VMware 製品ダウンロード ページから、Horizon Client のバンドル インストーラをダウンロードして実行できます。Horizon Client をアップグレードするには、まずクライアント システムから既存のバージョンをアンインストールしてから、新しいバージョンのインストーラを実行します。

注: バンドル インストーラと Debian インストーラが互いに競合しています。1 つのインストーラ タイプのみを選択する必要があります。 Horizon Client は、同じクライアント システムでバンドル インストーラと Debian インストーラの両方を使用する混在インストールをサポートしていません。

前提条件

  • クライアント システムがサポートされているオペレーティング システムを稼動していることを確認します。「Linux クライアント システムのシステム要件」を参照してください。
  • インストール オプションについて理解しておきます。「Linux クライアント インストーラの機能オプション」を参照してください。
  • クライアント システムの root アクセス権があることを確認します。
  • クライアント システムに VMware Workstation がインストールされていないことを確認します。
  • RDP 表示プロトコルを使用してリモート デスクトップに接続する予定であれば、適切な RDP クライアントがインストールされていることを確認します。「Linux クライアント システムのシステム要件」を参照してください。
  • Horizon Client ソフトウェアの旧バージョンをアンインストールします。「Horizon Client for Linux のアンインストール」を参照してください。
  • コマンドライン インストーラを使用する場合は、Linux コマンドライン インストール オプションを理解しておきます。「コマンドライン インストール パラメータ」を参照してください。
  • クライアント システムに Python バージョン 2.x または 3.x がインストールされていることを確認します。
    注: Horizon Client が必要なすべての Python モジュールにアクセスできるようにするため、Linux ディストリビューションにデフォルトでインストールされている Python パッケージを使用します。手動インストールは行わないでください。手動でインストールすると、必要なモジュールが含まれない可能性があります。Python 2.x と Python 3.x の両方がシステムにインストールされている場合、 Horizon Client は Python 3.x パッケージを使用します。
  • シン クライアントを使用している場合は、libgtk 3.14 以降がシステムにインストールされていることを確認します。必要に応じて、libgtk ライブラリのバージョン 3.14 以降を入手し、シン クライアント システムにインストールします。

インストーラはインストール プロセスの一環としてシステム ライブラリのスキャンを実行し、システムに Horizon Client との互換性があるかどうかを確認しますが、このスキャンはスキップすることも可能です。

インストール手順

このバンドル インストーラには、USB リダイレクト、リアルタイム オーディオビデオ、スマート カード、およびクライアント ドライブ リダイレクトなどの機能のモジュールが含まれます。

注: ほとんどの Linux ディストリビューションでは、 Horizon Client インストーラ バンドルを実行すると GUI ウィザードが起動します。また、 --console コマンドライン パラメータを指定してインストーラを実行すると、コマンドライン ウィザードを起動できます。
  1. Linux クライアント システムでは、「http://www.vmware.com/go/viewclients」の Horizon Client 製品ダウンロード ページから Horizon Client バンドル インストーラ ファイルをダウンロードします。

    ファイル名は、VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle です。

    インストーラのファイル名で、YYMM はマーケティング バージョン番号、x.x.x は内部バージョン番号、yyyyyyy はビルド番号です。arch は、CPU 命令セット アーキテクチャです。

  2. ターミナル ウィンドウを開き、インストーラ ファイルを含むディレクトリに移動します。
  3. インストーラ ファイルに実行権限を設定する場合は、適切なコマンドを実行します。例:
    chmod +x VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle
  4. 適切なコマンドを使用して、インストーラを実行します。
    オプション コマンド
    GUI ウィザードを使用する場合で、実行権限を設定してあるとき
    sudo ./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle
    GUI ウィザードを使用する場合で、実行権限を設定してないとき
    sudo sh ./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle
    コマンドライン インストーラを使用する場合で、実行権限を設定してあるとき
    sudo ./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle 
    --console
    コマンドライン インストーラを使用する場合で、実行権限を設定してないとき
    sudo sh ./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle 
    --console
    注: --console と一緒に、他のコマンドライン パラメータと環境変数を使用して、オプション コンポーネントのインストールなどのインストール設定を制御できます。「 コマンドライン インストール パラメータ」を参照してください。
  5. インストールを続行するには、プロンプトに従ってオプション コンポーネントのインストールを確認します。

    オプション コンポーネントの詳細については、「Linux クライアント インストーラの機能オプション」を参照してください。

  6. インストールが完了したら、次のオプションを指定します。
    1. インストール後にインストーラがインストールされたサービスを登録および起動することを許可するかどうかを指定します。

      インストーラがこれらのタスクを完了できるようにすると、再起動するたびに USB リダイレクト サービスを手動で開始する必要がなくなります。

    2. さまざまな機能コンポーネントが依存しているライブラリの互換性スキャンを実行するかどうかを指定します。

      このシステム スキャンでは、ライブラリ互換性ごとに結果値が表示されます。

      結果値 説明
      成功しました 必要なすべてのライブラリが見つかりました。
      失敗した 指定されたライブラリが見つからなかったことを示します。必要なライブラリ バージョンを検索して、クライアント システムにインストールする必要があります。詳細については、Linux ディストリビューションのドキュメンテーションとサポート情報を参照してください。

/tmp/vmware-root/vmware-installer-pid.log でインストールに関するログ情報を確認できます。

Horizon Client を起動して、正しい仮想デスクトップにログインできることを確認します。「リモート デスクトップまたは公開アプリケーションへの接続」を参照してください。

コマンドライン インストール パラメータ

コマンドライン インストール パラメータを使用して、.bundle インストーラを介して Linux システムに Horizon Client をインストールできます。

他のコマンドライン パラメータおよび環境変数と一緒に --console パラメータを使用して、Horizon Client のサイレント インストールを行います。サイレント インストールを使用すると、大規模企業に Horizon Client を効率よく展開できます。

以下の表に、 VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle インストーラー ファイルを実行する際に使用できるオプションを示します。
表 1. Linux コマンドライン インストール パラメータ
オプション 説明
--help 使用方法の情報を表示します。
--console ターミナル ウィンドウでコマンドライン インストーラを使用できるようにします。
--custom

--set-setting オプションを使用するなどの、デフォルトの答えがスクリプト化されている場合でも、インストールに関するすべての質問を表示します。

インストーラ モードの詳細については、次の表の --regular の説明を参照してください。

--gtk GUI ベースの VMware インストーラを開きます。デフォルトのオプションです。何らかの理由で GUI が表示できないまたはロードできない場合には、コンソール モードが使用されます。
--ignore-errors または -I いずれかのインストーラ スクリプトにエラーがあっても、インストールを続行できるようにします。エラーが発生したセクションは完了しないため、コンポーネントが正常に構成されない可能性があります。
--regular

インストールの質問のみが表示され、デフォルトの回答が表示されません。このオプションがデフォルトのインストーラ モードです。

注: 3 つのインストーラ モードは、 --custom--regular--required です。インストーラ モード パラメータが指定されていない場合、インストーラはデフォルトで --regular モードになります。複数のモードが指定されている場合、インストーラは使用するモードを次の優先順位で決定します。
  1. --custom
  2. --regular
  3. --required
--required

インストールの質問を表示せずにインストーラを実行します。

インストーラ モードの詳細については、次の表の --regular の説明を参照してください。

--set-setting vmware-horizon-html5mmr html5mmrEnable yes HTML5 マルチメディア リダイレクトとブラウザ リダイレクトのサポートをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-integrated-printing vmipEnable yes VMware Integrated Printing のオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-mmr mmrEnable yes マルチメディア リダイレクト (MMR) のオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-rtav rtavEnable yes リアルタイム オーディオビデオのオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-scannerclient scannerEnable yes スキャナ リダイレクトのオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-serialportclient serialportEnable yes シリアル ポート リダイレクトのオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-smartcard smartcardEnable yes スマート カード リダイレクトのオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-tsdr tsdrEnable yes クライアント ドライブ リダイレクトのオプション コンポーネントをインストールします。
--set-setting vmware-horizon-usb usbEnable yes USB リダイレクトのオプション コンポーネントをインストールします。
--stop-services インストールしたサービスを登録したり、起動したりしないでください。
オプション コンポーネントの詳細については、「 Linux クライアント インストーラの機能オプション」を参照してください。
表にあるパラメータの他に、次の環境変数も設定できます。
表 2. Linux 環境変数のインストール設定
変数 説明
TERM=dumb 基本的なテキスト UI を表示します。
VMIS_LOG_LEVEL=value value には次の値から 1 つを使用します。
  • NOTSET
  • DEBUG
  • INFO
  • WARNING
  • ERROR
  • CRITICAL

ログ情報は /tmp/vmware-root/vmware-installer-pid.log に記録されます。

サイレント インストール コマンドの例

以下は、Horizon Client のサイレント インストール方法の例です。各コンポーネントに対して、例ではそのコンポーネントをインストールするかどうかを指定しています。

sudo env TERM=dumb \

./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle --console \

--set-setting vmware-horizon-usb usbEnable no \

--set-setting vmware-horizon-smartcard smartcardEnable no \
        
--set-setting vmware-horizon-rtav rtavEnable yes \

--set-setting vmware-horizon-tsdr tsdrEnable yes \

--set-setting vmware-horizon-scannerclient scannerEnable yes \

--set-setting vmware-horizon-serialportclient serialportEnable yes \

--set-setting vmware-horizon-mmr mmrEnable yes \

--set-setting vmware-horizon-media-provider mediaproviderEnable yes

この次の例は、デフォルト設定を使用して、Horizon Client のサイレント インストールを実行する方法を示しています。

sudo env TERM=dumb \
./VMware-Horizon-Client-YYMM-x.x.x-yyyyyyy.arch.bundle --console --required