VMware Blast Extreme はモバイル クラウド用に最適化されており、H.264 が使用できるクライアント デバイスを最も広範囲にサポートします。表示プロトコルの中で、VMware Blast の CPU 消費は最小であり、これによりモバイル デバイスのバッテリー寿命が長くなります。VMware Blast Extreme は遅延の増加またはバンド幅の減少を補い、TCP および UDP のネットワーク転送を活用することができます。

VMware Blast 表示プロトコルは、公開アプリケーション、および仮想マシンまたは RDS ホストの共有セッション デスクトップを使うリモート デスクトップに使用できます。RDS ホストには物理マシンまたは仮想マシンを使用できます。Windows 10 RS4 以降の Enterprise Edition を除き、VMware Blast 表示プロトコルは単一ユーザーの物理コンピュータで動作しません。
注: Windows 10 RS4 を実行している物理コンピュータで、動画およびテレビのアプリケーションはサポートされません。

VMware Blast Extreme の機能

VMware Blast Extreme の主要な機能は次のとおりです。

  • 会社のファイアウォールの外のユーザーは、会社の仮想プライベート ネットワーク (VPN) でこのプロトコルを使用できます。また、ユーザーは会社の DMZ のセキュリティ サーバまたは Access Point アプライアンスに対して、暗号化された安全な接続を行うことができます。
  • Advanced Encryption Standard (AES) 128 ビット暗号化がサポートされており、デフォルトで有効になっています。ただし、キーの暗号化方式は AES-256 に変更できます。
  • あらゆる種類のクライアント デバイスからの接続。
  • LAN および WAN でのバンド幅使用を削減する最適化制御。
  • Windows エージェントの PerfMon で表示されるパフォーマンス カウンタには、次のようなシステムの現状を正確に表示します。この情報は一定の間隔で更新されます。
    • Blast セッション
    • イメージング
    • オーディオ
    • CDR
    • USB:USB トラフィックが VMware 仮想チャネル (VVC) を使用するように設定されている場合、Windows エージェントの PerfMon に表示される USB カウンタは正確な値になります。
    • Skype for Business:カウンタは、制御トラフィックにのみ使用されます。
    • クリップボード
    • RTAV
    • シリアル ポートとスキャナ リダイレクト機能
    • 仮想印刷
    • HTML5 MMR
    • Windows Media MMR:この機能が VMware 仮想チャネル (VVC) を使用するように設定されている場合にのみ、パフォーマンス カウンタが表示されます。
  • Windows クライアントで一時的にネットワークが切断された場合のネットワークの継続性。
  • 仮想ディスプレイには 32 ビット カラーがサポートされます。
  • ClearType フォントはサポートされています。
  • 動的オーディオ品質調整を使用する LAN と WAN に対するオーディオのリダイレクト。
  • 一部のタイプのクライアントで Webcam とマイクを使用するためのリアルタイム オーディオ ビデオ。
  • 一部のクライアント上でのテキストのコピーおよび貼り付け、およびクライアントのオペレーティング システムとリモート デスクトップまたは公開アプリケーションの間でのイメージのコピーと貼り付け。その他のクライアント タイプでは、プレーン テキストのコピーおよび貼り付けのみがサポートされています。フォルダやファイルなどのシステム オブジェクトは、システム間でコピーおよび貼り付けすることができません。
  • 複数のモニターは、一部のクライアント タイプでサポートされます。一部のクライアントでは、Aero が無効になっている Windows 7 リモート デスクトップに、1 つのディスプレイにつき最高 2560 x 1600 の解像度のモニターを最大 4 台、または 4K (3840 x 2160) の解像度のモニターを最大 3 台使用できます。ピボット表示および自動調整もサポートされています。

    3D 機能を有効にすると、最高 1920 x 1200 の解像度のモニターが最大 2 台、または 4K (3840 x 2160) の解像度のモニター 1 台がサポートされます。

  • USB のリダイレクトは、一部のクライアント タイプでサポートされます。
  • MMR リダイレクトは、一部の Windows クライアント オペレーティング システムと一部のリモート デスクトップ オペレーティング システム(Horizon Agentがインストール済み)でサポートされます。
  • モニターが接続されていない物理マシンへの接続は NVIDIA グラフィックス カードによりサポートされます。最高のパフォーマンスを得るために、H.264 エンコーディングをサポートするグラフィックス カードを使用してください。

    アドインの GPU と組み込みの GPU がある場合、オペレーティング システムが組み込みの GPU をデフォルトに設定する可能性があります。この問題を修正するには、デバイス マネージャでデバイスを無効にするか、削除します。問題が解決しない場合には、組み込みの GPU 用の WDDM グラフィックス ドライバをインストールするか、システムの BIOS で組み込みの GPU を無効にします。組み込みの GPU を無効にする方法については、システムのドキュメントを参照してください。

    注意: 組み込みの GPU を無効にすると、BIOS の設定や NT ブートローダーへのコンソール アクセスなどのアクセス機能が使用できなくなる可能性があります。
  • Blast コーデックにより、より鮮明な画像とフォントが表示され、デスクトップ使用時のアダプティブ H.264 エンコーダーの機能が強化されます。このコーデックは、モーション検出、モーション ベクトル、内部予測マクロブロックを含むビデオ コーデックのように動作します。これは、次の環境でサポートされ、デフォルトでは無効になっています。
    • Windows および Linux エージェント。コーデックを有効にするには:
      • Windows エージェントの場合は、次のレジストリ キーを設定します。HKLM\SOFTWARE\VMware, Inc.\VMware Blast\Config\EncoderBlastCodecEnabled = 1
      • Linux エージェントの場合は、\etc\vmware\configRemoteDisplay.allowBlastCodec=TRUE を設定します。
    • Windows、Linux、および MacOS のクライアントの設定で、H.264 を無効にします。モバイル クライアントと Web クライアントでは、この機能はサポートされません。
  • 動的なエンコーダー スイッチを使用すると、ビデオ用に最適化されたエンコーダー(H.264 4:2:0 または H.264 4:4:4)とテキスト用に最適化されたエンコーダー(Blast コーデックとアダプティブ)を切り替えることができます。このスイッチは、バンド幅の使用量を減らし、鮮明なテキストと画像を維持するのに役立ちます。この機能を使用するには、エンコーダー スイッチを有効にします。
    • Windows エージェントの場合は、レジストリ キー HKLM\SOFTWARE\VMware, Inc.\VMware Blast\Config\EncoderSwitchEnabled = 1 を設定します。
    • Linux エージェントの場合は、\etc\vmware\configRemoteDisplay.allowSwitchEncoder=TRUE を設定します。
    • Blast コーデックを有効にします(デフォルトでは無効になっています)。Blast コーデックが有効になっていない場合、スイッチ エンコーダーはアダプティブを使用して、テキスト用に最適化されたエンコードを行います。
    • Windows、Linux、および MacOS のクライアントの設定で、H.264 を有効にします。モバイル クライアントと Web クライアントでは、この機能はサポートされません。
    注: エンコーダーのスイッチは、ソフトウェア H.264 のみを使用し、ハードウェア アクセラレータによるグラフィック処理はサポートされません。

どのクライアント デバイスが固有の VMware Blast Extreme 機能をサポートするかについての詳細は、https://docs.vmware.com/jp/VMware-Horizon-Client/index.htmlを参照してください。

Wake-on-LAN

Wake-on-LAN は、Windows 10 RS4 以降の Enterprise Edition が実行されている物理マシンでサポートされます。この機能を使用すると、 Horizon Connection Server に接続したときに物理マシンンを起動できます。Wake-on-LAN 機能には次の前提条件があります。
  • Wake-on-LAN (WoL) は IPv4 環境でのみサポートされます。
  • BIOS の設定とネットワーク カードの設定で Wake-on-LAN が有効になっている場合に Wake-on-LAN パケットの受信でマシンを起動するように、物理マシンが構成されている必要があります。
  • Connection Server からの WoL パケットには接続先ポート 9 が使用されます。
  • WoL パケットは、Horizon Connection Server から Horizon Agent に転送される IP 転送ブロードキャスト パケットです。Wake-on-LAN は次のシナリオで機能します。
    • Connection Server と物理マシンの Horizon Agent が LAN 環境の同じサブネットにある。
    • 起動する物理マシンの宛先サブネットへの IP 転送ブロードキャスト パケットを許可するように、Connection Server と Horizon Agent の間のすべてのルーターが構成されている。
注: Wake-on-LAN 機能は、物理 Windows 10 エージェントのフローティング割り当てプールをサポートしていません。WoL パケットは、特定のユーザーに資格のある専用の割り当てプールにのみ送信されます。

推奨されるゲスト OS の設定

1GB 以上の RAM、および高解像度、全画面表示モード、または 720p 以上の形式のビデオの再生ではデュアル CPU が推奨される。CAD アプリケーションなどのグラフィックスを多用するアプリケーションで Virtual Dedicated Graphics Acceleration を使用するには、4GB の RAM が必要。

ビデオ品質の要件

480p 形式のビデオ
リモート デスクトップが単一の仮想 CPU を備えている場合、480p 以下のビデオをネイティブ解像度で再生できます。ビデオを HD Flash または全画面表示モードで再生する場合は、デスクトップにデュアル仮想 CPU が必要です。デュアル仮想 CPUデスクトップが搭載されていても、全画面表示モードで 360p を下回る形式のビデオを再生する場合、特に Windows クライアントで音声が遅れる場合があります。
720p 形式のビデオ
リモート デスクトップがデュアル仮想 CPU を備えている場合、720p のビデオをネイティブ解像度で再生できます。HD または全画面表示モードで 720p のビデオを再生した場合、パフォーマンスが低下する可能性があります。
1080p 形式のビデオ
リモート デスクトップがデュアル仮想 CPU を備えている場合、メディア プレーヤーを小さいウィンドウ サイズに調整する必要がある場合がありますが、1080p 形式のビデオを再生できます。
3D レンダリング
ソフトウェア アクセラレータによるグラフィック機能またはハードウェア アクセラレータによるグラフィック機能を使用するようにリモート デスクトップを構成できます。ソフトウェア アクセラレータによるグラフィック機能を使用すると、物理的なグラフィック処理ユニット (GPU) を必要とすることなく、DirectX 9 と OpenGL 2.1 アプリケーションを実行できます。ハードウェア アクセラレータによるグラフィック機能では、仮想マシンが vSphereホストの物理的な GPU (グラフィック処理ユニット)を共有するか、物理的な GPU を単一の仮想デスクトップの専用にすることができます。

3D アプリケーションについては、2 台までのモニターがサポートされ、最大画面解像度は 1920 x 1200 です。リモート デスクトップのゲスト OS は、Windows 7 以降が必要です。

3D 機能の詳細については、「3D グラフィックス アプリケーションの使用」を参照してください。

クライアント システムのハードウェア要件

特定のタイプのデスクトップまたはモバイル クライアント デバイスのプロセッサ要件とメモリ要件については、https://docs.vmware.com/jp/VMware-Horizon-Client/index.html を参照してください。