skyline Health Diagnostics のスケールと構成可能な上限を考慮してください。

Skyline Health Diagnostics の設定

Skyline Health Diagnostics の管理タスクを実行して、これが本番環境のセットアップで動作すること、および組織やユーザーのニーズを満たしていることを確認します。たとえば、ユーザー アカウントやアクセス レベルの作成や管理、SSL 証明書の管理、VMware Cloud Foundation の健全性チェックのスケジュール設定などです。

表 2. VMware Cloud Foundation のための Skyline Health Diagnostics の構成ワークフロー
タスク 説明
カスタマー エクスペリエンス向上プログラムへの参加

(オプション)Skyline Health Diagnostics の VMware カスタマー エクスペリエンス向上プログラム (CEIP) への参加を選択できます。CEIP の詳細、およびその内容を VMware がどのような目的で使用するかについては、Trust & Assurance (http://www.vmware.com/solutions/trustvmware/ceip.html) を参照してください。

ユーザー アカウントの追加

(オプション)Skyline Health Diagnostics には、組み込み管理アカウント shd-admin が 1 つあります。ユーザー管理タスクを実行する権限があるのは、管理者ロールを持つユーザーのみです。

VMware Cloud Foundation の vCenter Single Sign-On ドメインに追加された ID ソースからユーザーを追加したり、制限付き権限を持つオペレータ アカウントを追加したりできます。
SSL 証明書の管理

(オプション)Skyline Health Diagnostics アプライアンスのデフォルトの自己署名 SSL 証明書を、信頼できる証明書に置き換えます(組織のセキュリティ ポリシーで求められる場合)。

  1. カスタム証明書の要件

  2. 証明書署名リクエストの生成

  3. 自己署名証明書からカスタム証明書への置き換え

パスワード ローテーションとアカウント ロックアウトのポリシーの構成

(オプション)Skyline Health DiagnosticsVMware Cloud Foundation の自動化の一部ではないため、Skyline Health Diagnostics のパスワード ローテーションとアカウントのポリシーは手動で構成します。その結果、SDDC Manager を使用して、Skyline Health Diagnostics のパスワード ローテーションをスケジュール設定することはできません。Skyline Health Diagnostics のパスワードは、有効期限が切れる前にローテーションする必要があります。また、ベスト プラクティスとして、組織の要件に応じて、パスワードの複雑さを設定します。

プロキシ設定の管理

(オプション)Skyline Health Diagnostics の最新のソフトウェア アップデートをダウンロードするように、プロキシ設定を構成します。

健全性チェックのスケジュール設定

スケジューラ機能を使用して、VMware Cloud Foundation 環境の健全性の定期的なスキャンをスケジュール設定し、健全であることを確認します。健全性チェックは、毎日、毎週、および毎月の間隔でスケジュール設定できます。

VI ワークロード ドメインを VMware Cloud Foundation 環境に追加する場合は、指定されたスケジュール設定ジョブを更新します。

Skyline Health Diagnostics の操作

Skyline Health Diagnostics で生成されたレポートとアラートを定期的にチェックして、VMware Cloud Foundation 環境の潜在的な問題や改善が可能な領域を特定します。診断の推奨事項を適用して、特定された問題を解決し、展開のパフォーマンスを最適化します。

VMware が提供する利用可能なアップデートやパッチを適用して、Skyline Health Diagnostics ソフトウェアを最新の状態に保ちます。

表 3. VMware Cloud Foundation での Skyline Health Diagnostics の操作

タスク

説明

VMware 互換性ガイド (VCG) の更新情報の確認およびダウンロード

オンライン モード。VMware 互換性ガイド (VCG) にある最新の更新情報(vSAN HCL データベースの更新状態チェック)、および ESXi ホスト、ハードウェア、I/O デバイスについてリリースされた更新情報を使用して、Skyline Health Diagnostics を最新の状態に保ちます。

ソフトウェア アップデートの確認、ダウンロード、およびインストール

オンライン モード。Skyline Health Diagnostics は、インターネットから最新バージョンに更新またはアップグレードできます。

オフライン モード。Skyline Health Diagnostics アプライアンスにインターネット接続がない場合は、VMware Skyline Health Diagnostics のオフライン パッチ バンドルを使用して更新プロセスを完了します。

注:

オフライン パッチ バンドルを使用して Skyline Health Diagnostics を更新すると、VCG データベースも更新されます。

VMware Cloud Foundation 分析の作成および実行

分析モード:接続および分析。VMware Cloud Foundation のさまざまな健全性チェックを作成して実行して、問題の詳細なリストを生成します。

オフライン ログ バンドル ベースの分析

分析モード:ログ バンドルのアップロード。SDDC Manager に既存の診断ログ バンドルがある場合は、それを Skyline Health Diagnostics にアップロードして問題分析に使用できます。

VMware Cloud Foundation のログ バンドルを生成するには、SDDC Manager アプライアンス コンソールで SoS ユーティリティを使用します。ユーティリティのオプションを使用して、収集されたログ情報を含む ZIP ファイルを生成します。VMware Cloud Foundation システムのログの収集を参照してください。

VMware Skyline Health Diagnostics での分析レポートの表示

Skyline Health Diagnostics は、アップロードまたは収集されたログ バンドルを分析した後、すべての調査結果を記載した詳細な診断レポートを生成します。レポートは、すぐに表示することも、後で参照できるように保存することもできます。

VMware Skyline Health Diagnostics の診断レポートの解釈

診断レポートには、分析内容と調査結果が、階層型のサマリで複数のセクションに分けて表示されます。

VMware Cloud Foundation 健全性チェック レポートの解釈

Skyline Health Diagnostics のすべての診断レポートにある一般的な詳細情報に加えて、VMware Cloud Foundation の診断レポートには、管理ドメインと VI ワークロード ドメインで実行された健全性チェックの結果が含まれます。

通知設定の管理

通知設定を使用して、スケジュール設定された分析タスクのレポートを E メールで送信できます。

VMware Cloud Foundation での Skyline Health Diagnostics のシャットダウンおよび起動

管理ドメイン vCenter Server の vSphere Client を使用して、Skyline Health Diagnostics 仮想マシンを個別にシャットダウンしてから起動できます。Skyline Health Diagnostics 仮想マシンのシャットダウンおよびSkyline Health Diagnostics 仮想マシンの起動を参照してください。

管理ドメイン全体をシャットダウンしてから起動する場合は、VMware Cloud Foundation 用の完全なシャットダウンと起動の順序に従います。管理ドメインのシャットダウンおよび管理ドメインの起動を参照してください。