VMware Integrated OpenStack 7.2 では、Cinder ボリュームを VMDK ではなく First Class Disk (FCD) として作成できます。

FCD は、Improved Virtual Disk (IVD) または管理仮想ディスクとも呼ばれる、仮想マシンから独立した名前付き仮想ディスクです。Cinder ボリュームで FCD を使用すると、シャドウ仮想マシンが不要になります。

デフォルトの VMDK バックエンドに加えて、FCD バックエンドが提供されます。Cinder の新しいバックエンド用ドライバとして FCD を追加すると、同じデプロイで FCD と VMDK の両方のボリュームを使用できます。また、FCD ボリュームと VMDK ボリュームを同じ OpenStack インスタンスに接続することもできます。

ボリュームの作成に使用するバックエンド ドライバを指定するには、以下の例に示すように、目的のドライバの名前に設定された volume_backend_name の追加仕様を含むボリューム タイプを作成します。
  • VMDK ドライバの場合は VMwareVcVmdkDriver を使用します。
  • FCD ドライバの場合は VMwareVStorageObjectDriver を使用します。

その後、ボリュームを作成するときに、このボリューム タイプを選択します。

既存の VMDK ボリュームを自動的に FCD ボリュームに変換することはできません。VMDK ボリュームを手動で変換するには、すべてのインスタンスからボリュームを接続解除し、管理対象から外した後、再度管理対象にします。詳細については、ボリュームの管理を参照してください。

VMware Integrated OpenStack で FCD ボリュームを使用する場合は、次の点に注意してください。

  • FCD ボリュームを使用するには、vSphere 6.7 Update 2 以降が必要です。
  • パワーオン状態のインスタンスに接続されたボリュームに次の操作を実行するには、vSphere 6.7 Update 3 以降が必要です。
    • スナップショットからボリュームを作成する
    • スナップショットから作成された一時ボリュームを使用してボリューム スナップショットをバックアップする
  • Storage DRS は、FCD ボリュームではサポートされていません。
  • ボリュームのマルチ接続は、FCD ボリュームではサポートされていません。
  • FCD ボリュームは、共有データストアによってバッキングされている必要があります。
  • 使用中の FCD ボリュームは、クローン作成、再指定、または拡張できません。
  • FCD ボリュームに設定したストレージ ポリシーを削除することはできません。ただし、接続されていないボリュームで使用されているストレージ ポリシーは変更できます。
  • FCD ボリュームが接続されているインスタンスは移行できません。インスタンスを移行する前に、ボリュームを接続解除する必要があります。
  • スナップショットが格納された FCD ボリュームは拡張できません。
  • FCD ボリュームは、vSphere からの仮想マシン ディスクのインポートをサポートしていません。