この記事では、Horizon Cloud Connector アプライアンスの簡易ネットワーク管理プロトコル (SNMP) の設定を有効にして構成する方法について説明します。この構成により、ネットワーク管理システムを介して主要な Horizon Cloud Connector イベントを監視できます。
この機能を使用するには、Horizon Cloud Connector 2.0 以降が稼動している必要があります。
Horizon Cloud Connector での SNMP 監視の仕組み
Horizon Cloud Connector は、特定のイベントが発生したときにアプライアンスから発生する SNMP トラップの使用による監視をサポートします。これらのトラップは、ネットワーク管理システムにトリガ イベントや条件を通知します。
GET
、
GETBULK
、
GETNEXT
の操作の受信など、その他の SNMP 操作はサポートしません。
デフォルトで、Horizon Cloud Connector では SNMP サービスは無効になっています。SNMP トラップを使用するには、この記事の後半で説明するように、まず アプライアンスの SNMP サービスを有効にして構成する必要があります。
MIB(Management Information Base)ファイルでは、管理対象デバイスから提供可能な情報を定義する、トラップ定義が含まれています。MIB ファイルには、オブジェクト識別子 (OID) 別に記述された管理対象オブジェクトと階層別に整理された変数が定義されています。この記事の後半で提供するリンクを使用して、必要な MIB ファイルをダウンロードできます。
SNMP トラップで監視できる Horizon Cloud Connector イベント
アプライアンスの SNMP サービスを有効にして構成すると、Horizon Cloud Connector は以下のイベントの SNMP トラップをサポートします。
- Horizon サブスクリプション ライセンス(別称:Horizon ユニバーサル ライセンス)の同期の失敗
- 以下のような、Horizon Cloud Connector 構成に影響するライフサイクル イベント
-
- Horizon ポッドとペアリングするためのアプライアンスの構成または再構成
- 新しい Horizon Cloud Connector ソフトウェア バージョンへの更新
- Horizon ポッドからのアプライアンスの取り外し
これらのイベントのいずれかにより、アプライアンスからネットワーク管理システムへの SNMP トラップの送信がトリガされます。
Horizon Cloud Connector の SNMP 監視の構成方法
SNMP 構成プロセスの手順全体の概要は以下のとおりです。
- 手順 1:ネットワーク管理システムで使用する VMware MIB ファイルをダウンロードします。
- 手順 2:ネットワーク管理システムで、Horizon Cloud Connector エンジン ID を構成します。
- 手順 3:Horizon Cloud Connector 構成ポータルで SNMP サービスを有効にして構成します。
各手順の詳細については、以降のセクションを参照してください。
手順 1:VMware MIB ファイルと OID のダウンロード
管理情報の構造 (SMI) に関する RFC 2578 標準は、特定の製品および機能の管理情報ベース (MIB) ファイルの記述に使用される構文です。これらの MIB ファイルは、製品とは別にバージョン管理され、イベント タイプおよびイベント データ関連情報の識別に使用できます。
これらの MIB ファイルをダウンロードするには、VMware ナレッジベースの記事 KB1013445を参照してください。
MIB ファイルで使用されるオブジェクト識別子 (OID) をダウンロードするには、VMware ナレッジベースの記事 KB2054359を参照してください。
手順 2:管理システムでの Horizon Cloud Connector エンジン ID の構成
SNMP の有効化プロセス中に、ネットワーク管理システムで使用する一意の SNMP エンジン ID が、Horizon Cloud Connector によって自動生成されます。エンジン ID は、ハッシュ機能によって、SNMP v3 メッセージの認証と暗号化のための鍵を生成するために使用されます。
- Horizon Cloud Connector 構成ポータルを起動するには、ブラウザで https://<appliance IP> を指定します。ここでの <appliance IP> はアプライアンス ノードの IP アドレスまたは FQDN です。
- 構成ポータルで、Horizon Cloud Connector の構成ステータス リストの下に表示される SNMP エンジン ID を見つけます。
次のスクリーンショットの例で、構成ポータルに表示される自動生成された SNMP エンジン ID を示しています。
- ネットワーク管理システムで、SNMP エンジン ID を適切な構成ページに追加します。
手順 3:Horizon Cloud Connector SNMP サービスの有効化と構成
SNMP サービスの設定には、Horizon Cloud Connector 構成ポータルからアクセスできます。
- Horizon Cloud Connector 構成ポータルを起動するには、ブラウザで https://<appliance IP> を指定します。ここでの <appliance IP> はアプライアンス ノードの IP アドレスまたは FQDN です。
- 構成ポータルの上部で、[SNMP の構成] をクリックします。
SNMP 構成のダイアログ ボックスが表示されます。次のスクリーンショットで、最初に表示されたときのダイアログ ボックスの例を示しています。
- [SNMP を有効にする] トグルをオンに切り替えます。
- SNMP のバージョン、ユーザー名、およびセキュリティ レベルの設定を、次の表の記載どおりに指定します。
設定 説明 [SNMP エンジン ID] この読み取り専用設定には、Horizon Cloud Connector の自動生成された SNMP エンジン ID が表示されます。 [SNMP バージョン] この設定では、使用する SNMP のバージョンを指定できます。このリリースでは、SNMP v3 のみがサポートされます。 [SNMPv3 USM ユーザー] SNMP 監視情報にアクセスできる、SNMPv3 USM(ユーザーに基づくセキュリティ モデル)のユーザーを構成します。ユーザー名は、8 文字から 31 文字の長さで、英数字のみを使用する必要があります。 [SNMPv3 セキュリティ レベル] SNMP サービスで、プライバシー アルゴリズムの有無にかかわらず、オプションの認証アルゴリズムを使用するかどうかを指定します。認証は、ユーザーの ID を確認するために使用します。プライバシーを使用すると、SNMP v3 メッセージを暗号化してデータの機密性を保証できます。
認証およびプライバシーは、どちらもオプションです。ただし、プライバシーを有効にするには、認証を有効にする必要があります。
- (オプション)認証を含むセキュリティ レベルを指定した場合は、次の表の記載内容に従って認証の詳細を構成します。
設定 説明 [SNMPv3 認証アルゴリズム] SNMP ユーザーの ID を確立するために使用する認証アルゴリズムを指定します。 [SNMPv3 認証パスワード] ユーザーの ID を確立するための認証アルゴリズムに必要なパスワードを構成します。認証パスワードの長さは 8 文字から 31 文字までにする必要があります。 [認証パスワードの確認] 認証パスワードを再入力します。 - (オプション)認証とプライバシーの両方を含むセキュリティ レベルを指定した場合は、次の表の記載内容に従ってプライバシーの詳細を構成します。
設定 説明 [SNMPv3 プライバシー アルゴリズム] SNMP メッセージの暗号化に使用するプライバシー アルゴリズムを指定します。 [SNMPv3 プライバシー パスワード] 暗号化キーを生成するためのプライバシー アルゴリズムに必要なパスワードを構成します。プライバシー パスワードの長さは 8 文字から 31 文字までにする必要があります。 [プライバシー パスワードの確認] プライバシー パスワードを再入力します。 - 次の表の説明に従って、Horizon Cloud Connector から SNMP トラップを受信できる、ネットワーク管理システムの詳細を指定します。
設定 説明 [レシーバの IP アドレス] SNMP トラップを受信できる、ネットワーク管理システムの IP アドレスを指定します。 [レシーバ ポート] トラップを受信するためのネットワーク管理システムが使用するポート番号を指定します。 [レシーバのコミュニティ文字列] 受信したトラップが Horizon Cloud Connector から発生していることを検証するために、ネットワーク管理システムが使用するコミュニティ文字列を入力します。 次のスクリーンショットは、設定が構成された [SNMP の詳細] ダイアログ ボックスの例を示しています。
- SNMP サービスの構成が完了したら、変更を保存します。
SNMP サービスの構成を変更すると、coldStart システム トラップが必ず生成されます。Horizon Cloud Connector フレームワーク サービスが再起動すると、warmStart トラップが生成され、ネットワーク管理システムに送信されます。