NSX Advanced Load Balancer SaaS は、分散ロード バランシング、Web アプリケーション ファイアウォール、グローバル サーバ ロード バランシング (GSLB)、ネットワークおよびアプリケーション パフォーマンス管理などのアプリケーション サービスをマルチクラウド環境全体で提供するクラウド ホスト型オプションとして、主要な NSX Advanced Load Balancer プラットフォームを補完します。これにより、迅速な価値の提供、運用の簡素化、展開の柔軟性をきわめて安全に実現します。
NSX Advanced Load Balancer アーキテクチャ
NSX Advanced Load Balancer アーキテクチャは、次の 2 つの主要コンポーネントで構成されています。
コントローラ
NSX Advanced Load Balancer Controller は、NSX Advanced Load Balancer ソリューションの制御プレーンです。構成、可視性、分析、メトリックなどを一元的に管理および操作します。ビッグ データ分析を使用してデータを分析し、直感的なダッシュボード上で、実行可能なインサイトを管理者に提示します。
サービス エンジン
NSX Advanced Load Balancer サービス エンジン (SE) はデータ プレーン コンポーネントです。SE は、エンド ユーザーとアプリケーション間のトラフィック フローからリアルタイムのアプリケーション分析を収集します。SE は、ロード バランシング (LB) および Web アプリケーション ファイアウォール (WAF) 機能を実際に実行する、高パフォーマンスのデータ プレーン エンティティです。指定した SE のすべての構成は、それぞれの Controller クラスタによって管理されます。
NSX Advanced Load Balancer アーキテクチャの詳細については、『VMware NSX Advanced Load Balancer 構成ガイド』の「ロード バランシング」トピックを参照してください。
NSX Advanced Load Balancer SaaS の概要
NSX Advanced Load Balancer SaaS が導入されるまでは、コントローラとサービス エンジンはお客様の環境に展開されていました。NSX Advanced Load Balancer SaaS の登場により、「サービスとしての制御プレーン」が運用モデルとして追加されました。NSX Advanced Load Balancer SaaS を使用することで、NSX Advanced Load Balancer は制御プレーンをホストおよび操作します。サービス エンジン（データ プレーン）は、引き続きユーザーの環境（オンプレミスまたはパブリック クラウド）に配置されます。次の図は、NSX Advanced Load Balancer によって管理されるコントローラを示しています。
主な特長は次のとおりです。
NSX Advanced Load Balancer が管理する、サービスとして使用できる制御プレーン。
即時オンボーディング：NSX Advanced Load Balancer Controller は数分で展開されます。
NSX Advanced Load Balancer は、継続的なモニター、構成のバックアップ、ソフトウェアのアップグレードとパッチの適用、セキュリティ アラートの発行、パフォーマンスの調整を実行します。
プロアクティブなサポート
マルチクラウド ソリューション：データ プレーンは、オンプレミスとパブリック クラウドのどちらにも配置できます。
NSX Advanced Load Balancer SaaS への接続の要件
環境を NSX Advanced Load Balancer SaaS に接続する際には、次の重要な考慮事項があります。
- ケース 1： NSX Advanced Load Balancer SaaS からユーザー環境への接続について追加要件がない
-
このシナリオでは、NSX Advanced Load Balancer SaaS は、ユーザーのワークロードがプロビジョニングされている各 Infrastructure as a Service (IaaS) クラウド インフラストラクチャのパブリック API エンドポイントと通信します。これは自動的に機能し、追加の構成やアクセス ポリシーの要件はありません。NSX Advanced Load Balancer SaaS は、このモードで次のクラウド タイプをサポートします。
Amazon Web Services
Microsoft Azure
パブリック URL を伴う OpenStack（Platform 9 など）
また、NSX Advanced Load Balancer SaaS は、Orchestrator なしのクラウドと連携できます。この場合、SE のプロビジョニングは、ユーザーが手動で（または Ansible や Terraform などの自動化ツールを使用して）実行します。NSX Advanced Load Balancer SaaS では、ユーザーの仮想化インフラストラクチャへのインバウンド アクセスは必要ありません。このモードでサポートされるクラウド タイプは次のとおりです。
Linux サーバ クラウド
Orchestrator なしのクラウド（VMware 読み取りアクセスなど）
- ケース 2： NSX Advanced Load Balancer SaaS でユーザーのオーケストレーション環境への接続が必要
-
このシナリオでは、NSX Advanced Load Balancer SaaS は、通常プライベート ネットワークにあるインフラストラクチャと通信します。NSX Advanced Load Balancer SaaS は、仮想化インフラストラクチャとの通信を許可されると、仮想化オーケストレータと継続的に通信し、完全に自動化されたプロビジョニングを提供できます。NSX Advanced Load Balancer SaaS は、このモードで次のクラウド タイプをサポートします。
VMware の書き込みアクセス
OpenStack がホストするオンプレミス
VMware の読み取りアクセスおよび書き込みアクセス
注：上記のケース 1 と ケース 2 のいずれでも、サービス エンジンは NSX Advanced Load Balancer SaaS と通信する必要があります。これには、HTTPS や SSH などの安全な通信チャネルを介して、NSX Advanced Load Balancer サービス エンジンとコントローラ IP 間の通信を許可することが必要になる場合があります。
Linux サーバ クラウドは、上記のいずれかのモードで機能します。
NSX Advanced Load Balancer SaaS の展開
このセクションでは、NSX Advanced Load Balancer SaaS 運用モデルを使用して NSX Advanced Load Balancer プラットフォームを展開するプロセスを示します。完全な展開プロセスは、次の 3 つの手順に分かれています。
NSX Advanced Load Balancer SaaS の登録
クラウドへの NSX Advanced Load Balancer SaaS の接続
アプリケーション提供機能の構成
NSX Advanced Load Balancer SaaS の登録
NSX Advanced Load Balancer SaaS にサインアップするには、https://info.avinetworks.com/saas に移動して登録します。
NSX Advanced Load Balancer の担当者から連絡が来たら、受け取った接続先 URL を入力します。ログインして、NSX Advanced Load Balancer アカウントを作成します。
前の手順が完了すると、ログイン ID と、NSX Advanced Load Balancer SaaS にアクセスするための URL が提供されます。
クラウドから NSX Advanced Load Balancer SaaS への接続
このセクションでは、NSX Advanced Load Balancer SaaS が、アプリケーションがホストされているネットワーク インフラストラクチャ（NSX Advanced Load Balancer サービス エンジンがプロビジョニングされる場所）と統合するように構成されています。
クラウド タイプに応じて、以下の各ドキュメントを参照してください。
クラウド タイプ |
ドキュメント |
|---|---|
Microsoft Azure |
『VMware NSX Advanced Load Balancer インストール ガイド』の「Microsoft Azure への NSX Advanced Load Balancer のインストール」トピックを参照してください。 |
Amazon Web Services |
『VMware NSX Advanced Load Balancer インストール ガイド』の「Amazon Web Services への NSX Advanced Load Balancer のインストール」トピックを参照してください。 |
Linux サーバ クラウド |
『VMware NSX Advanced Load Balancer インストール ガイド』の「Linux サーバ クラウドで NSX Advanced Load Balancer を展開する場合の考慮事項」トピックを参照してください。 |
アプリケーション提供機能の構成
クラウドが NSX Advanced Load Balancer SaaS と統合されたら、最初の仮想サービスの作成を開始できます。詳細については、『VMware NSX Advanced Load Balancer 構成ガイド』の「仮想サービスの作成」トピックを参照してください。
